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フリー乗車券で満喫!ちょっぴりディープな長野電鉄沿線まち歩き

はじめまして!むーさんです。

長野市でゲストハウスのスタッフとして勤務する傍ら、「まち歩きライター」として街の面白スポットの発信をしています。

今回は、長野市と山ノ内町を結ぶ長野電鉄(以下、長電)に乗って、ちょっとディープなスポットを巡るまち歩きをしてきましたので、その様子をご紹介したいと思います。

長野電鉄(長電)とは?

長電は、長野駅と山ノ内町にある湯田中駅を結ぶ、全長30km強の路線です。

須坂市や中野市などから長野市中心部への通勤・通学路線であるとともに、小布施、湯田中渋温泉郷、志賀高原といった有名観光地へのアクセス路線という側面も持っています。

また、長電には首都圏で活躍した往年の車両たちが「第二の人生」を送っていることで、鉄道ファンに親しまれている路線でもあります。

元「成田エクスプレス」の特急、スノーモンキー号
元「小田急ロマンスカー」のゆけむり号

往復運賃よりお得。「長電フリー乗車券」を使ってみよう!

そんな長電を存分に楽しめるのが、「長電フリー乗車券」です。長電の全線が1日乗り降り自由で、大人2,070円。長野~湯田中間の片道運賃が1,190円(特急利用の場合は+100円)なので、なんと往復運賃よりも安いというのだから驚きです。

さらに2日用については2,580円とさらにお得なので、沿線で宿泊して1泊2日の鉄道旅、というのも良いですね。

長野電鉄フリー乗車券(1日用)

今回はこちらの「長電フリー乗車券(1日用)」を駆使して、長電沿線のまち歩きを楽しんでいきたいと思います。

改札口はまるで八百屋?長野駅

最初の列車の乗り込む前に、まずは起点である長野駅を探索。JRの長野駅は地上にありますが、長電の長野駅は地下駅です。

長電には自動改札はありません。現在でも改札に駅員さんが立ち、検札を行う方式です。そんなこともあり、長電の駅構内にはどことなくノスタルジックな雰囲気が漂います。

そしてこの駅には面白いことがもう一つ。それは駅で野菜が買えるというものです。改札前に野菜が陳列されたカゴが並んでいますので、それを改札の窓口で精算するというスタイル。駅の改札口で野菜が買えるという面白い光景が広がります。

並んでいるのは主に沿線の農家さんの野菜です。生産者の方のお名前が書かれているというのも良いですね。訪れたのはぶどうの収穫期真っ盛りだったので、こちらにもシャインマスカットがたくさん並んでいました。列車の待ち時間についつい買ってしまいそう…。

時が止まったような地下空間。権堂駅

長野駅を出発した長電は、途中の善光寺下駅まで地下区間を走行します。この区間が地下化されたのは約40年前のことですが、各駅には当時そのままのような雰囲気が残っています。

その中の1つ、権堂駅を散策してみます。

ホームに降り立ってみると、歴史を感じさせる看板がお出迎え。こちらの広告もかなり年季を感じます。

この他にも、40年間そのままなのか?という広告や看板を見かけて、まるでタイムスリップしたかのような気分を味わうことができます。

せっかくなので、地上に出て権堂の商店街を歩いてみましょう。

権堂駅の周辺は、全国的にその数を徐々に減らしつつあるアーケード商店街があります。日中は市民の買い物の場として、そして夜には居酒屋などが軒を連ねる通りとなっており、駅の周りを歩くだけでも長野の日常の風景を感じることができます。

駅の東側には懐かしさを感じる飲み屋街もあるので、1日散策した後に飲み歩き…というのもオススメです。

市街地でも木造駅舎が健在!朝陽駅

次に向かったのは朝陽駅。「あさひ」と読みます。

この駅の特徴は、何と言ってもこの味わい深い駅舎。大正時代の開業からそのままの姿を留めています

朝陽駅までは長野駅から8駅。まだ長野市の住宅街を通る区間でありながら、100年近く前に建てられた駅舎が健在というのは、なかなか趣深いです。

朝陽駅は、朝夕ラッシュ時を除いて普通列車のみが停車する駅となっていますが、こうした駅で途中下車してみるというのも、フリー乗車券ならではの利点。全国各地でその数を減らしている木造の駅舎ですが、長電ではまだいくつかの駅で健在です。古い駅舎を巡る旅も良いかもしれませんね。

