背丈を軽々と越す巨木をぜいたくに使い、切り出される大きな一枚板。
テーブルで使用する天板として一枚板を扱うほか、数多くの木材家具を豊富に取りそろえる『松葉屋家具店』にお邪魔しました。
長野駅から徒歩15分。中央通りを善光寺に向かって北上し、右手にあります。
一階部分がガラス張りになっており、通りから店内が見えるような蔵づくり。街ゆく人は足を止めてその魅力に吸い寄せられるかのように店に入ってきます。
私もそれに続いて入ってみました!
松葉屋家具店へのアクセス
長野駅から徒歩15分。中央通りを善光寺に向かって北上し、右手にあります。駐車場も近くにあり、車でのアクセスも良好です。
店名(正式名称) | 松葉屋家具店 |
所在地 | 長野市大門町45 |
営業時間 | 10:00~18:00 |
定休日 | 火曜日、水曜日 |
公式HP | https://www.matubaya-kagu.com/ |
周辺駐車場 | ・表参道もんぜん駐車場 ・大門町パーキング ・善光寺表参道市営東町駐車場(駐車券割引券あり) |
190周年も続く老舗、松葉屋家具店
1833(天保4)年創業の松葉屋家具店さん。現在の場所に移る前は善光寺の西側「桜枝町」にあったそうです。
当時善光寺から向かって東側は北国街道から来た海鮮物、西側は山からの物資が降ろされ市が開かれていました。桜枝町にお店を構えたのも東西でそうした物資の供給により役割が分かれていたものだと考えられますね。
『100年経っても使える家具』を理念にし、顧客それぞれにあったライフスタイル、好みに合わせてつくるオーダーメイドの家具店です!
ここで今日取材させていただいた、松葉屋家具店の代表取締役の滝澤 善五郎さんをご紹介させて頂きます。
滝澤 善五郎さん
7代目松葉屋家具店 代表取締役
1958年長野市生まれ
子供の時の名前は篤(あつし)
【略歴】
・小学校入学前 横井弘三さんの画塾で「お絵描き」を習う。
・小学校3年~高校卒業 彫刻家 田原幸三先生に師事
・武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科 卒
在学中より、日本的な「からくり」を現代社会へのシニカルな視点から「木」で表現した作品を発表。
・1985年長野に戻り、善光寺大門町界隈のまちづくりに没頭。
日本クラフト展入選
朝日現代クラフト展入賞
アトリエ・ヌーボーコンペ入選
ハンズクラフト大賞入賞など
個展、グループ展数回
「善五郎」は七代目、襲名だそうです。
取材するまでドキドキでしたが、取材をしていく上で木や自然物に対する思いやこだわりが強いと感じました。とても気さくな方で私も話が止まらず、取材の時間を大幅に超えそうにもなりました。
松葉屋家具店の店内
まず店内に入って感じるのは、なんとも言えない木の香り。
そこにいるだけで癒される雰囲気があります。
風情を感じる広々とした店内には長野周辺の広葉樹をつかった机や椅子、棚などの木材家具が数多くおいてありました。
そこでも一段と際立って見えるのが人の背丈を越える一枚板。何十枚と壁に立てかけてあり、大きさから形まで千差万別であって同じものは存在しません。そこにあるのは世界にたったひとつだけのもの…
それはまるで”恋”のような出会いがあると私は感じました。
松葉屋家具店のこだわり
時代の流れで腐らない、普遍的なものしか作らない。
長く使うためには2つの意味があると滝澤さんは言います。
ひとつ、長く使用に耐えるもの。
製品自体の強さ、壊れないことはもちろん、例えば椅子の足が壊れてしまった場合などは捨てることなく味を残したまま修理をするといいます。
ふたつ、デザインとして変哲のないもの。
言い方によっては誤解されるかもしれませんが、飽きがきてしまうものや、アイテムとして廃れてしまうものは作らないと決めているそうです。時代によってニュートラルなシンプルなものは変化しない。滝澤さんは木のありのまま、自然のままを生かして作りつづけています。
木の種類だけでも国内の広葉樹14種を取り扱っており、それぞれ特質が違います。
さらに形の違いなどもあるため選択肢がたくさんあり、購入者を迷わせます。
木の色味や触り心地、香りなども異なるため、選ぶ際にはお客様の好みや感覚や直感が一番の決め手になるそうです。
実際店内に展示する原木を市場などで選定、買いつけする際は滝澤さんの五感のほかにも、この板がうちに来てくれるだけで幸せ・ありがたいといった直感にまかせる選び方もあるそうですよ!
厚さは板によって様々ありますが、5cm以上ある物も!
確実な強度があることで、一生どころか何世代という単位で使われていくものです。その家を象徴するもの(フォーカルポイントとも言ったりしますが)となりうるものです。
私も興味があってすべての一枚板を見て回りましたが、お値段的にも納得できる品質だと思いました。
一枚板を選ぶポイント
滝澤さんに一枚板を選ぶ際に考慮すべきポイントを聞いてみました。回答は意外なものでした…
木についての知識を蓄えることや、いいものを選ぶ感性を育てるのはもちろん、家具屋さんや材木屋さんにしても信頼できる人と出会うことが大事だといいます。綺麗な見た目や肌触りがいいというのは誰でもわかっていくことで、この一枚板がちゃんと乾燥しているのか、5年・10年・30年経って何かあったときに保証できる、修理など対応できるのかという部分が重要である。調子のいい話(例:値引きします)ではなくて、この人なら愛情もって任せても大丈夫と思う人とお付き合いすることが一番大切なんだそうです。
いつも家でブックシェルフ型のスピーカーシステムで音楽を聴き、パソコンでの作業・ゲームなどを頻繁に行う私にとって大きな天板を使ったデスクはとても興味があります。天板を支持する梁がないデスクは見た目もスッキリし、部屋に置いた時のフォーカルポイントとなり印象がガラッと変わります。一枚板を使ったパソコン&作業デスクなるものを作ってみたい、そんな夢がひとつ増えました!
素敵なマイデスクを絶対に作ってみたいです。
まとめ
自然の中で育った一枚板の「木の温もり、感触、香り、形」を是非堪能してみてください。一枚板だけではなくキャビネット、デスク、気持ちのいい座り心地の椅子なども展示してありますのでお試しください!
長野県で100年以上を過ごした木々を使ったぜいたくな机達。それを身近においておく幸せ、一生を通じてつかえる世界にただ一つのものを手にした時は、きっと愛着以上の感情が芽生えるはずです。