渋温泉「かめや旅館」館内で5つのお風呂を湯めぐり!明治開業のレトロ温泉宿

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長野県山ノ内町にある信州屈指の大温泉地「湯田中渋温泉郷」。温泉郷内には個性豊かな9つの温泉があり、海外からの観光客も多い有名観光地となっています。

渋温泉はその中心的な存在。1300年前の開湯以来、湯治場や草津街道の宿場街として長い歴史を重ねてきました。そのレトロな温泉街の街並みは、もはや現代では再現不可能です。

北信濃の由緒ある温泉街の風情。時代の流れにともなって増築と改築を繰り返した複雑な木造建築の数々。その独特の景観が、訪れる人々をタイムスリップしたかのような気分にさせます。

お湯ももちろん一級品。渋温泉のすべての旅館と外湯が100%源泉掛け流しです地面を掘ればすぐお湯が出てしまう」というくらい、街中のいたるところに源泉が存在します。

そんな渋温泉ですが、北信濃が地元の僕がここを初めて訪れたのは、実はつい最近のことです。理由は“日帰り”で温泉を楽しめるスポットを知らなかったから。渋温泉はなんとなく「泊まらないと楽しめない」イメージがありました。近くに住む僕は、来る機会がなかなか無かったわけです。

実際、9つある外湯は大湯を除いて宿泊者限定であって、日帰り入浴ができる施設というのは限られます。そこでオススメしたいのが、旅館での立ち寄り湯!いくつかのお宿で日帰り入浴が可能です。

今回は、明治開業の老舗温泉宿「かめや旅館」で立ち寄り湯をしてきました。日帰りでも気軽に渋の名湯を味わえる、とても魅力あるお宿でした。

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500円で5つのお風呂を湯めぐり!貸切風呂もある「かめや旅館」

かめや旅館は温泉街の石畳の通り沿いにあります。木造三階建ての立派なお宿です。

玄関では女将さんが出迎えてくれました。日帰り入浴でも快く受け付けて下さいます。

かめや旅館では5つのお風呂が楽しめます。

・男女別大浴場 各1
・庭園露天風呂(貸切)
・お座敷露天風呂(貸切)
・家族風呂(貸切)
・亀甲風呂(貸切)

なんと、4つもの貸切風呂があるのです。日帰りでも館内全てのお風呂が楽しめます。これは贅沢ですよね。

また、個性ある3種類の源泉を使っているので、旅館の中でも湯めぐりが楽しめちゃうというわけです。

料金は一人で500円。時間は大体1時間くらいでと言われました。家族とでも友人とでも、恋人とでも一人旅ででも、渋温泉の名湯を独り占めできる最高の空間です。

赤い絨毯(じゅうたん)がレトロな雰囲気を出しています。まずは自家源泉を使っている男女別の大浴場へ。廊下の突き当たりにあります。

旅館の地下から湧く自家源泉。歴史を感じる「大浴場」

いや~、レトロな雰囲気。ちょっと薄暗い照明が、また良い味を出してくれています。

手前が男湯、奥が女湯となっています。

全面タイル張りの浴槽。所々温泉成分で傷んでいる様子が、ここの湯小屋の歴史を物語っています。旅館のお風呂って、内湯が一番古いことが多いですよね。

湯船は真ん中が板で仕切られています。「あつめ」と「ぬるめ」に分かれていますが、両方とも少し熱めかな。慣れてくるとちょうどいい温度です。

隅っこが寝湯になっていて、時間を忘れて湯浴みを楽しめます。シンプルだけどとても落ち着く雰囲気の大浴場でした。

このように、一度お湯を溜めてから湯船に流す構造になっていました。加水せずにお湯を冷ます。鮮度を落とさないための良い工夫だなと思いました。

大浴場のお湯は、かめや旅館独自の自家源泉を使っているそうです。渋温泉といえば、鉄分を多く含んだ茶色いお湯のイメージ。ここの自家源泉は無色透明の優しいお湯でした。

もちろん源泉掛け流し!すごいのが、旅館のたった地下7メートルのところから源泉が湧いているということ。地面を掘ればすぐお湯が出てしまう渋温泉、恐るべし。

お湯はなめらかな感じでお肌に良さそう。ほのかに硫黄の香りがする極上の湯でした。こういった泉質のお湯が楽しめる旅館として、かめや旅館は渋温泉の中で貴重な存在です。

貸切で楽しめる!渋の名湯を「庭園露天風呂」で

次に貸切の庭園露天風呂へ。お宿の中庭にある、一番広いお風呂です。

貸切なので内側から扉の鍵をかけて入ります。

手作り感のある岩風呂です。お湯はとても熱い!右側からアツアツの源泉が大量に注がれているので、左側の方が少し温度が低めでした。

こちらの源泉は、上流の地獄谷から引湯した「荒井河原の湯」を使用しているそう。鉄分が豊富で少し茶色く濁っています。渋温泉といえばこのお湯のイメージ!