この先の柳原駅を過ぎると、千曲川を渡って須坂市に入ります。千曲川にかかる村山橋は、鉄道と道路が橋を共用する、全国でも珍しいタイプの場所となっています。

通りかかる際には、車窓に注目ですよ。

特急ゆけむり号の先頭車両から撮影

蔵のまちは徒歩圏内!須坂駅

須坂駅に到着。

長電の中間駅では最も規模が大きく、駅の周辺には車両基地もあって賑やかな駅となっています。

そして須坂市といえば蔵のまち

蔵の街並みが広がるエリアまでは須坂駅から徒歩10分ほどなので、立ち寄ってみることにしましょう。須坂駅から500mほど歩き、東山魁夷が須坂の街並み保存への想いを重ねてドイツの寓話から引用したという「馬車よ ゆっくり走れ!」の石碑が見えたら、蔵のまちの入口です。

明治期の蔵を保存・活用した須坂市ふれあい館まゆぐら

この付近には須坂クラシック美術館須坂市ふれあい館まゆぐらといった、蔵の建物を利用した文化施設が並び、明治から昭和初期にかけて養蚕業で繁栄した須坂のまちの歴史を垣間見ることができます。

蔵の立ち並ぶ通りには、古くからあるお店に加えてリノベーションをしたような新しいお店もあり、つい足を止めて中を見てみたくなる場所です。

また、この通りにある観光交流センターでは様々な観光情報が得られるわけですが、その中にあった、地元の小学生(当時)が作成した観光パンフレットが面白かったです。小学生の作成にもかかわらずお店のチョイスが渋いところもまた、味があります。

少し足に余裕があれば、田中本家博物館臥竜公園の方面まで歩いてみるのも良いかもしれません。特に臥竜公園は須坂駅から1.5kmほど離れてはいるものの、公園内で名物のまっ黒おでんが食べられるという珍しい場所でもあるので、ぜひ足を運んでみて欲しいスポットです。

臥竜公園内、池乃清泉亭のまっ黒おでん

図書館も見逃せない!小布施駅

続いては、栗と葛飾北斎のまちとして有名な小布施へ。

こちらも、栗菓子のお店や北斎館などが立ち並ぶメインストリートまでは駅から徒歩10分もかからないくらいで行くことができますが、今回はあえてそちらとは違う場所をご紹介します。

小布施町立図書館「まちとしょテラソ」です。小布施駅から歩いてすぐ、小布施町役場と隣接しています。

2009年(平成21年)7月にオープンした「まちとしょテラソ(小布施町立図書館)」は、公立の図書館とは思えないスタイリッシュな建物が特徴。で、建築の分野で数々の賞を受賞しています。また「死ぬまでに行きたい世界の図書館15」にも選ばれ、全国的にも注目されている図書館のひとつです。

館内も開放感のあるデザインとなっており、見学をするだけでも十分に楽しめる場所となっています。旅先で地元の図書館に立ち寄ってみる、というのも面白い体験かもしれませんよ。

※館内での撮影には申請が必要です。図書館を利用される町民の方々のご迷惑にならないようにご注意ください。

長野の歴史はここから?信州中野駅

信州中野駅は、須坂駅に次ぐ運行の拠点となっており、かつては現在の長電長野線に加えて、飯山方面へ向かう木島線が分岐していました(2002年に廃止)。なお、駅名に「信州」を冠しているのは全国でこの信州中野駅だけとなっています。

中野市といえば、『シャボン玉』『背くらべ』などの作品で知られる作曲家・中山晋平の出身地です。信州中野駅前にも、中山晋平の作曲した『肩たたき』の歌詞が記された石碑が建てられています。

「母さん お肩をたたきましょう タントン タントン タントントン」

石碑のポーズに合わせて、駅前で写真を撮ってみてはいかがでしょうか?

