代官所の空間を体感する「飯島陣屋」で江戸‐明治の“暮らしと役所”をたどる

飯島町歴史民俗資料館・飯島陣屋|飯島町

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長野県上伊那郡に位置する飯島町。中央アルプスと南アルプスに挟まれたこの地には、江戸時代から明治初期にかけて幕府直轄領(天領)を治めた代官所の姿を今に伝える史跡があります。

それが「飯島陣屋」。その建物を復元・公開している「飯島町歴史民俗資料館・飯島陣屋」では、かつての役所の空間をそのまま体験でき、地域の歴史文化にぐっと近づける場所です。

この記事では、飯島陣屋の歴史と見どころをご紹介します。

飯島陣屋とは/歴史的背景

飯島町歴史民俗資料館・飯島陣屋|飯島町

飯島陣屋は、1677年(延宝5年)に幕府が伊那谷の天領を統治するために設けた代官所であり、代官・手代らが年貢の徴収や裁判・領内監察を担っていました。

その後、明治維新を経て明治時代には「伊那県庁」が置かれた歴史的な場でもあります。

現在の建物は、発掘調査や古文書をもとに1994年(平成6年)に復元され、資料館として公開されています。

こうした背景から、飯島陣屋はただの史跡ではなく、地域の統治/行政の実像を今に伝える貴重な施設です。

資料館としての役割と展示内容

飯島町歴史民俗資料館・飯島陣屋|飯島町

資料館では、江戸期から明治期にかけての飯島町・伊那谷地域の歴史・民俗資料を展示しています。例えば、代官の役所で用いられた帳簿・鑑札・布令書、通用銭札などが紹介されています。

飯島町歴史民俗資料館・飯島陣屋|飯島町
飯島町歴史民俗資料館・飯島陣屋|飯島町

建物内部も見どころで、書院、湯殿、囲炉裏のある座敷、御膳間などが再現されており、来館者は「代官気分」でその空間に入り込むことができます。また、手に触れて体験できる展示もあり、子どもから大人まで楽しみながら学べる施設となっています。

飯島町歴史民俗資料館・飯島陣屋|飯島町

罪人を捌いた「白州(しらす)」では、ギザギザの木板に拷問用の重石が置かれており、珍しい“罪人体験”をすることができます。ひどければ2度と歩けなくなる人もいる辛い拷問、やっていない罪も認めてしまいそうだなあと実感しました。

見どころ&体験ポイント

飯島町歴史民俗資料館・飯島陣屋|飯島町
  • 代官席体験:復元された御膳間に座ってみると、約300年前の“お上”の視点を体験できます。
  • 囲炉裏と暮らしの再現:囲炉裏端での空気感や、手元の道具から日常の営みを感じることができます。
  • 帳簿・鑑札の展示:実際に代官所で使われた帳簿や鑑札をじっくり見比べることで、当時の統治・監察の実態が伝わってきます。
  • 地域とのつながり:この陣屋は、村々にとって年貢の徴収や治安維持の拠点であった一方、村人の暮らしや社会を支える役割も担っていました。

アクセス・利用案内

所在地:長野県上伊那郡飯島町飯島2309-1
開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日・祝日の翌日・冬季(12月15日〜3月14日頃)
入館料:一般300円(団体20名以上250円)/高校生・18歳以下無料(※制度変更あり)
アクセス:

  • 車:中央自動車道 駒ヶ根ICから約10km・約15分/松川ICから同様
  • 電車:JR飯田線 飯島駅下車 タクシーで約5分
  • 駐車場:普通車50台・大型車1台

まとめ|代官所の空間を体感する―飯島陣屋で江戸‐明治の“暮らしと役所”をたどる

飯島町歴史民俗資料館・飯島陣屋|飯島町

飯島町歴史民俗資料館・飯島陣屋は、江戸期天領の拠点、明治期県庁、そして現代の郷土資料館という“時代をまたいだ”場所です。建物の復元された空間に足を踏み入れ、帳簿や道具を手にしながら、人々の暮らしや行政の実務に思いを馳せる体験は格別です。

松本・上伊那エリアを訪れる際には、ぜひ立ち寄って「代官所」の雰囲気を味わってみてください。歴史好きはもちろん、家族連れや教育旅行でもおすすめのスポットです。

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この記事を書いた人

信州さーもん

スキマな観光ライター。長野県内外、国外を旅します。長野県観光WEBメディア「Skima信州(http://skima-shinshu.com )」代表。道祖神宿場街道滝ダムため池棚田神社仏閣好きな平成生まれの魚。浅い知識を浅いままに増やしています。企画・アイディアを出すのが得意。たぶん。