善光寺をさらに北上すると、景色が開けた場所に雲上殿(うんじょうでん)が見えてきます。意外と見落としがちですが、なんと善光寺の秘仏である三国伝来・善光寺如来像のご分身仏を間近で拝見することができるのです。
本堂内には「善光寺如来像がどうやって生まれ、どのように日本信州までやってきたのか」「どうやって善光寺(よしみつでら)が建てられたのか」が描かれた壁画もあります。インドや外国の方も多く訪れるという善光寺の隠れた名所、雲上殿についてご紹介いたします!
雲上殿(うんじょうでん)とは?善光寺の大納骨堂
雲上殿は善光寺の納骨堂として1949年に完成しました。本堂を中心に西納骨堂、東納骨堂が左右に並びます。中央の本殿には善光寺如来の分身仏が祀られており、そのお姿を間近で拝見することができます。
善光寺の一光三尊像は絶対の秘仏なので、たとえご開帳の時でも、善光寺の僧侶ですらその姿を拝むことはできません。善光寺の歴史を知っているならば、この分身仏も是非拝見しておきたいところです。
壁画で見る善光寺のご縁起
また本殿内の壁には仏画家の野生司香雪による善光寺縁起の壁画が飾られています。 この壁画が絵解きのようになっており、まじまじ見ていると雲上殿の方に声をかけられ丁寧に説明してくださいました。
善光寺如来像は日本最古の御仏であるといわれています。当時まだ日本に仏教というものはなく、渡ってからは異国の宗教が流行病の原因だと池に投げ捨てられたこともあったそうです。
善光寺の創建は1,400年前の飛鳥時代とされており、長野県飯田市に住んでいた本田善光公が道を歩いている際、池に捨てられていた如来像が背中に飛び乗ったことから始まります(壁画には如来像が善光公の背中に飛び乗った様子も描かれていました)。しばらく家でお奉りしたり近くに祠を建てたりしていましたが、「北に行きたい」というお告げにより現在の長野市までお運びしたそうです。
そんな善光寺の縁起を見て楽しむことができるのも、雲上殿の魅力のひとつです。是非ゆっくりお参りしてみてくださいね。他にも外国の方がどう善光寺を楽しむのか、その国々の特徴なんかもお話しいただきました。お話が上手で楽しい時間を過ごせたので、管理人のオススメスポットです。
東納骨堂は平成27年2月に落慶
雲上殿は外観も綺麗ですが、そこから見える景色も素晴らしいです。春夏秋冬四季折々の景色や花を楽しむことができます。
牛の石像
この牛の石像は大正時代、善光寺に寄付されたものです。この石像が雲上殿へ移されたのは、善光寺で飼っていた2頭の牛の墓石とするためでした。
2頭の白牛はインドから善光寺へ寄贈されたもの。大切に育てられ2代目も生まれましたが、亡くなった際この見晴らしの良い雲上殿へ石像とともに移されたということです。ちなみに2015年からは動物供養も始まり、白牛とともに石像の下に合葬されます。
雲上殿の全体図
一度外からお参りして、事務所から中へ入り本殿に行きました。
前を歩いていた人たちは「(事務所の)中に入って良いのかな?」と話しながら入らずに帰ってしまいましたが、分身仏も壁画も御朱印も事務所を通じてご案内があります。事務所の方に御朱印帳を預けて本殿へ行かれるとスムーズです。
雲上殿の「春」は桜の名所としても楽しめる
雲上殿はその景色もさることながら、桜の名所としても有名です。
善光寺雲上殿の基本情報
ご本尊 | 善光寺如来像 |
---|---|
所在地 | 長野市箱清水3丁目1775 |
電話番号 | 026-232-3595 |
駐車場 | あり |
拝観料 | なし |
公式ページ | 信州善光寺 雲上殿 |
雲上殿の御朱印
事務所の中、受付にて拝受できます。先に御朱印帳を預けてお参りするとスムーズです。善光寺オリジナルの御朱印帳も販売されています。
マップ
本堂だけじゃない!善光寺は「雲上殿」にも寄り道して!
善光寺は本堂や門前町がクローズアップされがちですが、雲上殿のような隠れた名所も見どころのひとつ。時間に余裕のある方はぜひ足を運んでみてくださいね。
▼長野市のスキマ記事はこちら