安曇野市旧三郷村、春の景勝地「拾ヶ堰(じっかせぎ)じてんしゃひろば」についてご紹介します。
拾ヶ堰は江戸時代後期に作られた、安曇野でもっとも大きな農業用水路です。世界かんがい施設遺産、日本農林水産省の「疏水百選」にも選ばれている歴史ある遺産。
春になると雪解けを始めた北アルプスをバックに、拾ヶ堰を桜並木と芝桜が美しく彩ります。地元の方々は散歩やウォーキングに来られ、市外・県外からは撮影に訪れる方も少なくありません。
そんな拾ヶ堰の桜や歴史を簡単にご紹介します!
拾ヶ堰じてんしゃひろばへの行き方とアクセス
パンフレットや公式HPには「拾ヶ堰(じっかせぎ)」の名前で掲載されることの多いこの場所ですが、Google マップでその通りに調べると別の場所へ案内されるので注意。
「じてんしゃひろば」で調べると一発でたどり着けます。
最寄の豊科駅からは徒歩12分ほど。
北アルプス+桜+芝桜+世界かんがい遺産!
約15km続く拾ヶ堰ですが、もっとも有名なのは「じてんしゃひろば」からの景色。特に春には桜並木と芝桜が彩りを見せ、安曇野におけるランドマークのひとつになっています。
真正面に見える山は、常念岳を中心とする北アルプス。用水路が常念岳に続いているかのようなロケーション。当時の人々は、そんなことも計算しながら作ったのでしょうか?
芝桜と桜の見ごろは4月中旬〜下旬
拾ヶ堰に沿って広範囲に咲く桜と、もうひとつの魅力は芝桜。桜に負けず劣らずに存在感を放っています。
見ごろは例年4月中旬〜下旬。平日、休日問わず混み合うのでご注意を。
【世界かんがい施設遺産】拾ヶ堰の歴史と意味
安曇野地域は水源が乏しく、さらに扇状地であったために水がはけやすく、水田を作ることが困難だったそうです。そこで周辺の村々が協力し、たくさんの堰がつくられました。拾ヶ堰はその中でも最大の堰であり、完成当時10ヶ村を潤していたことから「拾ヶ堰」と名付けられました。
水源は木曽・奈良井川。従来の傾斜に沿って流す「縦堰」に対して、拾ヶ堰は等高線上に沿ってほぼ平に流す「横堰」という新しい発想で造られています。15kmにわたる横堰ですが、取水口と終点の烏川との標高差はわずか5m。
世界かんがい施設遺産に認定された理由は、じてんしゃひろばの看板に記されていたので一部引用します。
精密で先進的な設計と高度な技術を用いて、大勢の地域住民の力により造られたこと、また、200年にわたり、水利組合により組織的な維持管理がなされ、地域経済の発展に大きく貢献したことが評価されました。
じてんしゃひろばの看板より一部引用
【安曇野】拾ヶ堰じてんしゃひろばの桜と芝桜の撮影スポットガイド
安曇野市の景勝地にして世界かんがい施設遺産でもある「拾ヶ堰」をご紹介しました。ただ歩いたり走ったりするだけでなく、農業遺産の視点から学ぶのも面白いですね。
春に訪れたい信州のスポットは「季節でさがす(春)」でもご紹介しています!
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