横には先ほど入った大浴場の湯小屋が。この日は雪がパラパラと降っており、まさに“雪見露天”が楽しめました。

苔に覆われた石灯籠。庭園の中の露天風呂、ぜいたくです。

貸切でのんびりと。ぜいたくな「お座敷露天風呂」

まだまだあります!続いてはお座敷露天風呂。こちらも貸切です。

名前の通り、脱衣所がお座敷になっていて、窓の外に露天風呂があります。最近リニューアルしたようで、まだとても新しい。

木造の湯船にアツアツのお湯が満ちています。こちらも地獄谷から引湯した源泉を使っているのだそう。鉄の香りがするよく温まるお湯です。

湯口にある小さな鳥居が可愛らしい。貸切なのでゆっくりといつまでも入っていたくなります。

「亀甲風呂」に「家族風呂」も。個性豊かなお風呂

今回は入浴しませんでしたが、他にも貸切で入れるお風呂が2つあります。こちらも個性豊かなおもしろいお風呂。次回来たときは入ろう。

こちらは亀甲風呂。「かめや」という名に似合ったお風呂です。源泉は地獄谷からの引湯で、鉄の香りのする良泉です。他のお風呂に比べると小さめなので、お湯がより新鮮に感じられるかもしれませんね。

こちらは家族風呂。子どもでも入れるように浅めになっています。家族連れには喜ばれそうですね。鄙びたタイル張り浴槽も素晴らしいです。

鉄道模型も!こだわりを感じる館内

明治時代に開業した長い歴史のあるかめや旅館。何より温泉が魅力のお宿ですが、館内のレトロな雰囲気にも圧倒させられます。

所々におしゃれな飾りがあったり、高級感あふれる豪華さと家庭的な素朴さを併せ持つ、なんとも不思議な風情。

玄関のロビーには立派な鉄道模型が置いてありました。どうやら最寄りの湯田中駅と山ノ内町の模型っぽい。

こ、これはすごい!人まで作られている。

精巧すぎる、クオリティの高い模型でした。

《温泉データ》

【渋温泉 かめや旅館】

泉質:単純温泉、Na・Ca-塩化物・硫酸塩泉

泉温:49℃、55℃、82℃

加水:なし

加温:なし

還流:掛け流し

住所:下高井郡山ノ内町平穏2065

電話:0269-33-3585

料金:500円

営業時間:要問い合わせ

定休日:不定休

公式ページ:https://www.shibu-kameya.com/

5つのお風呂を館内で湯めぐりできる渋温泉「かめや旅館」。格安でお風呂を貸切にして楽しめる、渋温泉では珍しいお宿です。

日帰りでも気兼ねなく楽しめるのが魅力ですが、ここは信州を代表する温泉地、渋温泉に来たならば宿泊することをオススメします!

外湯めぐりに必要な“鍵”は旅館で借りられる(宿泊者限定)

9つある外湯は宿泊客しか入ることができませんし、夜の温泉街はノスタルジックな風情がたまりません。渋の温泉街で過ごす一夜は、きっと旅の良き思い出になるでしょう。

登録有形文化財の宿「金具屋」

信州を代表する人気温泉地の渋温泉。日帰りでも気軽に渋の名湯を楽しむことができました。

【連載】教えたいけど知られたくない!信州のスキマ温泉めぐり

長野県の温泉地数は224ヶ所、245ヶ所の北海道に次いで日本第2位!ちなみに温泉利用の公衆浴場数は、654ヶ所と日本一を誇っています。

信州の温泉地といえば野沢温泉や渋温泉、別所温泉や白骨温泉などが有名ですね。

この特集ではスキマメンバーの力路郎さんが、少し変わった温泉地をさまざまな視点からご紹介します。

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この記事を書いた人

力路郎

北信濃出身・大阪在住の大学生です。趣味は温泉めぐり。暇さえあれば全国の極上湯を求めて一人旅しています。現在300湯に入湯。山奥の湯治宿や鄙びた共同浴場に憧れます。