「天竜舟下り」の舟ってどうやって造られているの?造船所見学してきた!

天竜舟下り

長野県から太平洋へと注ぐ天竜川を木製の船で下る「天竜舟下り」体験。信南交通株式会社 地域観光事業部が運営する天竜舟下りは、ダイナミックに流れる川と伊那谷の自然が楽しめるアクティビティとして人気を博しています。

天竜舟下りの鍵は乗客が乗る木製の「船」と熟練した「船頭」さんです。今回は毎年冬場に行われる船頭さんによる造船を特別に見学させていただきました。

一体、天竜舟下りの船はどうやってつくられているのか?
造船の過程にはどのような技術がつかわれているのか?
どんな人が船を作っているのか?

などなど、気になる造船の裏側を案内していただいた模様をお届けします!

船頭さんが冬場に船を作っている

天竜舟下り

今回、案内してくれたのはさわやかな笑顔が素敵な飯田市在住で舟大工の南島純さん。普段は信南交通株式会社 地域観光事業部で営業職のサラリーマンとして仕事をする傍ら、天竜舟下りの船頭と船大工を務めています。

南島さんは約15年前から天竜舟下りの船頭を務めており、7年前に先輩からの推薦で船大工としての仕事も行うようになったといいます。現在、船大工を務めているのは南島さんを含めて4人。そのうち2人は南島さんより若く、若手中心で天竜舟下りの造船は行われています。

天竜舟下り

造船所に到着すると入り口はこんな感じ。大きな倉庫で普段は中は見えないようになっています。

南島さん曰く「飯田市やこの周辺に住んでいる方でも、この場所で造船していることを知らない人は多いですね。今年の冬は見学会を何度も開催しましたが、地元の方の参加も多く皆さん驚かれていました。」

天竜舟下り

倉庫の重い扉を開けて中に入るとそこには造り途中の木製の船が!写真では大きさが伝わりにくいですが、船の全長は12.7メートル(立てると2階建ての家の屋根くらい)、幅は2メートル、重さは1トンほど。杉とヒノキ板を48枚使い、 釘は約1,000本使われています。

「天竜舟下り」造船見学会開始!

天竜舟下り

造船見学会では、写真のようなパネルを用いて船ができるまでの工程を学べます。使われる木材は9割が杉で1割がヒノキ。ヒノキは乗客が触る船の上部に使われるそうです。

ここで造られた船は3月~4月上旬に進水式を行い観光用の船として使用されます。船の完成までには2人~3人がかりで30日かかるそうですが、南島さんを含め平日の日中はサラリーマンとして働いているので、造船は空いた時間にコツコツと進めていくんだとか。大変!

天竜舟下り

今年で3回目の開催となる造船見学会には、1月31日~2月7日の8日間で延べ150人以上が来場したとのこと。テレビや新聞などでの報道も多く見た方もいらっしゃるかもしれません。

写真で南島さんが手に持っているのは船のミニチュア!見学会の来場者が想定以上に多かったため、より分かりやすく伝えるための工夫として作ったそうです。

ミニチュアをみると分かりますが船の側面は4枚の木が縦に重ねられており、微妙に弧を描いています。そのため木と木の設置面は平ではなく、微妙に角度を付けて切られています。乗船時にはわからない職人の技が見学会を通してよくわかりました。

釘打ちに挑戦

天竜舟下り

こちらは造船のために特別に新潟県三条市でつくられた釘です。この釘で木と木をつないでいきます。見学会では、実際に金槌とくぎを木に打ち付ける体験もさせていただきました。

天竜舟下り

南島さんによれば「造船はリズムが命」だといいます。実際に南島さんによる釘打ちの実践を見学しましたが、小気味いいリズムでドラムのようでした。

実際に私も釘打ちをしてみましたが、まずうまくリズムを取りつつ釘の頭に金槌を当てることが難しい!そしてリズムが取れて金槌も正確に当たり始めたところで南島さんから一言「いい感じですが、釘は入ってはいないですね笑」。

同じように釘を打っているのに、木にスッと入っていく南島さんと入らない私。体験してより技術のすごさを実感しました。南島さんによれば造船作業の技術は普通の建物を建てる大工さんとは異なるとのこと。見学会期間中も、県内外から現役の大工さんが技術を見に来たそうです。

最後に-2021年は3月6日から天竜舟下り開始予定!-

天竜舟下り

およそ1時間の造船見学会は、案内してくださった南島さんの上手な説明とさまざまな体験が楽しくあっという間でした。見学会の最後には造船の際に出たヒノキのお土産もいただきました。早速、家に帰ってお風呂に入れてみましたがとても良い香りでした。ちょっとしたお心遣いが嬉しいですね!

造船見学会は2月7日まで行われていましたが、今後も個別に連絡があれば説明を行ってくれるそうです。またこの冬につくられた船は3月~4月頭に進水式が行われるとのこと。ここの船には一艘ごとに名前が付いていますが、いま作っている船にはまだ名前が付いていないので、どんな名前になるかも楽しみですね。

2021年、天竜舟下りは3月6日から運行する予定です。「造船見学したい!」「舟下りに参加したい!」という方はこちらの信州飯田 天竜舟下りのWebサイトから情報をチェックしてみてください!

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この記事を書いた人

Skima信州編集部

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