立ち入り禁止エリアを歩く旅!信越本線「廃線ウォーク」の魅力を体験|横川-軽井沢間11.2km

横川〜軽井沢11.2km完全踏破!信越本線「廃線ウォーク」体験

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1997年に廃線となった信越本線、横川〜軽井沢間。

両駅を隔てる「碓氷峠(うすいとうげ)」の山中には線路や橋、トンネルが現役当時のままの姿で残されています。

現在は一般人の立ち入りが禁止されているエリアですが、実は地元ガイドさんの案内付きで線路の上を歩くイベント「廃線ウォーク」が開催されているのです。

今回はそんな「廃線ウォーク」に参加してきた様子や、個人的に感じた魅力と注意点などをご紹介します。

廃線ウォークの舞台は横軽「碓氷峠」

横川〜軽井沢11.2km完全踏破!信越本線「廃線ウォーク」体験

信越本線は1997年に長野新幹線開業と同時に「JRとして存続」「しなの鉄道に移管」「廃止」の対応がなされた路線です。

このうち廃止となったのは群馬県と長野県の県境にまたがる「碓氷峠」を越える11.2kmの区間。「碓氷線」とも呼ばれ、標高差はなんと553mもあります。開通から104年にわたって人々の往来を支えました。

信越本線横川〜軽井沢間で活躍していたEF63形電気機関車。

急な坂道でも安全に上り下りできるよう電車の横川方に2両連結。強力なモーターと特殊なブレーキを装備し、横軽専用の補助機関車「峠のシェルパ」として活躍しました。現在一部の車両が「軽井沢駅構内」「碓氷峠鉄道文化むら」などで保存されています。

▼信越本線の歴史についてはこちらの記事で詳しく紹介!

イベント「廃線ウォーク」でのみ立ち入りが許される「碓氷新線」

2018年から定期開催されるようになった廃線ウォーク。

1893年〜1963年まで使われた「旧線」は橋やトンネルの多くが国の重要文化財に指定され、横川駅から旧熊ノ平駅までの約6kmが遊歩道「アプトの道」として常時開放されています。

今はなき「信越本線」とは?!おすすめ廃線スポットもご紹介
新線の区間はイベント時以外立ち入りが禁止されています。

一方廃線ウォークでは1963年〜1997年の運行最終日まで使われた「新線」を歩きます。その醍醐味はなんといっても横川〜軽井沢まで現存する線路を全て歩くことができるという点。新線は遊歩道として整備されておらず、イベント当日以外は立ち入り禁止。廃線ウォークに参加しなければ「横軽全区間」を歩くことはできないのです。

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「廃線ウォーク」当日の流れは以下の通り。ちなみにわたしはどちらも参加しました。

下り線踏破:横川〜軽井沢(山登りのコース)

09:00 安中市観光機構にて受付開始
11:10 出発
12:10 峠の湯到着(昼食休憩)
13:10 峠の湯出発
15:00 旧熊ノ平駅到着(休憩と映像鑑賞)
15:15 旧熊ノ平駅出発
17:00 軽井沢到着・解散

上り線踏破:軽井沢〜横川(山下りのコース)

08:45 軽井沢駅北口にて受付開始
09:00 出発
09:30 上り線11号トンネル付近より線路入線
12:30 旧熊ノ平駅到着(昼食休憩)
13:20 旧熊ノ平駅出発
15:00 峠の湯到着・解散

峠の湯から横川駅へは解散後徒歩45分歩くか、峠の湯の送迎バスに乗ります。

自然の中に埋もれた鉄道遺構が幻想的。いざ横軽11.2kmを完全踏破!

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スタート直後でまだ元気いっぱいな筆者友人。

さてここからは「廃線ウォークに興味がある」「これから参加したい」と考えている方のために、見どころや注意点などをふまえながら筆者が実際に歩いて感じたこと、目にした景色の一部をご紹介します。

横川〜軽井沢11.2km完全踏破!信越本線「廃線ウォーク」体験
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イベント当日は体温調節ができる山歩きの服装で!運動靴や登山靴が良いでしょう。トンネル内は多少埃が舞うこともあるのでマスクがあると良いです。タオルや雨具、飲み物の準備をお忘れなく。
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横川駅から峠の湯までの約3kmは新線と旧線共通の区間で遊歩道になっています。線路を残して舗装されているので歩きやすいです。これぞ廃線!という感じがしますね。

春〜秋はヤマビルに要注意!

