教えたいけど知られたくない、なんだか秘密にしておきたい、そんな温泉ってけっこうありますよね。たとえ全国的には有名でなくても、信州には穴場的な極上湯がいっぱいあります。
今回は青木村の沓掛(くつかけ)温泉をご紹介。青木村は上田市のお隣、日本の原風景が広がるのどかな村。沓掛温泉はその青木村のさらに奥、静かな農村にある歴史ある古湯です。
特別有名なわけでもない沓掛温泉ですが、そこには地元の人のみならず、県外の温泉マニアからも大絶賛される、共同浴場の小倉乃湯があります。人気の理由は何といってもその新鮮なお湯!
週末となればひっきりなしにお客さんがやって来る大人気の温泉。上田の友人の中には、毎週のようにここへ通うと言う人もいます。それくらい愛されている温泉なのです。
僕が選んだ信州のオススメ温泉はこちら!
知る人ぞ知る青木村の極上温泉へ
平安時代に国司の滋野親王が目を患い、入浴したところ完治したため開湯されたと伝わる沓掛温泉。同じ青木村の田沢温泉と同様、とても歴史のある信州屈指の古湯です。
沓掛温泉は旅館3軒だけの小さな温泉地。温泉街の中心には共同浴場の小倉乃湯があります。気軽に日帰り入浴を楽しめる貴重な場所。
温泉街というよりか、静かな山村といった感じの雰囲気。ここも昔は湯治客で大変な賑わいを見せ、周辺の温泉地をはるかに凌いだというから驚きます。
夏にぴったり!身体と同化するようなぬる湯を楽しむ
こちらが沓掛温泉で唯一の共同浴場「小倉乃湯」です。
平成10年にリニューアルされたばかりの綺麗な建物。特に風情があるわけではないですが、シンプルな造りで、お湯そのものをじっくりと楽しめます。
入浴料はたったの200円。券売機でお金を払って、横にいらっしゃる番台さんに渡します。
浴室には湯船が2つあり、狭い方の湯船には39℃の源泉が、広い方の湯船には35℃の源泉が注がれています。いずれも勢いよく大量にお湯が投入され、もったいないほど縁から掛け流されています。これを見ているだけで幸せな気分。
特に広い方の湯船は素晴らしく、体温と同じくらいの35℃のぬる湯だからか、お湯と身体が不思議と同化するかのような心地よさです。夏場なんかはいつまでも入っていられます。
泉質の異なる2つの源泉を使用しているそうです。たしかに入り比べてみると少し違う。硫黄の香りがほのかに漂うお湯には白い湯の花が舞っており、アルカリ性なのでお肌もツルツルになります。
やはり地元の方に大人気のよう。訪れた時間が夕方だったこともあり、地元の方が続々と入りに来られていました。夏場にぴったりなぬる湯というだけあって、皆さん一時間ほどは長湯していくそうです。
小倉乃湯は地元の人たちの憩いの場
小倉乃湯の建物の横には洗濯湯もありました。ここにも大量の源泉が注がれています。
ここで何を洗うのだろう?洗車もできると書いてあります。
僕が訪れたときは誰も来ませんでしたが、地元の人たちはここのお湯を囲んでおしゃべりしたりするのかな。共同浴場は地元の方々にとって、大切な憩いの場でもありますね。
沓掛温泉 小倉乃湯(おぐらのゆ)
泉質:単純硫黄泉、アルカリ性単純温泉
泉温:39.4℃、35℃
加水:なし
加温:なし
還流:掛け流し
所在地:小県郡青木村沓掛419-1
電話:0268-49-1126
料金:大人200円/小人100円
営業時間:7:00~21:00(6月~8月)、9:00~21:00(9月~5月)
定休日:火曜日(祝日の場合は翌日)
公式ページ:http://www.vill.aoki.nagano.jp/assoc/hotsprig/hotspring2.html
たまにネコが遊びに来ています。ほのぼのとした時間。
裏の温泉薬師堂から眺めた沓掛温泉街の景色。教えたいけど知られたくないような、なんだか秘密にしておきたい、地域に密着した素晴らしい極上湯でした。
青木村のスキマ記事はたくさんあります!
【連載】教えたいけど知られたくない!信州のスキマ温泉めぐり
長野県の温泉地数は224ヶ所、245ヶ所の北海道に次いで日本第2位!ちなみに温泉利用の公衆浴場数は、654ヶ所と日本一を誇っています。
信州の温泉地といえば野沢温泉や渋温泉、別所温泉や白骨温泉などが有名ですね。
この特集ではスキマメンバーの力路郎さんが、少し変わった温泉地をさまざまな視点からご紹介します。