安曇野|創業135年「丸山鯉屋」で鯉を買って “鯉こく作り” に挑戦してみた!

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「鯉」という魚を見たことがない人は恐らくいないと思います。しかし、鯉を食べたことがある人は少ないのではないでしょうか?

実は鯉は長野北部の郷土料理に使われる立派な食材です。特に「鯉こく」や「鯉のあらい」は長野でぜひ食べておきたい郷土料理!

「鯉ってなんだか硬くて、泥臭くて、美味しくなさそう」という第一印象とは裏腹に、とても美味しいと耳にしました。

そこで安曇野の「丸山鯉屋」で鯉を買って、実際に自分で「鯉こく」を作ってみました!郷土料理や地方ならではの食材に目がない人はぜひ参考にしてみてください。

安曇野の鯉が美味しい理由

安曇野は美味しい鯉が食べられる産地の一つと言われています。なぜ安曇野の鯉は美味しいと言われているのでしょうか?

鯉に限らず、川魚は住んでいる水の綺麗さによって味が全く変わってくると言います。鮎やうなぎを食べた際の感想で、「泥臭い」と評価されているのを目にしたことはありませんか?基本的によほどきれいな清流でない限り川には泥が多く、そこに住む野生の川魚も泥臭くなってしまいます。

そのため、鯉が美味しいと言われている地域は基本的に川が綺麗なところに限られます。その点、安曇野は北アルプスの山々がすぐ近くにあり、その湧き水が流れ込んでいるため非常に水質が綺麗です。

安曇野|創業135年「丸山鯉屋」で鯉を買って “鯉こく作り” に挑戦してみた!

安曇野といえばわさびの産地を連想する方も多いのではないでしょうか?実はわさびも同様に綺麗な水でないと美味しいものが育ちません。安曇野のわさびは最高品質といわれていて、その点からもいかに川の水が綺麗かがよくわかります。

つまりこの綺麗な川の水があるから、美味しい鯉が食べられるというわけです。

創業135年の老舗「丸山鯉屋」

それでは実際に鯉を食べてみたいと思ったときに、どこに行けば買えるのでしょうか?実は安曇野市内のスーパーで普通に売られています。大型スーパーの鮮魚コーナーに行けば切り身になっている鯉を見つけられるでしょう。

しかし、せっかく買うならもう少し趣のあるお店で買いたいですよね。そこで今回ご紹介するのが創業135年の「丸山鯉屋」です。

安曇野|創業135年「丸山鯉屋」で鯉を買って “鯉こく作り” に挑戦してみた!
店名(正式名称)丸山鯉屋
所在地安曇野市穂高北穂高 2218-4(JR大糸線有明駅前)
営業時間8:30-17:00
定休日毎週日曜日
公式HPhttps://maruyamakoiya.com/
駐車場有明駅の前にある駐車場をご利用ください

明治11年に創業した丸山鯉屋ですが、当時安曇野にはたくさんの鯉屋があって、一大養鯉ブームが起こっていたようです。しかしそこから多くの店がなくなっていき、現在も残っているのはこの丸山鯉屋だけです。

安曇野|創業135年「丸山鯉屋」で鯉を買って “鯉こく作り” に挑戦してみた!

丸山鯉屋はJR大糸線の有明駅を降りてすぐ目の前にあります。

安曇野|創業135年「丸山鯉屋」で鯉を買って “鯉こく作り” に挑戦してみた!

基本的に魚を買いたい場合は事前に電話やメールで注文しておくとスムーズに買えるようです。なぜなら鯉は近くの生簀で直前まで育てていて、注文状況に応じて店内の生簀に移動し、販売しているからです。その間に鯉にあげる餌などを調整し、販売時に一番良い状態で売れるようにしているとのこと。

安曇野|創業135年「丸山鯉屋」で鯉を買って “鯉こく作り” に挑戦してみた!

お店には鯉以外にも、「信州サーモン」「シナノユキマス」「大王イワナ」など気になる商品が並んでいますが、これらはまたどこかでご紹介したいと思います。

また、鯉は切り身やあらい(刺し身を湯通しして脂を落としたもの)で調理した状態で用意してもらえます。さらに甘煮や鯉こくといった加工品でも用意していただけるので、至れり尽くせりです。

しかし今回はせっかくなので、まるごと生きたままご用意いただき、自分で調理してみることにしました!

