「千曲」が読めるあなたにも!千曲市にある地名の謎と難読地名を考える

「千曲」読めますか?

こんにちは、フリーライターの信州さーもん(@goshumemo)です。

 

突然ですが皆さん、長野県の地名「千曲」を読めますか?

 

 

長野県民の皆さんなら簡単ですね。

 

 

「ちくま」と読みます。

 

長野県の北部、長野市のすぐ南に位置する人口6万人ほどの千曲市。よく見ると不思議な地名が多くないですか?

更埴、杭瀬下、打沢、寂蒔、鋳物師屋・・読めない。

 

そもそも「チクマ」の由来は?意味は?考えれば考えるほど、不思議な地名だらけ。今回は、そんな千曲市の地名にまつわる謎についてご紹介。

ちなみに最後には、千曲市特集についてのお知らせもあります。お楽しみに!

 

千曲市は戸倉町、上山田町、更埴市が合併して生まれた

千曲市は平成の大合併により、平成15年に「戸倉町」「上山田町」「更埴市」が合併して生まれました。「千曲」の由来は後述するとして、まずはそれぞれの旧市町村についてご紹介します。

 

「戸倉」は「外倉科」を略したことに由来

旧戸倉町は昭和30年に戸倉町、更級村、五加村が合併してできた町。戸倉町には北国街道の上戸倉宿下戸倉宿があり、今も本陣跡が残っています。

「戸倉」の地名は、千曲市南部にある鏡台山の北側に「倉科村」があることから、南方を「外倉科」と呼んだことに由来しています。その後「科」をとって「外倉」、のちに「戸倉」と改めました。

おそらくもともとは「とくら」であったと推測できます。

 

上山田町は長野県でいちばん小さな町だった

上山田町は上山田村・新山村・力石村が合併してできた町。上山田町は、千曲市となるまで長野県でいちばん小さな町としても知られていたようです。今は小布施町ですかね。

 

更科+埴科=更埴!

更埴市は埴科郡更科を足した新地名。埴科(はにしな)郡とは長野市の一部、千曲市の一部と坂城町にありました。更科は、古くからこの地域を指す言葉として有名です。

 

千曲市は千曲川からとった新地名。では「千曲」の由来は?

千曲公園から望む千曲川

千曲川は、長野県東部の川上村を源流とする一級河川。全国的には信濃川として有名ですが、長野県内では千曲川と呼ばれています。その名から分かる通りくねくねと蛇行しているのも特徴ですが、もとから「千曲」の漢字が当てられていた訳ではありません。詳しく見ていきましょう。

文献を元に書いているものと、推測しながら書いているものがあります。「そんな地名もあるんだな」くらいに読んでいただけると嬉しいです。

 

千曲は当て字。他にも「筑摩」「血隈」「千熊」などがある

千曲は漢字のない時代からすでにその名が浸透しており、さまざまな漢字が当てはめられてきました。

千曲川源流の川上村では、こんな伝説が残っています。

 

大昔に高天ヶ原の神たちが戦い、その時流れた血によってできた川。血潮があたり一面に隈なく流れたので血隈川になった。

『長野「地理・地名・地図」の謎 意外と知らない“信州”の歴史を読み解く!』より引用

 

文献として初めて登場する万葉集では「筑摩の川」とされています。平家物語や我妻鏡では「筑摩河」、明月記には「ちくま河」と表記されています。

「千曲川」の表記で初めて登場した文献は江戸時代、須坂藩の家老を勤めた丸山家に残された「丸山家文書」だそう。

 

「チクマ」の由来1「チク」+「マ」

「チク」とは崖を表し、「マ」は袋状の湿地を表すことから「チクマ」と呼ばれた説が一つ目。

これは河岸段丘の様子を表しており、千曲川周辺の地形とも合致します。

 

「チクマ」の由来2「チ」+「クマ」

また「クマ」は曲流する場所を表すという説もあります。曲流する場所がたくさんあることから「チクマ」となったのでは、とのこと。

 

千曲市にある変わった地名

千曲市はたくさんの村が合併してできたため、変わった地名も多くあります。由来のわからない地名も少なくありませんが、わたしが面白いと思った地名をいくつかご紹介します。

 

寂蒔(じゃくまく)

寂しさを蒔くと書いて寂蒔。言葉自体は、ものさみしい状態を表します。

千曲駅の近くにある地名ですが、由来は調べても分かりませんでした。元は「寂蒔村」、日本中を探しても同じ地名は出てきません。

 

鋳物師屋(いもじや)

鋳物(いもの)とは、溶かした金属を型に流し込んで作った金属製品。鋳物師(いもじ)とは、朝廷から認可を受けた鋳物を扱う技師のことです。

鋳物師が集まって拠を構えた場所だったと推測できます。

 

打沢(うっさわ)

千曲駅と屋代駅の中間に位置する「打沢」。

発しやすさから言葉の間に「ん」や「っ」を入れる地名は少なくありません。由来は不明ですが、「沢を打つ」ニュアンスから次の杭瀬下にも関係しているのでは?と考えました。

 

杭瀬下(くいせけ)

杭瀬下は一見読みにくいかと思いますが、読んで字のごとく瀬に杭を打った場所、「水害のために杭を打った水防施設」から由来しています。河瀬に杭を打って水害を防いだそうですが、杭瀬下は千曲川の浸水想定区域に指定されている程の水害常襲区域。

元は「杭瀬下村」でした。当時の人々が苦労した様子も、地名から伺い知ることができます。

 

高見町

もうひとつ、千曲市在住の方から聞いた水害関係の地名をご紹介します。

屋代駅近くにある高見町。これは水害の時でも被害が少なく「高みの見物」をしていたことからついた地名だそうです。文献などは確認していないので確証はありませんが・・!

 

参考文献

松崎岩夫「長野県の地名」信濃古代文化研究所

長野「地理・地名・地図」の謎 意外と知らない“信州”の歴史を読み解く!

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角川日本地名大辞典

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地名から千曲市を知ろう!特集も始まるよ

千曲市について、地名だけ見てもさまざまなことが読み取れました。地名をきっかけに、その地域にも興味を持てれば楽しいですね。

千曲市特集始まりました!

 

千曲市の歴史から観光スポット、千曲市を代表するあの高校まで!さまざまな視点で千曲市を取り上げていく予定。

 

 

地名の謎シリーズもやってます

信州の地名は、古いもので縄文時代まで由来がさかのぼるといいます。どの地名をとっても「なぜ?」と投げかけるだけで歴史や文化、地形などを読み解けるまさに宝箱!

 

地名の謎シリーズでは、信州に隠された地名の由来を考察し、できれば実際に赴いて検証していきます。

 

 

 


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