サイトアイコン Skima信州-長野県の観光ローカルメディア

スキマな風景を探しに行こう! 春の上伊那撮影スポット

初めまして。学生フォトグラファー(恐れ多い肩書き…)のしおこー(@Shio_Koh_)です。

山や森の勉強をしながら、信州の自然風景や美しい星空、野鳥や山村集落などを追い求め、写真に収めて過ごしています。

この春から上伊那地方で暮らし始め、約3か月が経ちました。去年は松本で暮らしつつ松本周辺の自然・風景を満喫していましたが、上伊那に来てからは一層自然が近くなり、カメラを手に出かける機会が増えました。

写真の技術もそこそこ上がってきた、ような気がする今日この頃。

僕がこの春駆け回って見つけた絵になる上伊那の魅力的なスポットをスキマ信州で紹介してみようと思い立ちました。

ほとんど知られていないけれど、行って歩けば美しい信州を堪能できる。そんな春のスキマ信州風景をご紹介していきたいと思います。

そもそも上伊那ってどのあたりのことを言うの?

上伊那のスキマ撮影スポットを紹介したい!と記事を書き始めた私ですが、よく考えたらどこからどこまでが上伊那なのか明確には分かっていませんでした…。

ざっくりと調べたところ、以下の8市町村が含まれるようです。

ふたつのアルプスに挟まれ、美しい地形に富んだ素晴らしいフィールドですね。

【箕輪町】伊那谷を見下ろす名桜、上野平城跡の一本桜

上伊那には、全国的に有名な桜スポットとして高遠城址公園があります。上伊那を含む南信は印象的な一本桜も多い地域。なかでも僕が好きなのは、箕輪町の上野平城跡にある一本桜。

城跡ということもり、見晴らしのいい丘に咲き誇る満開の桜。信州の春を感じさせます。

桜超しに望む中央アルプス。

街並みがミニチュアのように見えて遠くの山だけが同じ目線に見えるような、「俯瞰する風景」って素敵ですよね。伊那谷の風景をいつまでも俯瞰して見守っているような、上野城跡の一本桜。ぜひ桜の季節に訪れてみてください。

【駒ヶ根市】農村風景に溶け込む 高烏谷神社の鳥居

駒ヶ根市の東部に裾野を広げる高烏谷(たかずや)山。その山の中に高烏谷神社という神社があるのですが、今回紹介したいのは神社の鳥居。木々に囲まれていない開けた農村部の中に建っています。

昼間に一度見かけたとき、「これは良い写真になる…」そう思い撮影計画を立てました。

鳥居とその向こうに広がる銀河の世界。光の少ない山間部だからこそ撮れた一枚です。

北極星を中心に廻る、約1時間分の星の動き。

今にも境界の向こう側に吸い込まれそうな、そんな写真が撮れました。信州という地は、素晴らしい「風景との出会い」をたくさん僕に与えてくれます。

【宮田村】宮田高原から見るアルプスと伊那谷の絶景パノラマビュー

のどかな麦畑も広がる宮田村から西側の山を1時間もかからないくらい車で登ると、宮田高原に着きます。

高原にはキャンプ場と遊歩道があり、絶景が見られる展望台へは駐車場から歩いて10分くらいで行けます。

どうでしょうこの大パノラマ。正直私も期待以上の景色に声を上げて驚いてしまいました。北は霧ヶ峰あたりから遠く八ヶ岳、南アルプスの山並みを挟んで南は中川村のあたりまで見えました。

この写真とは反対側の方向に振り向くと中央アルプスがすぐ近くに見えます。この日は雲がかかっていため綺麗に見えませんでしたので写真は省略します・・・

このような展望台って斜面の一部だけしか木が切られていなかったりして意外と展望が狭いことが多いんですよね。ここは伊那谷側の斜面が綺麗に開けていて、撮影する上でも色んな方向にレンズを向けられて楽しい展望台でした。

