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もしも宮田村出身の彼に「僕の地元を案内するよ」と言われたら。

今回は長野県の南部、宮田村にお邪魔して来ました。

宮田村は伊那市と駒ヶ根市にはさまれたスキマの村。地元民でも「遊びに行くなら伊那、観光なら駒ヶ根」とやや肩身のせまい思いをしているみたい。

しかし宿場の面影をわずかに残す街並みや、黒川・大田切川上流の透明すぎる豊かな水、素朴な味わいが女性やお子さんにも嬉しいスイーツなど。宮田村には紹介したい魅力的なスポットがたくさんあります。

ではそんな宮田村に来てもらえるような、魅力的な提案方法はないだろうか?

いつものように淡々と自分の好きなスポットを紹介するのも良いけれど、宮田村のゆっくりと流れる時間や空気感込みでお伝えしたい。

よし、村デートプランを提案しよう。妄想で。

妄想村デート。

もしも旅好きカップルが宮田村デートをしたら?

「僕の地元、宮田村なんだ。いいところだから一度案内したいな〜って。どうかな?」

気に入ってもらえるか不安に思いつつも、いざ宮田村へ。

こんな感じでお届け。

実際は地元のスキマメンバーに案内してもらいながら取材していますが、セリフの情報はほとんどそのまま使っています。

なんとなく、案内される彼女や案内する彼の気持ちになってお読みください。

宮田駅周辺を散策。昼前についてゆったりランチタイム

今日は車で来たけれど、宮田駅周辺は歩いてみるのも面白い。

となりの公衆トイレより小さな駅舎に驚きつつも、宮田宿の面影を見つけに駅前を散策します。

昭和時代を描いた映画のロケ地になるほど、ノスタルジックな街。

宮田宿のあった仲町周辺。

宿場にしては道が広く感じますが、県道にする際広げたのかな?なんて話で盛り上がります。

宮田宿本陣跡を見に行こう

Skima信州的宮田村デートでおさえておきたい「本陣跡」。

江戸時代、伊那街道に設けられた宮田宿の本陣が門だけ残っています。中は私有地なので撮影や立入は遠慮しましょう。

本陣の建物は別の場所に移築されているので、宿場好きの彼女にはぜひ見てもらいたい。

昭和の街並みにわずか残る宿場の面影に、おもわずふたりのテンションも上がります。

ランチは「MIYADA村人TERRACE」で宮田の味をご紹介

宮田村の味を知ってもらいつつ、デートらしくおしゃれなランチがしたい。

そんな願いを叶えるべく、宮田駅から徒歩5分の「MIYADA村人TERRACE(村人テラス)」へやってきました。

学校に使われるような机とイスに、大きな黒板。

2017年4月に村が「まちなか活性化事業」の一貫でオープンさせたカフェ。村民の交流フリースペースとしても活用されているとのこと。

ランチは日によって村の人が作りに来てくれる、そんな感じ。

とりあえず100パーセント宮田産のりんごジュースを飲んでみる。

「宮田村にはりんごのオーナー制度があって、自分がりんごの木のオーナーになれるんだって。秋には収穫とかもできるみたい。」

「自分の木を持てるって、なんかいいね。」

「このへんは八ヶ岳牛乳が多いけれど、すずらん牛乳もたまに飲むかな。北信ではあまり見ないみたいだけど…」

「北信だと、オブセ牛乳が有名かなあ」

出てくるもの一つひとつに話題が広がる。地元の村デートならではの楽しみ方を見つけました。

この日いただいたのはお任せパスタ。

地元産お野菜たっぷりのトマトソースです。「できるだけ地元のものを使いたい」そんなお店の方の思いもうかがえました。

火曜日に出される「お持ち帰りそば専門店 満天そば」のおそばもおすすめ。おばあちゃんがお家で作っているお持ち帰り用のおそばは、宮田村の年越しに欠かせない。そんな地元の味を特別にいただくことができます。

若い人が来るのは珍しいらしく、今日はどうしたんですか?と聞かれました。

「宮田村を案内してもらっています」

ちょっと不思議そうな顔をされました。

MIYADA村人TERRACE

住所:宮田村3247-3

津嶋神社は奇祭・宮田祇園祭も行われるホットスポット

村人テラスの道向かい、少し高台にある小さな津嶋(つしま)神社。

あばれ神輿は、この石段から神輿をなんども叩き落とすお祭りなんだ。最後の柱一本になるまで何度もなんども。お酒も入ってだんだん神輿を上にあげられなくなることもあったり…」

「ま、まさしく”奇祭”だ…」

説明の看板にもしっかり「粉砕して」って書かれていてちょっとおもしろい。

津嶋神社

住所:宮田村3314(村人テラスの道向かい)

