信濃町のランドマークであり、長野県で2番目に大きな湖である野尻湖。
その昔は「信濃尻湖(しなのじりこ)」と呼ばれていたものが、略されて「野尻湖」になったのだそうです。また沿岸線が芙蓉(ふよう)の花びらのように見えることから、芙蓉湖とも呼ばれていました。
そんな野尻湖の北西部にまわると見えてくるのが「菅川の棚田」です。長野県の棚田めぐりで出会い、以来わたしの「推し棚田」になりました。野尻湖畔に向かってゆるやかに流れる棚田の景色は、まるで海辺の集落を見ているよう。
棚田を縫うように登ると、正面には野尻湖越しに黒姫山がドーンと構えています。火山地帯だったことがうかがえる、湖に向かってこんもりと侵食した山々が印象的。
湖畔では釣りをはじめウォーターアクティビティが楽しめますが、遊覧船が発着する反対側とは対照的に、静かで穏やかな時間が流れています。ザザーンと絶え間なく打ち付ける波の音。堪えきれず裸足になって海に足を放り出し、水着を持ってくればよかったなと後悔した夏の思い出です。