佐久にある不思議な海に関する地名・苗字の由来とは?

海なし県長野にある「海」にまつわる地名の謎

こんにちは、信州さーもん(@goshumemo)です。

長野県のある地方に、やたら海や水にちなんだ地名の多い場所があります。

小海、海瀬、佐久海ノ口・・・。海がないはずの長野県で海の地名がたくさんあるのはなぜなのでしょうか?昔は海だったから?いいえ、違います。

それは今から約1200年前にこの地方を襲ったある「災害」が関係しているのです。今回はそんな長野県の海にちなんだ地名に関する謎についてご紹介いたします!

 

関連記事は【地名の謎】シリーズにまとめています。

 

小海町ってどこにあるの?

海のつく地名や人名が多いのは、長野県南佐久郡小海町あたり。

JR小海線は小諸から山梨県小淵沢をつなぐ「日本一高い場所を走るJR線」としても有名です。そのあたりの駅名をとっても「小海」「海瀬」「海尻」と、海に関する名前が多いことが分かります。

 

長野県南佐久郡小海町の地名について

小海線の駅名で海や水にまつわる名前の由来について考えていきます。

小海は「小さい湖」という意味

まずは「小海」の由来。小海町の公式ページにはこのように書かれていました。

 

仁和3年(887年)あるいは仁和4年(888年)に起きたとされる八ヶ岳(天狗岳)の水蒸気爆発による大崩落によって千曲川の下の深山(現在の八那池洞門付近)が泥流によってせき止められ、海の口から、海尻にかけて大きな湖ができました。この時土村の除ヶ付近(現在の小海小学校付近)の相木川もせき止められ、相木の入口までの湖ができました(相木湖と呼ばれていた)。 海ノ口の湖水は寛弘8年(1011年)に決壊して無くなりましたが、相木湖はその後も残ったらしく、天正初期(1572年頃)古絵図にも記入されていますので、鎌倉時代の中頃(1300年頃)まであったと思われます。これが当時ここに入って来た人達によって「小海」と名付けられたものが小海の名前の起源と言われています。

小海町公式サイトより引用)

1200年前の平安時代に八ヶ岳の水蒸気爆発により2つの湖ができ、小さな湖の方を「小海」と呼んだのが始まりだそうです。

 

「海ノ口」「海尻」は湖の入り口と出口に由来

「海ノ口」は千曲川から湖へと水が流れ込むの部分を意味します。

「海尻」は逆にその流出部ということなので、かなり大きな湖になっていたことがうかがえます。

 

「馬流」は家畜が災害で流された場所

「馬流(まながし)」とは読んで字のごとく「馬が流された場所」という意味です。人も馬も流され大きな被害があったことを物語っています。

地形としては少しくぼんだ盆地のようになっているので、人馬が流れついた場所だったのかも?なんて想像してみます。

「海瀬」は災害とは関係のない海の地名

海瀬(かいぜ)駅のある佐久穂町はもともと海瀬村と栄村が合併してできた町です。

海瀬村は千曲川と、その支流である余地川・抜井川との合流地点にあたり、その合流音が激しかったことが「海瀬」の由来だと言われています。

「瀬」とは流れが激しい場所を意味する言葉。もともとこの辺りでは湖を「海」と呼ぶことから、「海瀬」と名付けられたのではないでしょうか。

地図を見ると確かにたくさんの川の合流地点であることが分かります。

「海」や「水」に関する苗字もある

地名の由来がわかったところで、小海町に住む人々の苗字について考えていきたいと思います。

まずはじめに思い浮かぶのは「君の名は。」「秒速5センチメートル」などで有名な小海町出身の「新海誠」監督。

本名は「新津(にいつ)誠」さんですが、新海は小海町で珍しくない苗字です。また「新津」自体も佐久がルーツの苗字で、水に由来しているように見えますね。

そんな小海に住む人々の苗字についてご紹介いたします。

「新海(しんかい)」とは「新開地」に由来?

新海という苗字について調べてみると、全国で見ても長野県の小海町に多い苗字であることが分かりました。

その他愛知県や山梨県でも多く見られます。

全国的に「新海」の読み方は「あらみ」「にいみ」「しんうみ」などバラエティに富んでいますが、元の意味は「新開地に住む人々」という意味だと言われています。

佐久市の新海三社神社に本来のルーツを発見!

さらに調べていると、新海三社神社にたどり着きました。

諏訪神の御子神、つまり諏訪神の子供である與波岐命(おきはぎのみこと)をご祭神としています。

他に父である諏訪神・叔父である事代主命を奉った3つの神殿があることから三社神社と呼ばれています。別名は佐久(開)神社。

この地では諏訪神の御子神がこの地を開拓してくださったという信仰があり、「新開(にいさく)の神」「新開さま」と呼ばれていました。

新海はもともと「新開(にいさく)」と読み、それが転じて「新開(しんかい)」→「新海」になったと考えられます。

「海」という漢字へ転じたのは、やはりその当時あった湖が関係しているのでしょうか。

「佐久」という地名もこの「新開(にいさく)」からきているというのが有力だそうです。

ちなみに「佐久」には「耕作地(新しく開いた場所)」の他に「くぼんだ場所」という意味もあるので、そちらともかかっているかと思います。

歴史に当てはめるなら諏訪大社を奉った人々が佐久地域を開拓し、その信仰を広めたという感じでしょうか?

信仰の歴史は侵略・開拓の歴史。まだまだ深く掘り進めることができそうです。関連本などを読んでみたいのですが、見つからないので知っている方はぜひご連絡ください!

 

「新津」の「津」とは船着場をいう意味

最後に新海誠監督の本名である「新津」について。

「新津」といえば新潟県旧新津村(→新津市→新潟市)があります。字の意味はそのまま「新しい津」、「津」は船着場を意味するので「新しい船着場」という意味でしょうか。

こちらも都道府県別に調べてみると、やはり長野県と山梨県に多い苗字のようです。佐久では今でも新津さんが多く、新津一族は権力者として知られています。

 

佐久の地名は謎がいっぱい!

山奥で海の地名を持つ佐久市。

1200年前の大災害を今に伝える貴重な資料になっているのですね。地名や苗字を読み解くことでその土地の歴史やルーツに触れることができて面白いです!

今後も疑問に思ったことがあれば記事にしていきたいです。ちなみに第一弾は「シナノ」「信州」「長野」の由来について解説しているので、あわせてご覧ください!

 

【連載】地名の謎シリーズ

地名の謎はシリーズで連載中!

よければこちらからご覧ください。


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