ようこそ、しがない大学生のスキマエッセイへ。
どうしてかこんなページに迷い込んでしまったあなた、どうかブラウザバックせずに最後まで読んでいただきたい。
実は私は個人的に文章を書くことはあっても、こうして何処かのサイトに投稿するという経験が無い為、何から書けば良いのかよく分からない。
聞けばテーマは「泣きそうな時に見たい信州の景色」だそうだが、信州生まれの自分には思い入れのある景色はあれど、それらは嫌でも目に入ってくる景色であって特別に見たい景色では無かったのだ。
・・・これは困った。
しかもそもそも能天気な私は『泣きそうになるorなった』経験に乏しいところがある。
これは致命的だ。
さて、具体的な体験談も無しに説得力のあるエッセイなど書けるのか?
そう悩んでいた時、私はある一冊の本を思い出した。
ユグノー戦争真っ只中の時代を生きたフランスの偉大な思想家、ミシェル・ド・モンテーニュ著の『エセー(随想録)』について書かれた本
『モンテーニュ-『エセー』の魅力-』原 二郎著 である。
詳しい内容はすこぶる恥ずかしいので割愛するが、私はこの本に救われた経験がある。
それこそ「泣きそうな時」にだ。
そして気がついた。
私にとって「泣きそうな時に見たい景色」は目の前に開かれた一冊の本ではないのか?
あの時、私の前に広がっていたコトバによる景色を伝えたい。
そんなひねくれた発見から生まれたのが今回のテーマである”コトバという景色”なのである。
ーちなみに「言葉」ではなく「コトバ」なのはそっちの方がカッコイイからだ
本来「景色」という言葉は自然の景観に対して使用する言葉であるが、ここでは敢えて間違った使い方をしたい。
まあ、そんな堅っ苦しいことは抜きにして読んで欲しいとも思う。
さて、もう一つ忘れてはいけない大事なテーマである”信州”に絡める為、ここからは”コトバという景色”との出逢いをもたらしてくれた一軒のお店を紹介しつつ、”コトバという景色”について書き進めたい。
松本市にある松信堂書店さんという古本屋がその景色との出会いの場所である。
(同時に古本屋とそこに並ぶ古本達そのものが私にとって大切な光景でもある)
入店し、早速私のエッセイで紹介しても良いかと尋ねると店主のおじさんは笑顔で快諾してくれた・・・嬉しい。
店内には様々なジャンルの古本がこれでもかというほど置かれている。
そんな中から気に入った本を探すわけだが、実は私は血眼になって探したりはしない。
『古本には人を引き寄せる不思議な力がある』
私はそう信じているからだ。
つまり、我々が本を探すのではなく本が我々を呼んでいるのだ。
一見雑多に置かれた本達の中で一冊だけ”特別に”私の目を奪う本がある・・・。
そしてその本は(大体の場合が)私の人生を変えるような大きな衝撃を与えてくれる本なのだ・・・
と言っても実は今までで3回ほどしかそんな経験は無い。
大学生で背伸びしたいお年頃なのだと思って許してやって欲しい。
それでも本気でそう信じている。
そんなことはさておき、「泣きそうな時」に見たい本はそんな本ではないだろうか。
素晴らしい出会いは何気なく訪れるものである。
だから私は、いつかはあなたにもやって来るであろう「泣きそうな時」の為にそんな本に出会っておく必要があると考えるのだ。
もし、松信堂書店さんのような素敵な場所で出会った素敵な本があれば「泣きそうな時に見たい景色」は誰にでも見られる筈だ。
そしてその瞬間目の前にあるコトバはきっと一生物のコトバになる、そんな気がする。
目の前にある文字の羅列は一つの景色として広がり、我々を更なる知的な世界へ誘ってくれる。
それが私の伝えたい”コトバという景色”であり、その素晴らしさだと私は思っている。
あゝなんてカッコイイことを柄にも無く書いているんだろう、恥ずかしくなってくる。
でも本当にそう思ってるんだもん、嘘じゃ無いもん。
信じてください。
そしてもっと言うと信州という土地は読書と非常に相性が良い気もする。
いや、実際に読書して考え事をするには最高の環境なのではと常々思っている。
スキマ信州というこのサイトはもはや読書好きの為にあるのでは?と錯覚してしまうほど良い場所が紹介されているではないか!!
ぜひまだ読んでいない記事があれば目を通して欲しい。
私の稚拙な文章をここまで読んでこれた方ならきっと朝飯前だろう。
そしてこれからもそんな記事は増えていく予定だと編集長は言うのだから信州は面白い、転じてスキマ信州は面白い。
長々と語ってきたが、私が書きたかったことはこれでようやく終わりである。
この文章を見て、一人でも多くの人が本との素晴らしい出会いを果たし、信州という地でその本との時間を過ごしてくれればそれ以上のことは無い。
それでは、またいつかどこかの記事でお会いしましょう。
”コトバという景色のある場所”でした。
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