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そして特に気をつけなければならないのが「ヤマビル」。ヒル生息ポイントではウインドブレーカーを着用して首周りを守りましょう。ガイドさんも常に声をかけてくれていて適宜「ヒルチェック」の時間が設けられています。靴下を2重に履いたり、登山用ゲイターを履いている方もいました。

ちなみに筆者は無謀にもくるぶしソックスにスニーカーで参加。残念ながら靴の中で血を吸われてしまいました…。絆創膏や消毒薬は休憩時に渡してもらえますが、ヒルに噛まれるとなかなか血が止まりません。自分で用意しておくと応急処置ができて安心です。

廃線の遺構と自然化した風景に目を澄ませる

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鳥のさえずり、川のせせらぎ。使われなくなった信号機や電柱が自然の中に埋もれていく様子を見ながら、機関車や電車が行き交っていたころを想像してみました。

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甲高い汽笛、線路を通過する列車の音がパタリと止んで四半世紀。

静寂の空間に取り残された鉄道遺構に触れていると、ここを通った多くの人々の思いが確かにそこにあったことを実感します。

横川〜軽井沢11.2km完全踏破!信越本線「廃線ウォーク」体験
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苔むした線路や枝葉を伸ばした木々が美しい。
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いたるところに残る鉄道標識や保安装置。
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時折、植物が生い茂るエリアがありますので足元に気をつけましょう。
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タイミングが合えばサルやイノシシなど野生動物との出会いも?!
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新碓氷川橋梁からみた「めがね橋」。現役時代は車窓から見えたこの景色も今では廃線ウォークに参加しないと見られません。

お昼ご飯は「峠の釜めし おぎのや」の限定弁当!

横川〜軽井沢11.2km完全踏破!信越本線「廃線ウォーク」体験
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通常の釜(左)廃線ウォーク限定の釜と包装紙(右)。

お昼休憩は峠の釜めし!

廃線ウォークでいただく釜めしは朱色に塗られた限定仕様です。現役当時は補助機関車EF63の増結・切り離しで停車する数分間を利用して駅のホームで販売。現在では横川・軽井沢駅はもちろん、高速道路のSAや東京駅でも買うことができます。

トンネル内でまさかの映像鑑賞!

横川〜軽井沢11.2km完全踏破!信越本線「廃線ウォーク」体験
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トンネルの中ではなんと信号機が点灯!現役当時の面影を運転士さん目線で感じることができるのは廃線ウォークならでは。

横川〜軽井沢11.2km完全踏破!信越本線「廃線ウォーク」体験
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イベント後半では、信越本線の現役時代を知る方へのインタビューを収録した映像鑑賞。トンネルの暗さを利用して、プロジェクターで映像を映し出していました。物語を紡いできた元運転士さんたちのお話を聞いていると、廃線を残していきたい関係者の気持ちにより一層共感します。

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イベント中は何度か小休憩を挟みますので体力に自信がないという方も安心してください。ヤマビルチェックや撮影タイムの合間にしっかり水分補給しましょう。
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まるで冒険家になった気分。小学生から年配の方まで参加者は幅広い。
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青信号を点灯させているところが軽井沢のゴール地点。霧がかかり、幻想的な1枚が撮れました。

参加の申込みは公式Webページ「あんとりっぷ」で検索!

横川〜軽井沢11.2km完全踏破!信越本線「廃線ウォーク」体験

安中市観光機構主催の目玉イベント「廃線ウォーク」をご紹介しました。

鉄道が好きな人はもちろん山登りが好きな人、古い建物や歴史好きな人にもうってつけだと思います。104年の鉄道の歴史が刻まれた鉄道の街「横川・軽井沢」に是非足を運んでみてください!

廃線ウォークに参加するには、安中市観光機構のHPにアクセスし「体験する」をクリックしましょう。

URL:https://www.antrip.jp/

横川〜軽井沢11.2km完全踏破!信越本線「廃線ウォーク」体験
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参加費用は1コースあたり7,700円。参加したいコース・日付を選んで申し込みが完了すると詳細メールと共に予約票が送られてきます。

横川〜軽井沢11.2km完全踏破!信越本線「廃線ウォーク」体験
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安全のためヘルメットとライトが必要。当日貸出しを行っています(ヘルメットは300円・ライトは500円)が、自転車用のヘルメットやLEDライトを持ち込んで参加することも可能です。

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この記事を書いた人

おぼぼ

東京生まれの柏育ち30代。元々縁もゆかりもなかった長野の人々や歴史、文化に触れて長野の魅力に取り憑かれる。何度か足を運ぶうちにひょんなことからSkima信州で記事を書く事に。大の山好きで趣味は写真、温泉巡り、車いじり、ロードバイク、スノボーなど。