わが心 慰めかねつ更科や 姨捨山に照る月を見て
古来より月の名所として知られ、松尾芭蕉や小林一茶など数多くの歌人が訪れた姨捨(おばすて)。何十枚も連なる棚田に月が照らされる姿は「田毎の月」と呼ばれ、水がはられる時期になると今でも多くの人々が月見に訪れます。
2020年には「田毎の月」のストーリーが日本遺産に認定された千曲市。長野県の北部、長野市街地・上田市街地から車で30分ほどの場所にあり、温泉の名所である戸倉上山田温泉も魅力のひとつです。
特に秋の姨捨の棚田は、昼は金色に輝く稲が美しく、夜になると月とのコラボレーションでまさに絶景!魅力をお伝えしていきます。
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日本遺産認定!「月の都 千曲」とは?
日本遺産とは、地域の歴史的魅力や特色を通じて、日本の文化や伝統を語るストーリーを文化庁が認定したものです。
2020年に「月の都 千曲 -姨捨の棚田がつくる摩訶不思議な月景色「田毎の月」-」というストーリーが日本遺産に認定された千曲市。姨捨周辺は古くから月見の名所として知られ、浮世絵や歌句などにして表現されてきました。中でも「田毎の月」が美しく見える姨捨の棚田は千曲市を象徴する場所であり、今日でも観光客や地元の人たちに愛され続けています。
棚田は、夜景が有名な姨捨駅や姨捨サービスエリアからもチラッと見ることができますが、それだけではもったいない!少し足を伸ばせば、時間帯や季節によって移りゆく棚田からの雄大な景観を楽しむことができますよ。また絶景スポットとしてだけではなく、歴史や芸術に興味のある方にもぜひ訪れていただきたいスポットです。
▶︎関連記事:ここは外せない!日本三大車窓・姨捨周辺の絶景ポイントと民話の由来。
歩いて「姨捨の棚田」を散策!
善光寺平を一望できる姨捨の棚田は、標高460メートルから550メートルの範囲に広がっており、約75haの傾斜地に約1,800枚もの田んぼがあります。その中のおよそ半分(約40ha)の面積になんと約1,500枚の棚田が続いているんです。昔ながらの田んぼは1枚あたりの面積が小さく、機械が使えないため農家さんたちが汗水たらして管理しているそうです。
棚田はさまざまなコースで散策できますが、今回は標高の高い一本松踏切の脇から棚田に入り、長楽寺に向かって下っていきます。稲穂やはぜ掛け、田んぼの脇に咲いた秋桜を眺めながら数分歩き、小高く盛り上がった曽根塚古墳に上がると、千曲川を見下ろす斜面に田んぼが広がる美しい光景を見ることができます。
金色に色づいた稲穂と善光寺平のコラボレーションがまさに絶景! まるで宙に浮いているような気分になります。夕暮れになると眼下に広がる善光寺平のまち明かりがつき始め、昼間の風景から刻々と変化する様子が楽しめます。冬は雪景色、春には水田に映る空や月など四季折々の姿を見せてくれますよ。
棚田を抜けると、長楽寺が見えてきました。本堂のほかに観音堂があり、そのとなりには高さ約15メートルの姨岩(おばいわ)がひときわの存在感を放っています。観音堂からの眺めはもちろん素晴らしいものですが、ここで満足してはいけません。裏手にまわると姨岩にも登ることができるのです。気づかず通り過ぎてしまう方も少なくない、とっておきの絶景スポット!遮るものなく高い位置から棚田と善光寺平が一望できます!
ちなみに姨捨には、語り伝えられてきた民話もあります。Skima信州では、漫画連載 マジヤバ!みこみちゃんのスキマな民話めぐりで、「姨捨の民話」も取り上げています。民話を読んでから行くとまた違った楽しみ方ができると思うので、ぜひこちらも読んでみてください。
▼「姨捨伝説」とは?
姨捨散策の拠点は「日本遺産センター」がおすすめ!