宮田とうふ工房で70円のドーナツを。

村人テラスにもメニューにあった「宮田とうふさんのホットケーキ」。

「ここのとうふはおいしいし、ドーナツも買えるよ」

彼の案内で宮田とうふ工房さんに寄り道。

もちもちどーなつ、1個70円。

プレーンと粉砂糖、きな粉を1個ずつ買ってみました。どこで食べよう。

宮田とうふ工房

住所:宮田村6689−1

「梅がきれいな場所があるんだ」と母校へ

「桜はまだだけど、梅ならきれいな場所知っているよ。母校なんだけど」

中学校前の梅並木は3分咲きといったところ。

東京では開花宣言がされても、宮田村の春はゆっくりやって来る。見頃を外して少し悔しそうな彼を横目に、日当たりの良い場所で咲く梅の花をアップで撮影。

「面白いんだよ。この学校では門を出入りするときに必ず一礼しなくちゃいけないんだ。鳥居みたいに」

こっそり示した彼の指先をたどると、確かに門の前でお辞儀をする生徒を見つけました。なんでもない村の風景もデートスポットにできるのは、村デートならでは。

宮田宿本陣はこちらに。となりの公園でドーナツを食べよう

宮田駅周辺から少し車を走らせ、移築された宮田宿本陣を見にやって来ました。

この日はなぜか扉がしまっており、中には入れず。

鍵を開ける人が来なかったのでは?なんてやり取りをしつつ、なんとなく周りを歩いてみる。

本陣に向かって大きなシダレサクラが見えました。

咲いている時期に来てみたかったな、また来ようね。

裏側には公園があって、奥にはなぜか大きな岩がポツポツと生えています。

「大きな岩って登りたくなるよね」

さっき買った宮田とうふ工房の袋を広げて、3つのドーナツをどう分けようか作戦会議。ボロボロこぼれるのかと思ったら、外はサクサク中はしっとり。2つに分けるのも簡単でした。

70円のドーナツをふたつに分けて食べると、お値段以上の幸せをもらえる気がします。

宮田宿本陣 旧新井家住宅

住所:宮田村1926

こまくさ橋から太田切川を眺める

「宮田村の紹介かは危ういけれど、こちらから行けば宮田だから。」

笑いながら紹介されたこまくさ橋は、上高地もびっくりの絶景スポット。夏は駒ヶ根側からよく人が来るらしいけれど、オフシーズンはこんな感じ。

水の音だけがけたたましく聞こえます。

大きな石の階段を歩いて川まで下りてみる。

水の透明度、分かりますか?

アルプスの雪解け水がキンッと冷たい。夏はとても気持ち良いだろうけど、人がいないこの時期が好きかも。

追記:夏の太田切川

夏にもう一度こまくさ橋へ行ってきました。子どもたちは浅瀬で水遊びをしたり、岩をとんで遊んだり。

駒ヶ根高原 こまくさ橋

住所:駒ヶ根市赤穂759-6(川の半分は宮田村・・)

こもれ陽の径はふたりで歩くのにちょうど良い

宮田村の観光パンフレットには必ず載っていた「こもれ陽の径」。

黒川の支流に沿って続く1.7kmほどの小道です。

意外と水量が多く起伏も激しい。

しかしとにかく、水がきれい。彼曰く「雪解けの時期がいちばんきれい」とのこと。

冬は全体的に茶色い風景。小さな春に目をこらします。

『アナと雪の女王』に出てきそうな石たち。

人の気配を微塵も感じない小径に、川の音だけが激しく響き渡ります。

「倒れた木が水を浴びて苔をむす。そんな木にわたしもなりたい」

何を言っているか分からなくても、そうだね、と同意してくれると嬉しい。

「地図にはない場所へ」

こもれ陽の径からさらに上流、この先は観光スポットですらありません。

「地図にはないけれど、水がきれいでオススメの場所を案内したい」

最高の口説き文句だと思いました。

そこまで浅くはないのに、きれいに底が見える。

ここも水量が多く、激しい。

危険な場所ではないけれど、デート気分でぼーっとするくらいの遊び方に留めておきましょう。

大きな岩に座ってぼーっと、気づけば時間が経って動けなくなる。おそろしく居心地のよい場所です。うろうろしていたら、靴もだいぶ汚れました。

ガツガツ観光スポットをまわる旅に飽きたら、こうして川を眺めるだけのデートをしてみませんか?

締めのおやつは北川製菓のル・ノール・リヴィエールで冷凍ドーナツを

「行きは通り過ぎたけれど、時間があったら寄ろうか」と話していた北川製菓さんのル・ノール・リヴィエールへ。

ヒルナンデス!などにも紹介されたらしい冷凍ドーナツ。

アイスドーナツの信州ミルク味。

信州駒ヶ根産のすずらん牛乳を使用しています。

イートインスペースでいただきます。

「今日はドーナツ続きだけど、味も形もまったく違うね」

「サクサクしたアイスって感じかな?あ、このベリー味は甘すぎなくておいしいよ」

ル・ノール・リヴィエール本店

住所:宮田村1934-5

宮田で村デート、いかがでしたか?

観光スポット紹介ではない、なんとなく宮田の空気感が伝われば嬉しいなと思って書き始めました。

宮田で過ごす時間はゆったり静かに、なんとなくあたたかみを帯びて流れます。

途中何度か「妄想記事つらい」と挫折しかけましたが、妄想村デートがしたい方・こんな宮田の空気を味わいたい方はぜひ宮田村へお越しください。

最新の宮田情報は、今回お世話になった「おいでよ宮田村(@Miyadaoide)」さんをチェック!

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