木曽といえば、中山道。この街道沿いの妻籠宿や馬籠宿は有名ですよね。そんな中山道には「与川道」という、こちらも古くから使われてきた道があるのをご存知でしょうか?
現在この与川道は、この地に住んでいた人々の暮らしを感じながら歩くことができるハイキングコースとして整備されています。
今回、ニッチなスキマ旅が大好きな私が、長野県木曽観光連盟のガイドさんに案内してもらいながら歩いてみたいと思います!
与川道ってどんなところ?
江戸時代、木曽川沿いの道は、水害で通れないことがしばしばあったそうです。与川道はこの迂回路として利用されてきた道。南木曽駅、三留野(みどの)宿から根の上峠を超え、野尻宿へと抜けています。
与川道の見どころは、針葉樹森、竹林、峠道、橋、はたまた地元のお家が集まる集落の中と、歩いていくとどんどん景色が変わります。
道しるべやトイレも随所にあるので、少し長い道のりですが安心 ♪
今回のコースは全長約12km、徒歩でおおよそ4〜5時間の旅。果たして無事にゴールできるのか!?
今回のスタート地点、等覚寺から、いざスタート!
アクセス
等覚寺までのアクセス
所在地:長野県木曽郡南木曽町読書3857
<電車>
JR中央本線 南木曽駅から徒歩20分程度。
<自家用車>
天白公園の駐車場に停めることをおすすめします。公園から徒歩25分程度。
南木曽駅周辺や天白公園にもいくつか見どころがありますので、お時間のある方は周辺もぜひ散策してみてください♪
天白公園
所在地:長野県木曽郡南木曽町読書2937-36
一部、通行止め情報あり。南木曽観光協会サイトをご確認ください。
【与川】与川道 | ぶらり なぎそ 南木曽観光協会
https://nagiso.jp/topics/yogawa-road/
円空仏が必見!等覚寺
南木曽駅から山沿いを歩いてしばらくすると、スタート地点の等覚寺に到着。このお寺には、円空(えんくう)が造像したとされる仏様があることで知られています。
右から芸事の神様、天神様。健脚の神様である韋駄天像。そして十五童子像。
韋駄天像は食の神様でもあるため、昔は台所の高い場所に祀られていたそう。なのですすで真っ黒なようすを見ることができます。また、ここにある十五童子像は子どものおもちゃだったらしく童子様がいくつか減っています。昔の人の暮らしの中にあったと思うと親近感が沸きますね。
この円空堂には、他にも閻魔様や仏様、十王像が納められています。
等覚寺をあとに、三留野宿に進む!
三留野(みどの)宿本陣跡。
明治にこのあたりで起きた大きな火災で消失してしまったそう。当時からある天然記念物の枝垂桜や、特別なお客様がきた時にしか使用する御膳水の井戸の跡など貴重な史跡が残っており、歴史を感じます。
しばらく、出し梁と呼ばれる梁が特徴的な建物が続く、三留野宿の道を進みます。
看板が現れたら、山の道へと続く分かれ道で「野尻駅」方面へ!
ここから少し、登山気分!山道への入口
舗装された道から、道しるべに従ってここから山道に入って行きます。
ハイキング道として整備されているのでご安心を!
里山エリアで今と昔を感じる
森を出ると、廿三夜塔(にじゅうさんやとう)が。
昔、太陰暦の二十三夜に、ここで人々は豊穣を月を待って祈っていたそうです。
この先は民家が並ぶ道が続きます。
人々の暮らしの中に道があったことを実感できます。
谷を見下ろす絶景のグランピングができる施設が!
人生一度はこんな景色の良いキャンプ場に泊まってみたい!
ties Camp Ground Nagiso
所在地:長野県木曽郡南木曽町読書4698-2
公式HP:https://tiescamp.com/
森と暮らしを感じるエリアへ
再び森の中の道に入ります。
森を抜けると、雰囲気のある古民家を発見!
ここは築200年以上の古民家を改装し、ゲストハウスとしてオープンした「HOSTEL YUI-AN」。こんな素敵な古民家に泊まって里山の暮らしを存分に味わいたいですね。
Hostel Yui-an 結い庵
所在地:長野県木曽郡南木曽町読書4828
公式Instagram:https://www.instagram.com/helloyuian/
正善沢(しょうぜんさわ)という小川。ここが与川村と三留野村の境だったそうだ。
看板に与川村の三留野村の歴史が書かれているので、ぜひチェックしてみて!
旧与川村は、画家・藤村曽山(ふじむらそざん)の出生の地。
明治から大正にかけて生きた画伯で、なんとその絵画は、京都の建仁寺にその絵が収蔵されているそう。
下山沢(しもやまさわ)。ゴール付近には上山沢(かみやまさわ)もあります。
この川の水源地は摺古木(すりこぎ)山で、透明度の高い綺麗な水が流れています。
道中にいくつかお手洗いも完備。
名月を思い浮かべながら、絶景の古典庵でひと休憩
お昼ごはんは古典庵跡地で。
道から階段を上がっていきます。この階段を上がれば、絶景とお昼休憩が待っている!
古典庵の裏から見える景色。谷が一望できます!
ここから山の上に見える仲秋の名月は良寛の歌碑にも歌われており、今でも広場で毎年お月見の宴が開催されているそう。
私も参加してみたい!
白山神社で大杉にパワーをもらおう
お昼休憩で元気をチャージしたら、次は大杉のパワースポット、白山神社へ。
鳥居をくぐり、お参りをしたら奥に続く階段を登って行きます。
すでに神聖な雰囲気が漂います。
階段の先に、国の天然記念物の大杉が!
周囲8.9m、高さ36m、そしてなんと樹齢1200年と言われています。
この大きさ、写真で伝わるかな?
この与川道のコースで最も見てほしいスポットのひとつです!
根の上峠まであと少し!
白山神社でパワーをもらったら、ゴールまであと少し!まだまだ道中、見どころがありますよ。
今度は竹林の道へ。
だいぶ旅の疲れが出てきましたが、道が整備されているのでとても歩きやすくて助かります。
竹林を抜けると、両側に石積みの壁が続く道に。
実はこの道、森林鉄道という、昔切った木を運ぶための鉄道が通っていたそう。
たしかに、なんだか線路に見えてきた…!
らんかん橋からの沢の景色。綺麗な清流を上から眺めてみよう。
もう少しで次の根の上峠!手前に分かれ道があるので、小さな灯篭が見えたら、右へ曲がって看板に沿って進みます。
いよいよ最後のスポット、根の上峠
ゴールまであと少し!最後の根の上峠に入って行きます。
綺麗な沢で、ひと休み。
澄んだ水を見ているだけで癒されます。
さあ!最後の上り坂にトライ!階段や坂が続きます。
ガイドさんいわく、きつい坂はいっきに登り切った方がつらくないそうです!
ついにゴール!
今回の与川道のゴール、根の上峠の頂上に到着しました!
最後の坂がどれだけ大変だったか、私の表情からお察しください。でも達成感はひとしお!
お問い合わせ
与川道は随所に道標がありますが「分かれ道などで迷わないかがちょっと心配」「木曽の歴史を知りながら歩きたい」という方は、ぜひガイドさんと一緒に歩いてみましょう!
お問い合わせ、ガイドの依頼先は、木曽観光連盟事務局へ
木曽観光連盟事務局
https://kiso-nagano.ne.jp/guide/
木曽に訪れたときには、ちょっとだけ足を伸ばして、この与川道を歩いてみませんか?