さて、中野市に来たら注目したいのが、このまちの歴史です。明治時代に長野県が誕生する前に、「中野県」が存在したことはご存知でしょうか?1870年(明治7年)のわずかな期間のみ「中野県」が存在し、この地に中野県庁が設置されたのです(同年内に中野県庁は火災で消失。翌年、長野県が誕生)。当時の建物は現存していませんが、現在は県庁跡地に中野陣屋・県庁記念館が建っており、中野にまつわる歴史を学ぶことができます。

訪問当日は休館日でした。
県庁跡近くにある酒屋さん。年季の入った看板が目を引く。

中野陣屋・県庁記念館までは信州中野駅から徒歩15分ほど。この道中にも古くからの街並みが広がっており、散策にはちょうど良いコースとなっています。

ノスタルジー溢れる食堂で昼食。夜間瀬駅

ここで、お昼ご飯どころのご紹介です。

長野市内中心部や、須坂駅や信州中野駅といった特急停車駅においてはご飯どころの選択肢は少なくないのですが、今回はあえて特急の停車しない駅のお店へと足を運んできました。

ということでやってきたのが、夜間瀬(よませ)駅。終点の湯田中駅の2駅手前ということで、山々も近くに迫ってくる壮観な景色が広がってきます。

夜間瀬駅の駅舎。1本のホームに待合室があるだけのシンプルな構造
高井富士をバックに走る長電の列車を眺めることができる。

そんなのどかな夜間瀬駅ですが、駅から歩いてすぐの場所にこれまた味わい深い食堂があります。多加技屋(たかぎや)食堂。夜間瀬の駅前に古くからある食堂です。

この佇まい。お酒を飲むこともできるので、昼から一杯ひっかけたくなる雰囲気です。昔ながらの中華そばがいただけるお店ということで、チャーシュー麺をいただきました。

夜間瀬駅をはじめ、信州中野駅と湯田中駅の間に位置する特急通過駅は停車する列車の本数が少ないですが、旅程を上手に組んで降り立ってみると、素敵な出会いがあるかもしれません。

駅前に温泉!湯田中駅

ここまでたくさん寄り道をしてきましたが、いよいよ終点の湯田中駅に到着です。

スノーモンキーで有名な地獄谷野猿公苑、志賀高原方面へはこちらからバスに乗り換え。また、湯田中・渋温泉郷にあるホテル等がこちらから送迎を行ってくれる場合も多いです。湯田中温泉へは駅から徒歩でのアクセスも可能です。長電フリー乗車券の2日用を使って、このエリアに宿泊するのもオススメです。

温泉郷にあるお宿も気になりますが…今回は日帰り旅なので、湯田中駅前にある楓の湯をご紹介したいと思います。

入浴料はなんと1人300円!

やや小さめの施設ではありますが内湯と露天風呂を備え、もちろん天然温泉です。旅館の日帰り温泉を楽しむほどの余裕がなくても、湯田中の温泉を存分に楽しむことができます。

楓の湯には足湯もありますので、サクッと温泉を楽しみたい方にもオススメです。

帰りは特急でゆったり…

往路は長野駅から湯田中駅まで途中のさまざまな駅に立ち寄りましたが、せっかく特急も乗り放題のフリー乗車券を使っているので、長野駅への帰り道はゆったりと特急列車を使いたいと思います。

かつては小田急ロマンスカーとして活躍していた「ゆけむり号」に乗車。最後尾の車両に乗車して、流れゆく景色を眺めながら長野駅まで約45分間の乗車です。

※2021年7月より、ゆけむり号の進行方向の先頭車両、ならびにスノーモンキー号の1号車は指定席となり、運賃・特急料金とは別に1席300円の座席指定料金が必要となりました。

帰りはそのまま長野駅に戻るも良し、権堂駅にも停車するので、権堂駅で下車して周辺の飲み屋街に繰り出すというのもオススメです。これにて、長電のちょっとディープな駅巡りは終わりになります。お疲れ様でした!

おわりに

今回の記事では一気に8駅分ご紹介しましたが、実際に全部巡ってみようとするとなかなかお腹いっぱいな旅程になります。本当は一つひとつの駅が面白く、できることなら数時間ずつ滞在して欲しいところですが、今回は駅から近いスポットに特化して紹介させていただきました。

長野駅から湯田中駅に向かうにつれて列車の本数が少なくなってきます。特に信州中野駅から先は次の列車が2時間後、ということも出てきます。せっかくフリー乗車券を使うのであれば、上下線の列車をうまく使いながら上手に旅をしてほしいと思います。

見どころ満載の長電沿線まち歩き、ぜひ試してみてください!

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