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石垣が美しい!長野市松代の「霞城(かすみじょう)」を攻めてきた話

霞城(かすみじょう)は、長野県長野市松代町大室にあった山城です。別名は大室城とも呼ばれ、松代町大室を領した大室氏の居城であったといわれています。標高408メートルの霞城山にあり、この山は地元で向山(むこうやま)と呼ばれているのだそう。近くには大室古墳群もあり、古くから人が住んでいたと推測できます。

上杉謙信の書籍を読んでいたら善光寺平周辺の山城に行きたくなりました。持っていた山城の本からなるべく所要時間が短くて初心者にも攻めやすい山城を選んだ結果、上杉謙信はほぼ関係のない霞城に決定。

▼参考書籍「いざ!登る信濃の山城」

霞城(かすみじょう)の基本情報

名称霞城(大室城)
ふりがなかすみじょう(おおむろじょう)
所在地長野県長野市松代町大室157(永福寺)
駐車場永福寺の駐車スペースに駐車
標高408メートル
標高差60メートルほど
撮影日2021年12月

▼霞城のマップ

霞城の歴史と由来

霞城はその名の通り、敵が攻めてくると霞がかって攻めづらくなることからついたようです。ちなみに山形県山形市にある山形城も別名は霞城(かじょう)と呼ばれていますが、こちらも同じように城が霞に覆われて敵から姿を隠したことに由来しています。

霞城のトレッキングルート

ながの山城あるきより画像引用

山城を調べていると『ながの山城あるき 歴史トレッキングガイド』というWEBサイトを見つけました。イラストと動画付きで分かりやすく紹介されているので良かったらご覧ください。

今回は永福寺を起点にぐるっと一周するルートでめぐろうと思います。所要時間は1時間20分ほど、と聞いていましたが、実際は1時間もかからず歩ききることができました。

永福寺に駐車場を停めてスタート

永福寺への道
永福寺の小さなお堂

永福寺に向かう道は少しだけ狭いので大きな車で向かう方は気をつけてください。お堂の前にあるスペースに駐車しておきます。永福寺の看板横を通って登山口に入りましょう。五輪塔や首の斬られた石造物などが並んだ登山道は思ったよりも細く、濡れた落ち葉で滑ってちょっと危なかったです。

いきなり急な登山道が続きましたが、それも永福寺分岐点あたりまで。本郭までは私の足で20分程度だったと思います。山城の中では攻めやすい、人によっては「ほぼ平山城の部類に入る」レベル。体力がないので普通に疲れたけど!

准胝観音(じゅんていかんのん、木像)

5分ほど歩くと、准胝観音(じゅんていかんのん)と呼ばれる木像のある場所に辿り着きました。薄く割れやすそうな岩に囲まれています。霞城のある霞城山(向山)はほとんどこうした岩に覆われており、後で見えてくる立派な石垣たちも豊富な石があってこそ。

准胝観音前後の道のりは少し急ですが、尾根に出てしまえばほとんど急な上り坂はありませんでした。

霞城には石垣がしっかりと残る

霞城の山頂を目指していると、ふと開けて石垣が見えてきました。山城の姿がここまではっきりと残っているの、なんだか興奮します。平石小口積みと呼ばれる石垣が特徴的。

石垣とはしゃぐ筆者(自撮り)
細い石をうまく利用している

霞城の二郭と三郭

石垣の脇を抜けると切り立った崖の上に辿り着きました。山頂、本郭はもう少しです。夏はもう少し見晴らしが悪そうですが、冬は葉っぱが落ちて周りもよく見渡すことができます。

霞城の本郭へ

二郭からすぐ上がったところに本郭があります。ひときわ小さいこの感じが、古い時代の山城であることを物語っていますね。ベンチがあったので一休み。

城主の大室氏が、支えていた上杉景勝(上杉謙信の養子)に従い会津に移ったために廃城となったようです。早いうちに戦いの舞台から消えていたために、このように立派な石垣が残されたのでしょうか?

帰りは「石門登山口」から

帰りは石門を見るために別ルートから帰ります。同じ道を辿らずに帰れるのも、山城を観光するには嬉しいポイントです。雨つゆに濡れた枯葉に滑りながら、ロープをつたって一気におりていきます。

霞城の立派な虎口

帰り道に現れたのはこれまた立派な石垣たち。この石門は敵の侵入を阻む目的でつくられ、虎口と呼ばれています。下から見ると石垣が何層にも分かれており、なるほどここから攻撃されたら攻めている側も溜まったものではないな、と思いました。上の石垣と同様に平石小口積みに見えますが、少し雑多に積まれている感じがします。

石門登山口から永福寺駐車場へ

虎口を過ぎると石門登山道の入り口にやってきました。下の写真(1枚目)が石門跡です。私の感覚ですが、登るとすればこちらから登った方がキツそう。登山口を過ぎると集落の中を歩いて永福寺へ。途中の民家で古い古墳を発見しました。お隣にはネコ。永福寺までは北アルプスを横目に歴史を感じる旧街道のような道が続き、飽きずに歩くことができました。

▼龍ノ口

帰りに最後の見どころを見てきました。龍ノ口(たつのくち)と呼ばれる、岸壁に石仏が並んでいるところ。敵が攻めてくると、ここから出た守り神の竜が山に霞をかけて隠したという伝説があります。

山城あとは温泉!大室温泉「まきばの湯」に立ち寄ろう

永福寺まで戻った後、汗を流すためにとっておきの日帰り温泉へ。大室温泉「まきばの湯」です。カルシウム・ナトリウム−塩化物温泉(低張性 弱アルカリ性 温泉)の源泉100%掛け流し。見晴らしの良い露天風呂が魅力で、北アルプスや千曲川はもちろん、周りの山城たちも見渡せる絶景温泉です。

大室温泉 まきばの湯

所在地:長野県長野市松代町大室4108−2

営業時間:夏季(4 ~ 9 月)9:30 ~ 21:30、冬季(10 ~ 3 月) 9:30 ~ 21:30

料金:小・中学生:350 円 大人:550 円

定休日:月曜日
公式HP:https://makibanoyu.com/

▼スキマの山城記事はこちら

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