【伊那市】山奥の静かな聖なる空間 守屋神社

5月、守屋山に登った帰りに寄った守屋神社。

国道152号の峠道に面していますが、時折通る車の音以外は木々がこすれる音や近くを流れる沢の音以外何の音も聞こえてこないような静かな山でとても落ち着く場所です。

荘厳な雰囲気の境内。茅葺きに灯籠に木漏れ日に石段…私的にグッとくるポイントばかりです。石段の中程に人物を入れてポートレートなども撮ってみたくなりました。

茅葺きの屋根の上はこんなことに!生命力感じる自然と建築物の共存です。

雰囲気も景観も素敵な神社でした。

【伊那市】戸台河原から望む、全方位に迫る山と遠く聳える甲斐駒ヶ岳の星景写真

私はよくGoogleマップでロケハン(撮影地探し)をします。

5月に天の川と南アルプスの山のコラボを撮ってみようと考えつき、「伊那から甲斐駒ヶ岳を綺麗に撮れる場所は無いかな」と思い立ったときに探し出したのがこの場所。

ストリートビューがあればその場の景色まで分かりますが…さすがのGoogleさんもそこまでは行ってなかったようです。

実際に行ってみるまで思い描いたとおりの景色が広がっているか分かりませんでした。

でも、それもまた写真撮影の楽しみに1つだと私は思います。調べた次の晩、早速マップで見つけた場所に行ってみました。

河原は南アルプスの登山口の1つ「戸台河原登山口」に面しており、車から降りてすぐに入れました。

その日はクリアな夜空が広がっており、天高く輝く月の光に照らされ新緑の木々の輪郭が浮かび上がっていました。河原からはどの方向を見渡しても、夜の闇を従えた山肌がこちらを見下ろしています。時折すぐ近くの暗闇の中で「キョーン」と鳴き声を上げる鹿の気配を感じながら、撮影を進めます。

遠く上流の方向には甲斐駒ヶ岳のピラミッド型の山頂が聳えています。白い花崗岩が露出した山肌が他の山よりひときわ明るく夜空に浮かび上がっていました。月が明るすぎたため、天の川は肉眼であまり見えませんでした。しかし後から編集してみると狙い通り東の空に横たわっているところを写しこむ事ができ、大満足な星景撮影となりました。

昼間に来ても、雄大な山の風景が広がる素敵な場所だと思います。

【宮田村】黄金色に染まる麦畑

東は天竜川、西は中央アルプス最高峰の木曽駒ヶ岳に挟まれたのどかな風景が広がる宮田村。5月下旬~6月頃の晩春になると村のあちらこちらに広がる麦畑が日光に照らされて黄金色に輝きます。

夕日が当たると本当に綺麗な黄金色に輝きます。色づいた麦が風にそよぎ波打つ風景もとても綺麗。信州では他の地域で田んぼが見られるのと同じくらい麦畑やそば畑が見られて、季節によって変わる畑の様子も楽しめます。

そんな信州の中でも宮田村 北割地区の麦畑で見られる素敵なものがこれ。

麦のなかにひっそりと咲く矢車草。小麦の淡い色の中に浮かび上がる爽やかな矢車草の紫色が、小さな美しい世界を作り出していました。

【南箕輪村】ピンク色の絨毯! 知る人ぞ知る南箕輪村のフクロナデシコ

私も住んでいる、のどかな風景が広がる南箕輪村。木曽側から権兵衛トンネルを抜けて伊那側に下りて行く途中の右手側に、その花畑はあります。

毎年5月下旬頃になると畑一面ピンク色になるほどのフクロナデシコがのどかな風景の中に咲き乱れます。知っている人はまだあまり多くはなさそうな印象ですが、県外から車で来ている方も何度か実か見かけました。

南アルプスの夕景と鮮やかなフクロナデシコ。小さな村でもこんなドラマチックな風景を見つけられるのは、信州ならではの写真の醍醐味かもしれません。

上伊那、絶景を秘めた田園風景

南北に伸びる伊那谷は東西の山側に向かって河岸段丘や扇状地形を登っていくと、広々とした谷と田園の風景を望むことが出来ます。

上伊那では広域に渡ってそのようなロケーションが見られます。発想の限りいくらでも美しい風景を探し出すことが出来る、写真家にとって非常に面白いフィールドだと私はこの数ヶ月で思いました。

牧草の広がる圃場と遠く聳える南アルプスの山々。雪を戴いたアルプスと牧歌的な風景が日常にある幸せを感じました。

リンゴ畑を歩いていたキツネ。上伊那に来てから週に1回かそれ以上くらいのペースでタヌキやキツネなどの野生動物に出会うようになりました。人気の無いあたりをドライブするときは助手席にいつも望遠レンズを付けた一眼レフをスタンバイさせています。

谷に向かって下りてゆく農道と遠くに広がる伊那谷の町並みと南アルプスの山々の夕景。なんでも無いような風景が、切り取り方次第でこんなにも美しくなります。

沈みゆく満月を映す田植え前の田んぼ。奥には伊那の夜景と中央アルプス。

標高が高く空気が澄んでいて、光害の少ない上伊那。美しいこの地のクリアーな空は、夜にこそ素晴らしい写真をもたらしてくれます。

早苗の植わる夜の田に浮かぶ満点の星空。上伊那は本当に素晴らしいポテンシャルを秘めた地域だと思います。

幻想的な田園風景に浮かぶ天の川。この写真を撮ったとき、本当に信州に来て良かった、上伊那に来て良かったと思いました。

自分だけの風景を探す楽しみ・感動がここにある

誰も知らない、地域の人も気づかないような美しい風景が上伊那にはまだまだあるはずです。自分だけの風景を探しに、上伊那へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

伊那の絶景やウォーキングプランはこちらもチェック!

モバイルバージョンを終了