こんにちは、温泉ソムリエマスターのyu-no/OnnSSenn(@syousya)です。
私は今、公民館に来ています!なぜ公民館?と思ったあなた、その通り。ああ、あそこねって思ったあなた、流石。そんなわけで温泉ラブな私のお気に入りの場所を紹介します。
松代のツルヤ前。
ここから山の方向、南方向へ。 荒神町の信号を、左。そのまままっすぐ行き、土手を2つ超えた先が、私イチオシの場所。見た目は普通の田園地帯。でも温泉がいっぱいの、魅力的な場所です。
お目当てはこのあたりですが、ちょっと寄り道しましょう。
温泉の前にちょっと寄り道。黒猫を祀る黒猫大明神へ
土手を降りて、1つめの十字路を右折すれば国民宿舎松代荘。そのまままっすぐ行って3つめを右折すれば加賀井温泉。そんな松代・加賀井の有名な温泉たちを眺めながらまっすぐ進むと、神社が見えます。
一見普通の神社ですが、祀られているのはなんと黒猫!中を覗くと、黒い猫の人形が見えます。
黒猫大明神の由来
手前の看板に由来がありました。
古来から航海では守り神として、黒猫が愛されているそうです。日本海軍の名将、東郷平八郎氏もその一人で、黒猫をたいへんかわいがっていたそうです。その愛猫が亡くなった後は黒猫の像を作って邸宅に置いていたそうですが、その後持ち主を転々とし、今、この黒猫大明神に祀ってあるのだとか。
松代温泉の源泉
こちらは松代温泉の源泉。松代温泉の裏手の山際にありました。あいにくどこで使用している源泉かはわかりませんでしたが、漏れ出た温泉の成分でモンスターのようになったこの姿はまさしく松代温泉。
もはや上のバルブを動かすことはどうやってもできないでしょう。松代温泉は温泉成分の中でもカルシウムがとても多くて、温泉スケールという鍾乳石みたいなものを作りやすいのです。さらに鉄も含有しているので、酸化した鉄分により赤みが出て写真のように至る、というわけです。これが松代温泉最大の特徴とも言える、温泉スケールなのです。
ちなみに、他にも源泉が湧き出ている場所があるようです。探してみても面白いかもしれませんね。
松代温泉地区の公民館
さて、待ちに待ったメインディッシュ!松代温泉地区公民館です。やった、公民館だ!…え、あまりそそられない?
わかりました。
これで、どうでしょうか!
そう、ここは、松代温泉地区の公民館。ちゃんと「松代温泉」地区ですよ。この公民館、温泉に入れる公民館なんです。ちなみに国民宿舎松代荘と加賀井温泉は「東条」地区。微妙に住所が違います。
入り口はまさに公民館。
玄関前には人形が飾られ、正面は会議室、左を向けばトイレに給湯室。しかし、右にあるのは並んだ扉、左に男湯右に女湯。右の受付で250円を払います。タオルは売っていないので、ちゃんと持っていきましょう。
脱衣所もまた良い雰囲気。脱衣かごはおよそ15個ほど。ドライヤーも1つあり。脱衣所の写真はありません。是非その目でご覧ください。脱衣所全景の写真を撮り忘れたとか、そういうわけではないんですよ!
さて、浴槽に入りましょう。
見よ、この湯船。この圧倒的温泉スケール!元の湯船はどこに行ったのかという圧倒的な温泉スケール浴槽。温泉にもたれ掛かって温泉に浸かるかのような温泉マニア垂涎の逸品。
湯口が見当たらないのは、湯口のパイプを浴槽下に引き込んで、浴槽の中でお湯を出しているから。これにより温泉の酸化が防がれているためか、新鮮な感じがします。濃い温泉は肌に染みつくようで、つい「うあぁあー」って唸ってしまいます。(実際は濁点入りまくりのお聞き苦しい感じの唸り方です。)お湯も熱くもなくぬるくもなく。42度くらいと見ましたがどうでしょうね?
ちなみに、洗い場にはシャンプー類はありません。自分で持っていきましょう。お客さんは常連の方が中心。地元の方のいつもの会話、といった感じのお話が聞こえてきます。雰囲気もやはり、共同浴場といった感じ。
温泉の成分
温泉自体の紹介。
松代温泉周辺ではいくつか温泉が湧いているのですが、松代温泉公民館で使用しているのはその中でも「新3号泉」という源泉を利用しています。
その泉質は含鉄(Ⅱ)-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉。その成分、溶存物質の総量は、温泉1kg中に15520mg。成分の濃さは先ほどの源泉や浴槽の画像で明らかですが、カルシウム成分の多さが際立ちます。
松代温泉の由来
松代温泉周辺では、鎌倉時代から温泉が湧出していたそう。 近世以降では加賀井温泉が有名で、今も日帰りで利用できます。
1965年から長く続いた松代群発地震では、この加賀井温泉も影響を受け、今まで枯れていた温泉井戸から大量に温泉が出るようになったとか。
国民宿舎松代荘も松代温泉の名泉を、日帰りでも泊まりでも気軽に利用できる施設です。そのほか、この地域では介護施設や寮、健康保険センターなど多彩な施設もこの温泉を利用しております。地域全体で松代温泉を最大限に利用しているのがわかります。
なぜ公民館に温泉があるの?
そんな松代温泉ですが、なぜ公民館に温泉があり、営業をしているのか。実は、松代温泉地区は1977年に松代町東条地区の一部が分かれて成立しました。
松代温泉地区はその一帯を住宅団地として分譲したのですが、その際の目玉が温泉付き住宅!
いやはや、私も憧れます。
そんな鳴り物入りで分譲された住宅ですが、上に記したように松代温泉は温泉スケールがとてもできやすい温泉。実際のところ温泉スケールによってパイプが詰まったり、浴場が赤茶色に染まったりと、とても素人に扱える温泉ではありません。
その補償として、松代温泉地区の公民館に浴場が作られ、地元の方を中心に利用されています。となると、その性質はやはり共同浴場。
共同浴場は地区内の人のみに限る施設も多い中、地区外の人でも寛容に入れていただける施設なので、大切に利用しましょう!
温泉と歴史が交差した不思議な公民館
はてさて、いかがだったでしょうか。温泉マニア垂涎の濃い温泉と濃い歴史。松代温泉公民館は、そんな温泉と歴史が交差した不思議な施設です。
ぜひ、行ってみませんか?
松代温泉 松代温泉公民館
泉質:含鉄(Ⅱ)-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉
泉温:45.2℃
使用状況:加水加温なし源泉掛け流し
所在地:長野県長野市松代温泉151−2
料金:大人250円
営業時間:15:00~20:30
定休日:なし