「さぁ、限界集落で楽しもう」~池田町広津地区を巡る旅~

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人口約100人。

戸数約45戸。

高齢化率約50%。

長野県北安曇郡池田町のおよそ4分の1の面積を占める山間の地域、広津(ひろつ)地区。今回は、そんな広津地区で大学生が企画したツアーの模様を紹介します。

「限界集落って、何もないから限界集落なんじゃないの?」

「ツアーって、そんな周るところあるの?」

そう思ったあなた!

この記事を読み終えるころには、「次の休日に、広津行ってみようかなぁ」と思っていることでしょう(多分…)。ツアーが行われたのは、秋晴れの空の下、紅葉の木々が映える2018年10月21日。

ツアーを企画したのは、今年度から池田町をフィールドに地域活動を行う信州大学と長野大学の学生5人。池田町で地域について学び活動する「池田つむぐプロジェクト」に参加している大学生です。

↓池田つむぐプロジェクトFacebookページ↓

池田町広津をフィールドに、今日までインタビュー調査を実施したりお祭りに参加したりしてきましたが、「初めて広津に来た人の感想を知りたい!」という目的から、今回、大学生を対象としたツアーを企画しました。

ツアーのチラシは、こんな感じです↓

一体、広津とはどんな場所なのか…?チラシを見ても謎は深まるばかり。それでは、さっそく、広津巡りツアースタートです!

朝、池田町広津からの景色

海抜約850メートルの広津は、北アルプスを一望できるロケーションにあります。空気がひんやりとしていたツアー当日、朝の飛騨山脈は、まさに北アルプスの名にふさわしい雄大な姿を見せてくれました。

ちなみに朝早い時間に広津に来ると、雲海が見られることもしばしばあります。「街中から最短の雲海スポット」というコンセプトで売り出そうという話があるとかないとか…。

曹洞宗成就院にて坐禅体験

今回参加させていただいた坐禅と写経の会は、特別に企画したものではなく、成就院が毎月行っている企画です。

坐禅→写経→お茶の時間という内容で、誰でも参加できるとのこと。参加者も30分間の坐禅を体験させていただきました。

常にインターネットに接続している現代人にとって、オフラインな環境で自分を見つめなおす機会はそんなに多くありません。とある参加者からは「長いような短いような… 不思議な30分間だったなぁ」という感想が聞かれました。

曹洞宗成就院
所在地:長野県北安曇郡池田町広津543
最寄駅からの距離:大糸線信濃松川駅から徒歩2時間/車で25分
体験:坐禅と写経の会は毎月第3または第2日曜日。9:30〜。どなたでもご参加いただけます。

曹洞宗成就院でお檀家さんたちと交流

大学生は自分のおじいちゃんおばあちゃん以外のお年寄りと話すのが久しぶりで緊張気味。おじいちゃんおばあちゃんは若者と話すのが久しぶりで緊張気味。

結果、全員が緊張気味な感じでスタートしましたが、10分もしたらこの笑顔。世代を超えて和み、心安らげる場所がそこにはありました。

七色オオカエデ散策

今や秋の安曇野を代表する観光スポットとなった七色オオカエデ

スタッフのおじさんに話しかけたところ、ツアー当日は今シーズンで最も人が多いとのことでした。確かに、車が100台くらい停まっていたような…。

秋になると全国から写真マニアが集まり、最高の1枚を狙っています。この日も、参加者はベストな1枚を求め写真を撮りまくっていました。

七色大カエデはスキマの人気紅葉スポットにも選ばれています。

参考記事:長野県の人気紅葉スポット14選。

オオカエデ周辺を20分ほど散策したのち、近くの通称どんぐり池へ行きました。

なぜ、「どんぐり池」と呼ばれているのかは謎ですが、高原の茂みに分け入っていくとひょっこりと池が現れます。水面に映る木々はオオカエデに負けず劣らずいろんな表情を見せてくれました。

池田町大峰高原 七色オオカエデ
所在地:長野県北安曇郡池田町 池田14467-1
最寄駅からの距離:大糸線信濃松川駅から徒歩2時間/車で25分
散策:自由(紅葉の見ごろは、毎年10月中旬~11月上旬頃)

昼食 古民家の囲炉裏で作った灰焼きおやき

昭和の中頃まで、広津地区では桑を栽培しお蚕さんを育てている家が残っていました。山﨑さん宅も昔は養蚕業を営んでいたお宅で現在はご夫婦とおばあちゃんが一緒に暮らしています。

当日は、このあたりの名物「灰焼きおやき」体験をしました。囲炉裏の灰の中におやきを入れて焼き温め、取り出して灰が少し付いたまま食べます。

おやきを始めて食べる参加者が多い中、長野県出身のある学生から、「今までで食べたおやきの中で一番おいしい!」という声が聞こえてきました。

山﨑さんは、定年後に集落の友達や外から来た人が集える場所を作りたいという思いで、数年前に仲間と囲炉裏を復元したそうです。囲炉裏のある生活、そこで食べる灰焼きおやき、伝統的な長野県の生活を満喫しました。

