デジタルカメラが普及して早20年。
初めてカメラ付きケータイのTVCMを見た当時「いよいよすごい時代が来たなあ!」と思っていましたが、今はカメラよりスマホで写真を撮る人の方が多い時代。しかしそんな今だからこそ敢えて「フィルムカメラ」で写真を撮るのがSNSで注目されて、近年ブームに。やはりフィルム写真独特の風合いはデジタルには出せません。
今回は「フィルムに興味はあるが初めてでよくわからない、けど撮ってみたい」といったSkima読者に向けて、筆者が所有する「相棒たち」の中から旅先に持って行きたいフィルムカメラを紹介します!
▼旅行先に持って行きたいデジタルカメラはこちら!
フィルムカメラとは?魅力と特徴
フィルムカメラとは、レンズから取り込んだ光をフィルムに当て(感光させ)て被写体を写しこむカメラを指します。
写真を拡大していくとデジタルのような四角いドットがなく、丸みを帯びた微粒子感。柔和な質感とあたたかみのある発色など、どこか懐かしさを感じる描写はフィルムカメラならではだな〜と感じます。
またその場で撮った写真をプレビューできない不便さもフィルムの魅力。一度シャッターを切ったコマは撮り直しが効かず、写真の出来栄えは現像するまでのお楽しみです。
旅行におすすめなフィルムカメラの選び方
持ち運びに便利な小型軽量サイズを選ぶ
まさに旅行は移動の連続。フィルムカメラを触ったことがない方はまずチェキやインスタントカメラを選ぶのも良いでしょう。カバンの中でもかさばらず、持っていて疲れません。一方、フィルムの一眼レフでも比較的小さく扱いやすい個体も数多くあるので、筆者は迷わず一眼レフを持ち出しています。
カメラ初心者なら自動(AF)、中級者以上なら手動(MF)に挑戦!
フィルムカメラに限らず、カメラのピントの合わせ方には「マニュアルフォーカス(MF)」と「オートフォーカス(MF)」の2種類があります。
個人的には手動(MF)の方が、「カメラをいじっている」感があっておすすめしたいところですが、カメラに慣れていない方は自動(AF)の方が失敗が少ないかもしれません。さらにAFのカメラはフィルムの装填から巻き上げ、巻き戻しも全自動!フィルムの取り扱いに慣れてない人にもおすすめです。
レンズのバリエーションが豊富なカメラを選ぶ
せっかくの旅先で風景やポートレートなど趣向の異なる写真を撮りたいときに、いくつもカメラを持っていくのは面倒ですよね。そんな時にレンズのバラエティが豊富なカメラを1台持っていけば、替えのレンズを持っていくだけで簡単にさまざまな写真を撮ることができますよ。
おすすめフィルムカメラ〜コンパクトカメラ編〜
写ルンです シンプルエース|まずは使い捨てカメラで試してみたい方に
まずおすすめしたいフィルムカメラは、「使い捨てカメラ」とも呼ばれ写真屋さんやコンビニでも買えるインスタントカメラ「写ルンです シンプルエース」。27枚撮りで35ミリ判フィルム(ISO400)が内蔵されています。シャッタースピードは1/140秒固定、ピント合わせも不要!
1m以上離れて撮るだけというシンプル構造!90gという超軽量サイズは旅のお供にピッタリです。
YASHICA MF-1|信州発の老舗メーカーが復活!
ヤシカは1949年に長野県諏訪市で創業し1983年、京セラに吸収合併されました。2022年11月にヤシカジャパンとして復活を果たし、現在は日本人デザイナーMasayuki Yamamotoデザインの全10型が販売されています。
レトロながらも新しい、そして日本らしいデザインが特徴的。わたしはシンプルながらヤシカ感のある「ヤシカボーヤ」のデザインを選びました。
YAMA FILM MEMO M20|リーズナブルで小型軽量!
こちらも色とりどりのラインナップが特徴的な「YAMA FILM MEMO M20」。
小型軽量なプラスチックボディ、シャッターを押すだけの簡単操作が魅力です。
KODAK M38|暗い場所でも撮影しやすい
小型軽量、シャッターを押すだけで絞りやピントの調節までしてくれる簡単操作が嬉しい「KODAK M38」。
M35と比べて光量が70%アップし、暗いところでも明るく写すことができます。
おすすめフィルムカメラ〜インスタントカメラ(チェキ)編〜
FUJIFILM instax SQUARE SQ1|チェキの人気機種といえばコレ!
その場で現像されるインスタントカメラの定番といえば、FUJIFILMのチェキ。
中でも「instax SQUARE SQ1」は暗いところでも明るく写せるオート調整機能を搭載する人気機種。
出てくる写真は、正方形のスクエアフォーマット。いつもとはちょっと違った世界観が楽しめます。
FUJIFILM instax Pal PAL|史上最小のチェキ!
