こんなときこそ、地域にエールを送りたい!松本ブルワリー社長が限定ビールにこめた想いとは

「あなたにAle(エール)を! 地域に潤いを!」というコンセプトのもと、2016年に松本市で誕生した、松本ブルワリー。2018年より自社醸造所も本格稼働し、市内や県内に留まらず、全国各地に着実にファンを増やしてきました。

かくいう私も、松本ブルワリーのファンのひとりです。自己紹介が遅れてしまいました。お酒のなかでビールが一番好きな(しかも、ラガーよりエール)、ライターの松元麻希と申します!

奈良井川沿いに建つ、松本ブルワリーの自社工場。コロナ禍が落ち着いたら、工場内でのイベントも開催予定とのこと。(写真提供:松本ブルワリー)

私が感じている松本ブルワリーの魅力は、定番商品から限定商品に至るまで個性的で多様な味わいのビールを楽しめること、北アルプス由来の清らかな水で仕込んだビールという山麓ならではのストーリーがあること、そしてなにより、地域やビール愛好家への「愛」に溢れていることです。

そもそも、このビールが生まれた背景には、2014年より国宝・松本城で開催されている「クラフトビールフェスティバルin松本(通称:ビアフェス信州)」があります。当時はまだ、松本産のビールがありませんでした。そこでビアフェス信州の開催を企画したメンバーの間で、「ないなら作ろう!」と機運が高まり、松本ブルワリーの立ち上げへと繋がりました。

おいしいビールで地域の人々を元気にしたい。創業当初から続くその想いは、コロナ禍に突入した今だからこそより一層、熱く深く、松本ブルワリーのビール作りに込められているのです。

ビアフェス信州にて、乾杯の音頭をとる松本ブルワリーの林社長。「メインバー コート」「オールドロック」のオーナーでもあり、お酒の力で松本の人々の元気を生み出している。(写真提供:松本ブルワリー)
2019年に松本城で行われたビアフェス信州の様子。会場には、イベント専用のグラスを持ち、ビールを飲みながら笑顔で行き交う人々で溢れていた。再開を願うばかり!(写真提供:松本ブルワリー)

販売から3・4日でほぼ完売! 限定販売「ハットトリックIPA」

ハットトリックIPAのラベルは、地元のサッカーチームのチームカラーと同じ色に。

ということで前置きが長くなってしまいましたが、地域や人々へのエールをひしひしと感じられる松本ブルワリーのビールについて、ここでご紹介したいと思います!

それが、松本市民には馴染みが深すぎる緑色のラベルを纏った「ハットトリックIPA」です。5月28日に販売を開始したこちらのビール、なんと当日には半数以上が売れて、3、4日もしないうちに工場出荷分が完売になってしまったそうです!(直営店や酒販店などの在庫が終わり次第終了)

ハットトリックとはご存じのとおり、サッカーの試合で1人の選手が3点以上の得点を挙げること。まさにこのビールも、ハットトリックと同等の快挙を成し遂げたといっても過言ではないでしょう。

ワイングラスに入れて飲めば、ヘイジーIPAならではの豊かな香りをより楽しめる。

このビールは、クラフトビールで今最も人気の高い「ヘイジーIPA」というスタイルで作られています。IPAといえば、ホップを大量に使っているため、香りと苦味が強いイメージですが、ヘイジーIPAは、通常のIPAよりも飲み口がやわらかくてジューシーなのが特徴です。

ハットトリックIPAには、メインホップとして「モザイク」をたっぷりと使い、さらに柑橘のなかにトロピカルな風味を感じられる「サブロ」というホップも投入しているそう。また無濾過で仕上げられているため、上の写真のように濁りのある見た目になっています。

実際に飲んでみたところ、たしかに飲み口はスムースで、かつ飲んだ直後にインパクト大なホップの香りが飛び込んできて、最後にビールならではの心地よい苦味が口に広がるという、エキサイティングな味わいでした!

ハットトリックIPAの売り場に飾られている、林社長の熱いメッセージ!

「モルトもホップも大量に使用したために、まったくの採算度外視のビールとなってしまい、社内での風当りも強くなってしまいましたが、私たちの誇りである地域の勇者達、そして応援をされている方々への活力(勝力)につながる、そんなビールになれば最高に嬉しいです」

店頭には、松本ブルワリー社長の林幸一さんによるこのような熱いメッセージとともに、ハットトリックIPAが並べられていました。このビールの登場が、緑色を纏う地域の勇者達、そしてコロナ禍に立ち向かうすべての人々に元気を与えたことは間違いありません。

2021年の夏は、どんなビールが販売される予定?

林社長に聞くところによると、さっそく夏に向けた限定ビールを仕込んでいるところだそうです。ちょうど一年前、全国的に外出自粛を余儀なくされていたころ、松本ブルワリーは「STAY HOME Takunomi Session IPA」という限定ビールを販売し好評を得ていましたが、今年のビールやいかに?

「7月からは、アルコール度数が控えめのライトラガーやのど越しのよいピルスナーなどを販売予定です。とくにライトラガーは、山の上で飲んでほしいという思いも込めて作りました。上高地など標高が高い場所では酔いが回りやすいですから。最高のロケーションのなかで、ライトラガーをゴクゴクと飲んでいただけたら嬉しいですね。無濾過なので、喉越しとともに、酵母の旨味も楽しんでもらえるはずです」

常念岳をバックに。鮮やかなラベルが、フィールドに映える。左から、松本ペールエール、セッションIPA、マツモト・オーサム!ペールエール、マツモト・トラディッショナルビター、マツモト・キャッスルスタウト。(写真提供:松本ブルワリー)
標高1500mにある上高地。北アルプス登山のベースとして、または避暑地として毎年多くの人が訪れる。

松本ブルワリーのビール作りでは、「誰と」「何を」飲むかも大切だけど「どこで」飲むかというシチュエーションも大切にしていると、林社長から伺いました。その時々の時勢に合わせて臨機応変に商品開発ができるのは、クラフトビールならではの強みですね。

「緊急事態宣言下、お酒が提供できない、お得意様である飲食店様に出荷ができない今の状況は、私たちビールメーカーにとっても大きな打撃ですので、正直なところ厳しい状況にあります。そのなかでも前向きに取り組みながら、地域の人々に元気を与えられるようなビールを作っていきたいです」

松本市内には、直営のタップルームが2店舗ある。樽出しで飲むクラフトビールの味わいもまた格別だ。(写真提供:松本ブルワリー)

この夏は密を避けた山の上で、腰に手を当てて、松本ブルワリーの喉越しのよいビールをグビグビっと飲み干し、元気を注入していきましょう!

松本ブルワリーのオンラインショップ
https://matsu-brew.com/lineup/




この記事を書いた人

松元麻希

昭和生まれ、平成育ち。スキー好きが高じて、2017年に千葉から松本へ移住。2019年秋からは伊那に移住し、地域おこし協力隊として活動中。スキーのほか、音楽と新鮮野菜とパンをこよなく愛する。