山﨑さん宅
所在地:池田町広津地区 日影栗本集落
最寄駅からの距離:大糸線信濃松川駅から徒歩3時間/車で35分
体験:要予約(体験希望の方は、池田つむぐプロジェクトFBページからメッセージをください。)

ニンジン収穫体験

広津に限らず、近年は山間集落での獣害被害が問題になっています。

そんな獣害に負けず、広津で幅広く農業を営んでいる安曇野ひろつ農園でニンジン収穫体験をさせていただきました。

皆さんは、

「ニンジン畑、見たことありますか?」

「ニンジンって、どうやって収穫するか知っていますか?」

普段口にしている食べ物の“本当の姿”を、私たちは意外と知りません。

広津地区では、触れる機会が少なくなった“本物”に触れる機会が沢山あります。

野菜の収穫、キノコ採り、山歩きなどなど。

1時間みっちりと畑でニンジン収穫体験をし、収穫後は、なんと1人一袋のニンジンをお土産にもらいました。1人暮らしで慢性的な野菜不足に陥っている大学生にとって、大量のニンジンを見るのは久しぶりだった様子。

収穫したのはいいものの、果たして参加者の大学生は上手に調理できたのでしょうか…?

広津に来ると、心も身体も健康になるのです。

収穫後に農園代表の井上さんとパシャリ。

写真左の女性は、実は参加している大学生と同世代の農業女子さん。今年、広津に移住してきて、今は井上さんのもとで修業中とのことでした。多様なライフスタイルの方々と出会えるのも広津地区の魅力です。

安曇野ひろつ農園
住所:長野県北安曇郡池田町広津5528
最寄駅からの距離:大糸線信濃松川駅から徒歩2時間/車で25分

15:00 八寿恵荘で入浴&ツリーハウスへ

カモミールのスキンケアブランド「華密恋」を作る株式会社相互の保養所として、およそ30年前に建てられた八寿恵荘。2015年5月に日本で初めてBIO HOTELの認証を受けた八寿恵荘は、食事、化粧品、寝具からホテルの建材に至るまで自然素材とオーガニックを徹底追及したホテルです。

お風呂の写真は残念ながらありませんが、カモミール香る唯一無二のお風呂を楽しむことができました。入浴後には、八寿恵荘を運営するカミツレ研究所が販売する化粧品がなんと使い放題!スベスベでツヤツヤなお肌になること間違いなしです。

入浴後は、ホテルの庭の誰もが一度は憧れたことがあるツリーハウスへ。旅の最後に、童心に戻ってはしゃいでしまいました。

八寿恵荘

八寿恵荘HP: http://yasuesou.com/
住所:長野県北安曇郡池田町広津4098
最寄り駅からの距離:大糸線信濃松川駅から徒歩2時間/車で30分
日帰り入浴:大人500円 こども(4才から小学6年生まで)300円
土曜日 11:00~18:00(最終受付17:30)
日曜日 11:00~18:00(最終受付17:30)
宿泊:1名様 13,000円~16,000円

まとめ

ということで、以上が広津巡りツアーの全容です。どうでしたか?

広津に行きたくなってきたのではないでしょうか?

このツアーの目的は、広津の魅力を多くの人に知ってもらうことと同時に、第三者の視点から見た広津を知ることにありました。

広津の住民の皆さんが第一者、広津の強みや弱みを探して活動しているツアー企画者の大学生が第二者、そして今回のツアーに参加して初めて広津に来た皆さんが第三者です。

住んでいる人にしか気がつかないこと、調査している学生にしか気がつかないことがある一方で、無意識のうちに「これは広津の弱みかな…」とか「これは魅力にはなりづらいかも…」と思い視野の外に置かれているものが沢山あります。

そんな、視野の外に置かれた魅力を第三者の視点を借りて掘り起こすこと、そして逆に、自分たちが強みだと思っているものが本当に魅力あるものなのかどうか精査してもらうことが、このツアーの目的でした。

参加していただいた皆さん、ありがとうございました。

そして、この記事を読んでいるあなたも、ぜひ一度、広津に遊びに来てください。

池田つむぐプロジェクト広津グループメンバーが全力で案内します!

※成就院の猫 名前は“こゆき” 性別は男

それでは、また、広津でお会いしましょう!

秋の長野県観光は人気紅葉スポット14選もご参照ください。

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この記事を書いた人

ito masato

1996年長野県生まれ。大学在学中に自身が代表を務める事業が長野県地域発元気づくり大賞を受賞。現在は一橋大学社会学研究科にて国内移住に関する研究を行いながら、KAYAKURA代表として長野県を主なフィールドに観光インバウンド・移住・まちづくりのコーディネート・プランニング・調査・PRを多数手がける。2019年からは都内の企業と地方の企業や自治体をつなぐ新たな取り組みも開始。訪日観光客向け観光情報発信サイトNAGANO TRIP運営。池田町第六次総合計画審議委員。週刊SPAや公益社団法人 日本観光振興協会発行『観光とまちづくり』など寄稿多数。2019年4月から東京都国立市と長野県池田町の2拠点居住実践中.