大町市|築130年の古民家「創舎 わちがい」で信州の郷土料理を食べる

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信濃大町駅は大町市観光の拠点で、ここから黒部ダムや北アルプス登山に向かうことができます。もちろん単に公共交通機関として利用するのもいいですが、せっかく駅に来たならその町ならではのグルメを楽しみたいですよね。

そこでおすすめなのが、駅から徒歩10分のところにある「創舎(そうしゃ) わちがい」です。こちらは大町商店街の一角にありますが、まず目を引くのが築130年の立派な建物です。さらに店内では信州の郷土料理を食べることもできます。

“おしゃれなお店”に目がない方や、その町ならではの“地物料理”が好きな方はぜひ御覧ください。

「創舎 わちがい」とは?

「創舎 わちがい」は地元の食を提供するお食事処兼カフェ・ギャラリーとして、2005年にオープンしました。「わちがい」とは、室町時代からこの大町の地に佇む大名の屋号からとったもの。明治時代からの家の造りをそのまま残し、飲食店として再出発しました。

大町市|築130年の古民家「創舎 わちがい」で信州の郷土料理を食べる
店名(正式名称)創舎 わちがい
所在地大町市上仲町4084
営業時間10:00〜16:00 (LO15:30)
定休日毎月第4月曜・毎週火曜日
公式HPhttps://www.wachigai.com/
駐車場お店から50mの共同駐車場に、わちがい専用駐車場(無料・4台)があります。

「創舎 わちがい」の最大の特徴はなんといっても築130年の立派な古民家であることです。商店街を歩いていると街中に突如現われますが、その趣に目を奪われます。

店内も元の家の造りをできるだけ活かしていて、とても良い雰囲気です。

大町市|築130年の古民家「創舎 わちがい」で信州の郷土料理を食べる
大町市|築130年の古民家「創舎 わちがい」で信州の郷土料理を食べる

中庭からは四季の移ろいも楽しめます。

大町市|築130年の古民家「創舎 わちがい」で信州の郷土料理を食べる

また店内の2階には2箇所のギャラリーがあり、写真の展示や衣服・小物の展示などを見ることができます。

お店のすぐ脇にある地下水「男清水」

お店の外には地下水が湧き出る水道があり、昔ながらの暮らしぶりが今なお守られていることが感じられます。大町商店街には街中にも関わらずいくつもの地下水スポットがあります。これは山から流れ出る湧水がとても豊富なことを意味しています。

大町市|築130年の古民家「創舎 わちがい」で信州の郷土料理を食べる

道路を挟んで東側は近くの里山から流れる軟水で「女清水」と呼ばれています。一方の西側は北アルプスから流れる硬水で「男清水」と呼ばれています。かつて東の集落では女の子ばかりが、西の集落では男の子ばかりが生まれていたため、この名前がつけられたそうです。

大町市|築130年の古民家「創舎 わちがい」で信州の郷土料理を食べる

道路を挟んでまったく違う味がする地下水の飲み比べをぜひお楽しみください。ちなみに筆者は商店街にある全ての地下水を飲み比べましたが、この「創舎 わちがい」の水が一番好みでした。

前菜に登場する「凍み大根」

「創舎 わちがい」の魅力はもちろん建物だけではありません。こちらでは手の込んだとても美味しい郷土料理を提供しています。

コース料理のような本格的な食事や、飲み物・デザートといったカフェ的な利用も可能です。いろいろな形で楽しめますが、初めてお店に来られた方には、ぜひ「わちがいざざ膳」をおすすめします。

大町市|築130年の古民家「創舎 わちがい」で信州の郷土料理を食べる

こちらは前菜3品に名物の「わちがい ざざ」がついたお膳です。他では食べられない地のものがたくさん使われていて「創舎 わちがい」の魅力がたくさん詰まっています。そこで本記事ではこちらのメニューをご紹介します。

大町市|築130年の古民家「創舎 わちがい」で信州の郷土料理を食べる

まず前菜の3品です。左から「凍み大根」「柿のジュレを添えたサラダ」「ゴマダレと地物のおぼろ豆腐」です。

「凍み大根」は、冬の寒さを利用してつくる保存食のひとつです。大根を屋外の寒風に当てて夜の寒さで凍らせ、昼の暖かさで溶かして、これを何度も繰り返して作ります。甘さが凝縮していて、生の大根とはまた違った優しい味わいになります。

サラダには柿のドレッシングをジュレ状に固めたものが添えられていて、お月さまのようで可愛らしいです。地の、できるだけ農薬や肥料を使わずに育てたお野菜は、力強くて味が濃く、素材本来の味が楽しめます。

お豆腐も地元の栗林豆腐店のおぼろ豆腐を使っています。豆の味がよく出ていてとても美味しいお豆腐です。

メインの「わちがい ざざ」とは?

手の込んだ前菜の次はメインの「わちがい ざざ」です。「わちがい ざざ」とは実はうどんのことでした。

大町市|築130年の古民家「創舎 わちがい」で信州の郷土料理を食べる

信州では昔、長い麺を総称して「長々(おさおさ)」と呼んでいました。その語源から、今でも「おざざ」「ざざ」と呼ばれているようです。

「わちがい ざざ」は「創舎 わちがい」のオリジナルのざざです。長野県産小麦を100%贅沢に使い、信濃大町の清らかな水で仕上げています。土地の土の良さと水の旨さがあってこそ味わえる、信濃大町ならではの一品です。

麺をすすると、優しい小麦の香りと、細さに反してものすごくコシのある喉越しの良い麺、それから水の旨さがにじみ出たような麺の味わいを楽しめます。今までに食べたことのない、新しいうどんの美味しさを発見しました。

デザートに「氷餅のドーナツ」もいただく

前菜とメインで大満足ですが、せっかく郷土料理を使ったデザートもあるので、そちらもいただくことに。それが「氷餅」のもちもちドーナツです。

大町市|築130年の古民家「創舎 わちがい」で信州の郷土料理を食べる

「氷餅」は、信州を中心に多くの家庭で作られている保存食です。ついたおもちを細長く切り、和紙に包んでワラやビニール紐で編み、2日から3日ほど水に浸した後、軒下につるして作られます。寒風にさらして凍った状態のままフリーズドライのように乾燥させることで、長期保存できるようになります。

その「氷餅」が練り込まれた生地から作られているのがこのドーナツです。食べてみると通常のドーナツにはない、ふわふわ、もちもちした食感を楽しめます。

前菜からメイン、そしてデザートにまで郷土料理や地物の食材を楽しめて、長野を少し深く知ることが出来たような気がしました。

「創舎 わちがい」のまとめ

「創舎 わちがい」で働いている方は、みなさん落ち着いた雰囲気の方たちで、接客もとても丁寧でした。建物の雰囲気と地物の食材、郷土料理、そして人の魅力と、地域の良さがギュッと詰まったお店です。

大町観光の際は、ぜひ魅力を味わいに訪れてみてください!

▼スキマのレストラン記事はこちら!

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この記事を書いた人

加古雄介

大学卒業後、金融系のIT企業に入社しシステム開発やオペレーション設計、新卒研修を経験。
卒業後は料理人に転身し、江戸前寿司職人、割烹料理の経験を積む。
現在は出張寿司をやりながら、ライティングの仕事に取り組む。
好きなことは健康でいること、サバイバルの準備をすること。