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お寺で気軽に絵写経(えしゃきょう)体験!青木村 大法寺

お寺を参拝するだけでなく、何か体験してみたい!けれど初めてのことはハードルが高くて心配・・・。

そんな方には「絵写経」がおすすめ!

「絵写経」とは、写経と絵を組み合わせたもの。なぞるだけなので知識や経験はなくても楽しめるのが魅力です。

今回は長野県青木村にある一乗山 大法寺さんにお邪魔して、初めての絵写経を体験してきました!

※この記事の写真は許可を得て撮影しています

絵写経(えしゃきょう)とは?

そもそも「写経(しゃきょう)」とはどのようなものなのでしょうか?

写経は、口頭で人伝いに広められてきた仏の教えを書き起こしたことから始まりました。インドで始まった仏教の教えは、書き起こされ、翻訳されて中国や日本にも広がっていきます。

さらに写経は教えを広めるためだけではなく、修行の一環にもなると考えられるようになります。書き写すことでその言葉が身に入り、書くこと自体が修行になるのです。

最近では「写仏」「写教」「絵写経」などバラエティも増え、修行ではなく体験として楽しめるようになってきました。写経のできる書籍や、ダウンロードしてなぞれるお手本などもあります。

初めての方は、まずお寺で住職のお話を伺いつつ体験するのがよろしいかと思います。

信州有数の古刹 青木村の大法寺

長野県東部、上田市のお隣にある青木村。古くから東山道が走り、湯治場としても栄えた青木村でランドマークともいえるのが大法寺(だいほうじ)さん。春は桜、初夏には紫陽花、秋には紅葉、冬には雪景色と、春夏秋冬何度でも参拝したいお寺です。

創建は奈良時代の大宝年間(701〜704年ころ)。東山道の駅寺(宿泊施設)として建てられました。

国宝三重塔は「見返りの塔」と謳われる美しさ

大法寺にある国宝 三重塔が建てられたのは、1333年。そのあまりの美しさに思わず見返してしまうところから、見返りの塔とも謳われました。善光寺の本堂や松本城などと同じく、長野県にある数少ない国宝のひとつです。

御朱印や御朱印帳も人気!

大法寺さんは御朱印帳や御朱印のデザインも可愛らしく、種類も豊富。春夏秋冬の景色に合わせた季節限定御朱印も人気を集めています。

2018年秋限定御朱印。

▼2020年新春限定御朱印

2020年新春限定御朱印。

ちなみに大法寺の新春限定御朱印はご覧の通り。2020年1月1日〜5日まで頒布予定だそうです。各500円。大法寺さんの御朱印については、姉妹ブログの神社仏閣紹介サイト「ごしゅメモ」をご覧ください!

受付を済ませ、絵写経体験へ!

大法寺さんではまず受付で絵写経用紙を購入し、参道脇にある喫茶室で絵写経を行います。人数によっては、美術館内で行うこともありますが、どちらにしろリラックスして楽しむことができそう。

絵写経を美術館で行うにあたり、受付の際に用紙代と入館券をお支払いください。

▼美術館での絵写経について

  • 休館日:月曜日(祝日除く)
  • 受付時間:9:00〜13:00
  • 絵写経用紙:500円
  • 美術館入館+和菓子お茶セット券:500円

写経の始まりや、絵写経体験についての説明を受け、用紙をいただきいよいよ体験スタート!

心穏やかに無心で筆を走らせる

写経には白紙のものや、白い線だけ入っているもの、下の紙に書かれたお経を写すものなどさまざまなパターンがあります。大法寺さんでは、あらかじめ薄いお手本が印刷されている用紙をいただきました。初心者はまずなぞり書きからスタートして、徐々に慣れていくのが良いでしょう。

文字を書くことの多い職業に就くわたしですが、紙に、ましてや筆ペンで文字を書くのは何年ぶりでしょうか。はじめは筆を持つ手が震えて思うように書けません。

大切なのは上手に書くことではなく、ていねいに文字をなぞることです」と、大法寺の松本副住職。

「上手に書こう」と思うと緊張しますが、「ていねいに書こう」ならば気負わず確実に筆を進めることができました。

大法寺で教わった絵写経の手順は、以下の通り。

  • 文字の写経から始める
  • 日付と名前、願文を記入する
  • 絵は大まかな輪郭から描き始める
  • 最後に細かな線を入れていく

気を抜くと線からはみ出してしまうため、気づけば40分ほど写経に集中していました。文字をなぞるとき、絵をなぞるとき、それぞれ異なる神経を集中させていたように感じます。

絵写経にはちょっとした遊び心を加えてもOK

筆ペンと一緒にカラーペンも貸し出してくださり、色付けも自由にして良いとのこと。せっかくなので、本物を思い起こしながら色を付けてみました。

わたしは青空に桜の舞う大法寺が美しい!とこんな感じの色つけ。やる前は少し堅苦しいイメージのあった写経ですが、ルールがあるわけではありませんし、楽しく体験することができました。わたしのようにデザインセンスがなくても、なぞるだけで作品としては満足できます。

最近では訪日客が体験して行かれることもあるそうですが、日本語や漢字が分からなくてもトラディショナルな雰囲気を肌で感じることができると人気だそう。またほかの修行と違って成果物があるため、やり切った!という達成感を得られるのも楽しいと話す参加者の声もありました。

絵写経が終わったらお茶とお菓子で一息

絵写経が終わると、お茶と和菓子で小休止。

お抹茶だけでなく、コーヒーや青木村産のリンゴジュースなど、お好きなお飲み物をご注文いただけます。お菓子は青木三山や見返りの塔をモチーフにした喫茶室限定のオリジナル商品。購入して帰ることもできます。

「ふううう〜・・・」

無意識に緊張していたのか、集中していたのか、終わった途端に大きなため息が出ました。絵写経の後にいただくお抹茶はおいしい!この日は雪も降り、窓の外を眺めながら静かな青木村のひとときを過ごしました。

最後に青木村郷土美術館を見学

許可を得て撮影しています。

美術館の入館料と喫茶料がセットになっているため、終わった後はぜひ美術館も見学していきましょう。三重塔内部の壁画を復元模写した復元図や、当時の屋根に使用されていた檜皮などが展示されています。

680年前の色鮮やかな壁画。絵写経では茶色く仕上げましたが、当時の内陣は細部まで細かく彩られていたことが分かります。

納経した方には特別な模様つき御朱印を頒布

本来、お寺における御朱印とは納経した証としていただけるものでした。絵写経を体験し納経した方には、特別な模様つきの御朱印を頒布しているそうです。

十一面観音菩薩さまの御朱印、お色は淡い色と模様がついた和紙に書いていただけます。

お寺で気軽に絵写経(えしゃきょう)体験!青木村 大法寺

写経や絵写経、写仏など、まだまだ体験したことのない方も多いと思います。初心者でも安心・リラックスして始められる大法寺さんの絵写経は、お寺や写経に親しむきっかけにもなるはず。

ちょっとでも「気になる!」と思った方は、ぜひ大法寺さんへお越しください。

大法寺

所在地:長野県青木村当郷2052

駐車場:あり(無料)

絵写経用紙:500円

美術館入館+和菓子お茶セット券:500円

納経料:300円

特別拝観:700円

読経祈祷・祈願:5,000円

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