上伊那エリアで遺跡めぐりをしていると、養命酒の駒ヶ根工場がおすすめだという話を聞きました。
工場の中で遺跡めぐりができるってどういうこと?と思って行ってみると、お散歩にちょうど良い距離で縄文、弥生、平安の遺跡を見学することができましたよ。
工場見学は要予約ですが、遺跡見学なら予約などは不要。お気軽に訪ねてみてくださいね。
養命酒駒ヶ根工場へのアクセスと基本情報
- 所在地:長野県駒ヶ根市赤穂16410
- 公式HP:https://www.yomeishu.co.jp/
なぜ養命酒駒ヶ根工場の中に古代の遺跡があるの?
養命酒駒ヶ根工場内遺跡は、1971(昭和46)年に養命酒駒ヶ根工場が新設される前年に発見されました。建設にあたり本格的な調査が開始され、1ヶ月間で約3万平方キロメートルの発掘が行われます。
その結果、工場の敷地内には縄文、弥生、古墳、平安と原始から古代にかけての住居跡や土器類などが数多く発見されました。工場内では出土品の一部を展示しているほか、各時代の住居が構内に復元されています。
駒ヶ根工場のあるエリアは豊富な水と森による食糧の確保ができたことや、中央アルプスと南アルプスに囲まれ祭礼や呪術などの儀式を行う上で好適な場所であったことが大きな理由であると考えられています。
縄文時代中期住居
こちらは今から約4000年前、縄文時代中期の住居を再現したもの。竪穴式住居とも呼ばれ、地面を少し掘り下げ、その中に太い木で数本の柱を立て、これに梁(はり)や桁(けた)をわたし、地面まで垂木(たるき)をつけて屋根をかやなどでふいています。
弥生時代住居
弥生式住居は今から役1,900年前、弥生時代後期のもの。屋根の造りがかなり豪華になっていますね。建築の様式は原始入母屋(いりもや)造り。4本の柱の上に手斧で四角に削った梁と桁をわたし、その上に垂木をかけています。
平安初期住居
最後に平安式住居、こちらは約1,200年前の平安時代初期のものです。中央の豪族たちの住まいは高床式が多くなっていますが、地方の庶民たちは相変わらず竪穴式で暮らしています。
この時代になると竪穴式が全国的に似た構造になっており、文化の交流がかなり活発になっていることがうかがえます。方形の竪穴とその対角線上に4本の支柱があり、北または東の壁中央にかまどと煙突(煙抜きの穴)を設け、そのかたわらに食糧貯蔵用の穴があるのが特徴です。
養命酒駒ヶ根工場で「古代遺跡めぐり」まとめ
訪れたのは3月で味気ない風景ですが、小川のせせらぎが聞こえる気持ちの良い場所でした。緑の季節に行けばもっと爽やかだと思います。
工場見学のついででも、お散歩ついででも、ちょっとした散策になりますよ。駒ヶ根を含む上伊那エリアには遺跡が多いものの、こうして復元された住居を一挙に見学できる場所は貴重です。ぜひ足を運んでみてくださいね。
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