姨捨の棚田に車で訪れる際は、長野上田方面からは更埴ICから約15分、松本方面からは姨捨スマートICを使うと便利!日本遺産センターに約50台、新雲井橋近くに約30台の無料駐車場があります。
電車の場合はJR篠ノ井線姨捨駅から徒歩で約10分、バスの場合は、しなの鉄道戸倉駅もしくは屋代駅から出ているバスを使うと直接訪れることができます。
脚力に自信のある方は、信州千曲観光局やしなの鉄道戸倉駅、屋代駅などにあるシェアサイクルの利用もおすすめ!ちょっと息切れするかもしれませんが、電動アシスト付きで登坂もスイスイ進めます。棚田の最寄りサイクルポートは、日本遺産センターです。センターで月の都 千曲について勉強してから棚田に足を運べば、姨捨をより楽しむことができます(令和3年度は12月19日で終了しました。来年度も実施して欲しいですね!)。
2021年の12月22日にはイタリア料理店「IL LUNA(イル・ルーナ)」が入り、グランドオープンする予定。月の都を一望したあとは、地元の食材を使った素敵なお料理を楽しんでみてはいかがでしょう。ドルチェとコーヒーで一息つくこともできるみたいですよ。
千曲市日本遺産センター
- 所在地:長野県千曲市八幡姨捨4993-1
- 営業時間:10時00分~18時00分
- 定休日:月曜日および祝日の翌日
- 駐車場:約50台
- サイクルポート:あり
- ※2021年12月21日まで、改修工事のため休館中
秋には「中秋の名月」で郷愁に浸る
2021年9月21日は、中秋の名月。今年の中秋の名月は、なんと8年ぶりの満月だったので、姨捨の棚田に月の都の満月を見に行ってきました。18時30分ごろ、鏡台山の頂上から少しずつ月が…!赤く照らされる空と雲は幻想的で絶景でした。
満月が雲の上に出ると、辺りは照らされ夜なのに棚田がかすかに見えるほど明るくなりました!月の都で見る満月はひときわ大きく、昔、この地で「けふといふけふ名月のお側かな」「名月や仏のように膝を組み」など月の句を詠んだ小林一茶と同じ絶景を見ていると思うと、感慨深いものがありました。
姨捨の棚田では、日本遺産に関連するイベントも不定期で開催しています!過去にはガイドツアー付きで棚田と周辺をめぐったり、プロの写真家と一緒に月の写真を撮ったりするイベントを開催。日本遺産について、深く知りたい方は参加してみるのもおすすめです。
イベントの最新情報は、こちらの月の都 千曲 公式Webサイトをチェックしてみてください。
姨捨駅は「日本三大車窓」のひとつ
姨捨といえば夜景の美しさも目を見張るものがあります。JR姨捨駅は日本三大車窓のひとつにも数えられ、善光寺平の夜景を一望することができます。記念撮影スポットもあり、鉄道旅がさらに盛り上がること間違いなし!TRAIN SUITE四季島も停車します。戸倉上山田温泉に宿泊する方は、お宿によっては夜景ツアーが開催されているのでチェックしてみてくださいね。
武水別神社で彫刻と甘味を堪能しよう!
月の都 千曲の歴史スポットを訪れようと、武水別神社(たけみずわけじんじゃ)へ。姨捨の棚田の麓にある武水別神社は、古くから善光寺平の五穀豊穣や千曲川の氾濫防止を祈ってまつられてきたといわれる由緒ある神社です。
境内の広さ、参道の長さ、巨木の本数の多さなどからその立派さがわかりますが、圧巻なのが本殿と拝殿の大きさ!間近で見ると、とても迫力があります。
武水別神社では本殿の裏側も歩いて一周できます。いたるところに施された立派な彫刻は思わず息をのむものばかり。ゆっくりと時間をかけて歩いて楽しんでみてください。
武水別神社に来たらぜひ食べてほしいのが、境内にあるお茶処うづらやのうづらもちです!神社の近くには昔、数百数千ものうずらがおり、彫刻家がその群れを見て本殿の大黒柱の両側に4羽ずつうずらを彫ったことにちなんでいます。
食感はモチモチで、中にはあんこが入っています。お茶処では、座って緑茶と一緒にうづらもちを食べられるほか、お土産に買っていくこともできます。ぜひ立ち寄ってみてください!
武水別神社・お茶処うづらや
- 所在地:長野県千曲市大字八幡3012
- 営業時間:8時30分~16時30分
- 電話:026-272-1008
- 駐車場:数十台
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