生きた鯉を調理してみる

今回作るのは代表的な鯉料理「鯉こく」。加えて魚の味を知るために「刺し身」も用意することにしました。

まず捌くための下準備をします。鯉は鱗が多く、また血の量も多いためまな板の上に新聞紙を敷いて作業すると良いでしょう。

安曇野|創業135年「丸山鯉屋」で鯉を買って “鯉こく作り” に挑戦してみた!

さて、早速鯉をまな板の上にのせます。

驚くほど活きが良く、新聞紙を解くとすぐに暴れ出します。実は鯉はかなり生命力が強く、水から引き上げて新聞紙に包んでおくだけでも、半日や1日は生きているそう。この力強さが滋養強壮の食べ物として好まれ、特に冬場など好んで食べられる理由なんですね。

暴れ狂う鯉の動きを止めるためには、出刃包丁などで脳天を叩くと良いでしょう。そうすると気絶して痙攣します。その隙に鱗を梳き引きして、頭を落とします。

安曇野|創業135年「丸山鯉屋」で鯉を買って “鯉こく作り” に挑戦してみた!

あとは尻尾の方を刺身用に切り落とし、それ以外は鯉こくで使うように輪切りにします。このとき苦玉という、緑色の胆のうを割らないように気をつけましょう。鯉の苦玉はものすごく苦いだけでなく、猛毒が含まれています。摂取すると嘔吐や下痢だけでなく、腎不全、肝機能障害 など重い症状が出る場合もあり、最悪の場合死に至る危険性もあります。

安曇野|創業135年「丸山鯉屋」で鯉を買って “鯉こく作り” に挑戦してみた!

無事に捌き終わったあとは調理します。鯉こくの作り方はお店の方からレシピを頂いたので基本的にその通りに作ってみます。

安曇野|創業135年「丸山鯉屋」で鯉を買って “鯉こく作り” に挑戦してみた!

ちょっとアレンジとして長ネギの頭も入れて炊きました。

鯉の味はいかに?

安曇野|創業135年「丸山鯉屋」で鯉を買って “鯉こく作り” に挑戦してみた!

さて、実食です。まずは刺し身から。

刺し身は細かい骨が多いのでハモのように骨切りをしてから薄めに切って並べました。

脂がのっていて、それでいてくどくなく、まろやかで美味しいです。聞いていた通りくさみが全く無くとても食べやすい。脂がのった新鮮な鰺に近いような気がします。小骨が多く少し食べづらさはありますが、独特の美味しさでまた食べたくなります。

安曇野|創業135年「丸山鯉屋」で鯉を買って “鯉こく作り” に挑戦してみた!

続いて鯉こく。

こちらも脂が汁に溶け出していてとてもクリーミーで、まさにコクがあって美味しいです。同様に骨が多くて少し食べづらいですが、今まで食べた魚の煮付けの中でも上位に入る美味しさでした。

ただ食べるだけでも充分に美味しさが分かる鯉料理。さらに自分で捌いて調理することでその活きの良さや綺麗な脂ののった身質がよくわかり、鯉が美味しい理由も良くわかりました。

もし余裕がある方はぜひ生きた鯉の調理にチャレンジしてみてください!

安曇野「丸山鯉屋」のまとめ

以上、鯉料理の紹介でした。

もちろん、自分で調理する必要はなく、紹介したように調理済みの商品も購入できます。今ではお店で鯉料理を食べようにも食べられるお店はそう多くはありません。

その点、丸山鯉屋は街中にあるので気軽に立ち寄り買うことが出来ます。

ちょっと変わった安曇野の思い出に、鯉を味わってみてはいかがでしょうか?

▼スキマの“郷土食”記事はこちら!

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この記事を書いた人

加古雄介

大学卒業後、金融系のIT企業に入社しシステム開発やオペレーション設計、新卒研修を経験。
卒業後は料理人に転身し、江戸前寿司職人、割烹料理の経験を積む。
現在は出張寿司をやりながら、ライティングの仕事に取り組む。
好きなことは健康でいること、サバイバルの準備をすること。