45mmと2つ指でつまめるほどのサイズに、41gと軽量な史上最小のチェキ「FUJIFILM instax Pal PAL」。
Bluetoothでスマートフォンやチェキ専用プリンターと接続が可能です。
おすすめフィルムカメラ〜一眼レフ編〜
MINOLTA X-700|一眼レフの入門機におすすめ!
最初におすすめしたいフィルムカメラは「MINOLTA X-700」。
フィルム全盛期の時代、日本を代表するカメラメーカーだったミノルタが1981年〜2000年まで生産していたロングセラーモデルです。比較的安価で手に入りやすい上、状態の良いものが多く出回っています。
MINOLTA Xシリーズの特長には、指が触れるだけで露出を測れるタッチセンサー付きのシャッターボタンや、ほかのメーカーの追随を許さない「明るいファインダー」などがあります。またX-700はミノルタのMF機で唯一P(プログラム撮影モード)を搭載。ピントさえ合わせてしまえばそれ以外の設定は全てカメラ任せにできるので、どんな人でも使いやすいカメラといえます。
何よりガシャッ!と響くかっこいいシャッター音が旅行中のテンションをかき立ててくれますよ。電源はLR44のボタン電池を2つ。最寄りのコンビニですぐに買えます。
おすすめポイントまとめ
・生産台数が多く程度の良い個体が手に入りやすい
・カメラ任せで撮れる操作性の良さ
・フィルムで撮る喜びを感じるシャッター音や手動巻き上げレバー
・ボタン電池が旅先のコンビニで買える!
MINOLTA α-Sweet|子どもも撮れるオートフォーカスが自慢!
次におすすめしたいフィルムカメラは、1990年に発売されたオートフォーカスのフィルムカメラ「MINOLTA α-Sweet」。
筆者は持っていませんが「子どもを持つ母親に向けたモデル」として発売されました。動き回る子どもにも正確にピントが合いやすい設計がなされており、αシリーズ最軽量の385g!バシッと正確なピント合わせはAFならではです。
ちなみにわたしが持っているのは「MINOLTA α 8700i」。日本初の宇宙飛行士、秋山豊寛さんがロシアの宇宙船ミール号に持ち込んだ「宇宙を旅したカメラ」です。こちらは重量が600gと少々重めではありますが、ボタン操作などデジカメと似た使い心地は旅先でも即戦力になること間違いなし。
おすすめポイントまとめ
・正確で速いピント合わせ
・全自動で撮れる安心感で旅行を効率よく楽しめる
・軽量コンパクトなボディ
・マニュアルフォーカスのカメラより安く手に入る
NIKON FA|初心者でもこだわりの1枚を撮りたい方におすすめ
3つ目のおすすめフィルムカメラは「NIKON FA」。
1983年に発売され、当時ニコンが初めて3つの自動モードを同時搭載したことから「マルチニコン」の愛称で親しまれる名機です。
P(プログラムオート)、S(シャッター優先オート)、A(絞り優先オート)、M(マニュアル)の計4つのモードがついています。特にPを選んだときはX-700同様ピントを合わせる以外はすべてカメラ任せ。初心者でも扱いやすいカメラといえます。
小ぶりなボディにアクショングリップがついており、全体的にコロッとしたデザインは手が小さめな人でも持ちやすいです。最速1/4000秒の高速シャッターは明るい屋外や動きの速いものを撮影するのに最適。複数のモードを使い分けながらこだわりの一枚を撮りたいという、フィルムに慣れた旅人にもうってつけな、マルチニコンです。
<スペック>
発売年 1983年
サイズ 142.5×92×64.5mm
重量 625g
おすすめポイントまとめ
・1984年第1回カメラグランプリ受賞!
・4つの撮影モードがついた充実機能
・小ぶり軽量で扱いやすいボディ
・マルチパターン測光を採用!画面全体で測光し見た目に近い写真映り
CANON AE-1
おすすめフィルムカメラ4台目は「CANON AE-1」。
1976年に発売され、世界初のマイクロコンピュータ搭載カメラながら低価格を実現し、当時大ヒットしました。先にシャッタースピードを決めるとそれに合わせてカメラが最適な絞りを自動で設定してくれます。動きのあるものや、一緒に旅する仲間を待たせずハイ、チーズ!という時に使いやすいです。2021年に国立科学博物館の「未来技術遺産」に登録されました。
おすすめポイントまとめ
・シャッタースピードだけ自分で決めるシンプルな使い心地
・シャッターチャンスに即座に対応
・中古市場で多く出回っている
おすすめフィルムカメラまとめ
フィルムカメラは決して高解像度ではありませんが、その一瞬一瞬をありのままに切り取って、まるで時間が止まったかのような写真を撮れるような気がします。
フィルムカメラだからこそ1枚1枚を大切に撮ろうという気持ちでシャッターを切ってみてください。非日常をたのしむ旅先の思い出をフィルムに収めるドキドキ感、味わってみませんか?