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ゆかりの地巡り「島崎藤村」でめぐる「小諸市」観光スポット

小諸城懐古園|小諸市

木曽・馬籠宿出身の「島崎藤村(しまざきとうそん)」は、教師として小諸に約6年間滞在し、その経験から数々の詩や小説を生み出しました。信州の風景や人々の暮らしを繊細に描いた藤村の足跡をたどると、いつもの観光が少し違って見えてきます。文学好きはもちろん、歴史・自然をゆったり楽しみたい方へ。

小諸で訪れたいおすすめスポットを、歩きやすい順にご紹介します。

島崎藤村とは?

島崎藤村(1872–1943)は明治から昭和にかけて活躍した詩人・小説家です。

木曽の馬籠で生まれ、若き日に小諸義塾の教師として赴任した経験が彼の作品に大きな影響を与えました。『千曲川のスケッチ』や『若菜集』『破戒』など、自然や人情を繊細に描いた作品群は日本近代文学の重要な一翼を担います。小諸での暮らしぶりや地域の習俗が、彼の筆を通して今も伝わってきます。

特に小諸好きなら『千曲川のスケッチ』はおすすめ!小諸の原風景をまるでスケッチするかのように書き記した写生文です。

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まずははりこし亭でランチ!

まずやってきたのははりこし亭

ここで味わえる「ハリコシ」は、そば粉を使った焼き餅のような郷土料理。島崎藤村・著『千曲川のスケッチ』にある一文「君はまだハリコシなどというものを食ったことがあるまい」から由来しています。

素朴で香ばしい味は、散策のエネルギー補給にぴったり。店内の落ち着いた雰囲気で、文学を思い浮かべながらゆっくり食事を楽しんでください。

はりこし亭に関しては別記事に詳しく書いていますが、とてもおすすめです!

 

かつて藤村も弓道を楽しんだ、小諸城址公園

はりこし亭から歩いてすぐの小諸城址公園は、藤村が散策や弓道を楽しんだ場所として知られています。

三の門をくぐると、復元された城の雰囲気と豊かな自然が広がります。園内には藤村記念館や小山敬三美術館、郷土博物館、徴古館、動物園など複数の施設が点在しており、入園料で複数施設に入れるお得なパスがあることも。城の「穴城」と呼ばれる独特の地形や堀の景観を楽しみつつ、藤村の足跡をたどりましょう。

散策料は300円ですが、藤村記念館、小山敬三美術館、郷土博物館、徴古館、動物園、小諸義塾記念館などにも入館できる入園料は500円。とってもお得なのでぜひいろいろ立ち寄ってみましょう。

千曲市のスケッチでは、小諸城址で弓道を楽しむ藤村たちの様子が描かれています。弓道施設・小諸懐古射院は今でも使用されていました。思わず「よし!」と言いたくなる元弓道部員。

城下町より低い位置にお城があることから「穴城」と呼ばれる小諸城。水のない大きなお堀を渡ります。

公園内には懐古神社も。御朱印をいただこう

橋を通ってしばらくすると、懐古神社が見えてきました。廃藩後の小諸城址荒廃を憂いた旧士族が資金を集めて整備後に懐古園とし、本丸内に懐古神社を創建したそうです。

 

 

1月中旬、境内には凍った池。

春は桜、秋には紅葉スポットにも!

懐古神社をはじめとした小諸城址公園は、春には桜、秋には紅葉スポットとしても人気。氷漬けだった池も様相の異なる美しさを見せていました。

島崎藤村記念館も見逃せない!書籍も購入可能

小諸城址公園内の藤村記念館では、藤村が使った生活道具や、住居の復元模型、関連資料などを見ることができます。撮影が制限される展示もありますが、記念館でしか手に入らない書籍や解説資料があり、藤村研究や文学散策の拠点として価値があります。じっくり時間をとって展示を読み解けば、作品に描かれた場面がより立体的に心に残ります。

藤村は明治33(1899)年4月初旬、小諸義塾に英語と国語の教師として赴任します。

撮影禁止の館内で唯一撮影OKだった千曲川旅情の歌。中には島崎藤村の生活用品や住んでいた家の復元模型などが展示されていました。ここで書籍を購入することも可能です。

富士見台からは千曲川と富士山が望める

さらに小諸城址公園を進むと、富士見台と名付けられた見晴らしの良い場所にたどり着きます。

そこから見た景色は……

こんな感じ。うっすら富士山が見えますが、写真だとこれが限界。真ん中の白い山です。

展望台では親切に絵で説明してくれていました。

千曲川もバッチリ望むことができます。

小諸義塾記念館

藤村が英語と国語の教師として赴任した小諸義塾の関連資料を収めた記念館も見学候補です。

教育現場での藤村の言動や、当時の教室の様子、地域の教育史としての側面に触れられます。文学作品と照らし合わせると、藤村が小諸で何を見聞きし、どのように表現へと昇華させたかが見えてきます。

島崎藤村ゆかりの池めぐり

藤村使用井戸

島崎藤村が使用したとされる井戸が残っていました。今は使用不可とのことです。藤村の妻・冬子夫人は東京生まれのお嬢さま育ちながら、井戸端会議に参加して近隣住民との親睦を深めたというエピソードも残っています。

井戸から小道を進み、島崎藤村の居住地跡へ向かいます。

島崎藤村旧栖の地

画家・有馬生馬氏筆の石碑。元の敷地はもっと大きかったようです。

小諸市観光、しませんか?

まとめ|ゆかりの地巡り「島崎藤村」でめぐる「小諸市」観光スポット

小諸を歩くと、島崎藤村の作品に描かれた風景や人情が、ただの観光地とは違った深みをもって迫ってきます。

はりこし亭の郷土食、懐古園の歴史空間、記念館の資料、そして小道に残る小さな痕跡――それらを繋げて歩けば、藤村の目線で信州を再発見できます。半日〜1日で回れるコースなので、近隣の旅程に組み込みやすく、季節ごとの表情も魅力。文学散歩として、ぜひ訪れてみてください。

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