貯金箱が語る日本の歴史。千曲市の「にしざわ貯金箱かん」に行ってきた

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こんにちは、謎の国・諏訪の国育ちの健康優良信州児、おざわっぷる(@naganozawapple)です。

信州はミュージアム大国!さまざまなジャンルの美術館・博物館が所狭しと設置されています。今回みなさまにご紹介するのは、千曲市の戸倉上山田温泉にある「にしざわ貯金箱かん」です。

 

住宅街に突然姿を現す博物館「にしざわ貯金箱かん」

「にしざわ貯金箱かん」

その名の通り、貯金箱の博物館です。一体どんなものが見られるのか、興味津々…戸倉上山田温泉の中心街より南側の住宅街を歩きます。本当にこんなところに?と思いますが、

 

こちら、大きな倉庫のような建物が、

にしざわ貯金箱かんです!

ちなみに、倉庫の隣の広ーいスペースは駐車場。今回僕は旅館から徒歩15分ほどでしたが、大型バスも停められるこの広さなら、車で来ても停める場所には困りません。

 

アクセスはこちら

「貯金箱がテーマのミュージアム」…そこは歴史の宝庫だった!

みなさま、「貯金箱」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?

キャラクターの人形、豚などの動物、「全部たまれば○○万円」の円柱型のヤツ、あるいは家にある適当な缶や瓶を貯金箱の代わりに…考えてみれば、貯金箱っていろんな種類がありますよね。

さぁ、みなさまになじみのある貯金箱は、あるのでしょうか?それでは早速、中に入ってみましょう!

 

あらゆるものが貯金箱になっている

展示室入口の観音扉を開くと、ドドーン!広い!これ全部貯金箱!

 

時計回りに進みます。初めは江戸時代から昭和まで年代順に。センターに福助が鎮座。

 

時代が進むとなんとなく、和から洋な雰囲気に。

 

大正時代の土人形やミッキーマウスなど。

 

戦後の漫画やアニメのキャラクターたち。

 

思い出してください。これらはすべて「貯金箱」なのです。続いて、ジャンル別にいくつかご紹介します!

 

ドラえもんたち。生まれた時の黄色いのもいます。

 

キティちゃんほか、ずらり。

 

だるま勢揃い。

 

SL勢揃い。

 

桃から生まれた桃太郎。大きいですね。

 

初期のフィルム一眼レフカメラ。何とも言えない真鍮の風合い。

 

人物の肖像もずらり。伊達政宗公や西郷どん、ベートーヴェンやオバマ大統領まで。

 


伊達政宗公の馬の足元に、細長い穴が…そう、これもちゃんと「貯金箱」なんですよね。

 

風神雷神。屛風から飛び出した!?

 

からくり貯金箱のデモンストレーションもしていただきました。

 

 

動く貯金箱なんて、楽しいですね!これならお金もどんどん貯まるかも?

 

こんなに仲間が揃っていると、何だか貯金箱たちも楽しそうに見えてきませんか?

 

招き猫の豆知識&貯金箱の歴史メモ

展示室の一角に、招き猫コーナーもあります。こんなにかわいらしい招き猫たちも。

 

ですが、招き猫と言えばやはりこれ!貫禄ありますね。ところで、よーく見比べてみて下さい。何か違いに気づきますか?

 

「色」と「手」で、意味が決まっているようです。こんなに種類があったんですね!

 


必勝招き猫さんの横に、こんな紙が。ルーツは縄文時代と推測されているんですね!

 

お金の勉強もしましょう

2階には「硬貨」や「紙幣」といった、「お金」の展示室もあります。

 

お金を入れていた箱。

 

江戸時代の貨幣の歴史も勉強できます。

 

1階、2階合わせて展示されている貯金箱の種類は、なんと約3000種類。収蔵されているものすべてを合わせると、約10000種類にも及ぶそうです。

まさに、圧巻の一言!

それなのに、まったく飽きない面白さがあります。知っているけど知らなかった、そんな絶妙な距離感が「貯金箱」というコンテンツにあるからかもしれません。

時代を物語る貯金箱たち

こんな貯金箱もありました。何やら悲しげですね。

 

これらの貯金箱は、一体どのような時代背景のもとで生まれたのでしょうか。

 

貯金箱が戦争資料にもなるなんて、夢にも思いませんでした。

 

おざわっぷる

これは…民俗資料の宝庫!!

 

いやはや…たかが「貯金箱」、されどこれだけ大集合すると、実にバラエティ豊かな「貯金箱ワールド」が繰り広げられます!

 

その時代ごとの世間の流行が「貯金箱」という形になり、世の中の賑わいや人々の楽しみ、祈り、願いなどを現代の僕らにも伝えてくれます。「記念切手」などとも似ているかもしれませんね。

使っていた人々の温もりまで伝わるような、こんなにも生活感のある歴史を感じられるとは、まったく思っていませんでした。歴史資料としての「貯金箱」…その素晴らしい価値に気づかされました。

入口のショップで貯金箱の販売もされているので、帰りにお土産として買うのも記念になりますね。(ショップは展示室に入らなくても出入り可能)

一体なぜ千曲市に?

ところで、この「にしざわ貯金箱かん」、一体なぜ千曲市の戸倉上山田温泉にあるのでしょう?

それは、館長の西沢さんがここ、千曲市にお住まいだから。そう、「にしざわ」とは、地名でもなければ企業名でもなく、館長さんのお名前なのです。「にしざわ貯金箱かん」は、公立博物館でも企業博物館でもなく、個人経営の博物館。すべて西沢さんが趣味で長年にわたり集められたものだというのですから、驚きです。

 

おざわっぷる
館名の「にしざわ」と「かん」をひらがなにするセンスも好き。

 施設案内&活発な情報発信

「にしざわ貯金箱かん」の詳しい情報を以下に記載します。館のTwitterアカウントや、館長の西沢さんのブログもあり、展示の紹介や新たな収蔵品情報など、こまめに更新されています。

是非ともチェックしてみて下さい!

 

貯金箱の博物館 にしざわ貯金箱かん
住所:千曲市上山田温泉 3-10-5
開館時間:9:00~17:00(最終入館16:00)
休館日:火、水、木(祝日は開館)、展示替え期間、年末年始
ただし団体事前予約は対応可の場合あり
入館料:一般600円、小中学生400円
(20名以上の団体、65歳以上、身障者とその介助者1名は100円引き)

西沢館長のブログ:館長のひとり言

Twitter:にしざわ貯金箱かん

 

信州は千曲市に隠れていた、意外なすごいミュージアム。湯上りにでも、貯金箱から広がる歴史をちょっとのぞいてみてはいかがでしょうか。

 

飯山駅から高橋まゆみ人形館へ歩いた記事も書きました!

 

 

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この記事を書いた人

おざわっぷる

信州は諏訪湖のほとり出身、江戸城下町在住のアラサー。美術館や旧街道が主戦場。短期目標は写真の腕を上げること。中期目標は信州の街道の歴史にちびちび詳しくなること。長期目標は「信州って美術館が数も種類も最高じゃん」を日本の常識にすること。最終目標は壮大過ぎてスキマに収まらず、気長に乞うご期待。