先日、ご縁あって長野市大岡を案内していただきました。曰く、長野市大岡は「信州の秘境」。今回はそんな秘境の中にある秘境、樋知大神社をご紹介します。
長野市ではありますが、合併した大岡は長野市街地から車で1時間とかなり遠方。松本と長野をつなぐ19号線沿いをひたすら進むか、最寄りの麻績インターから30分ほどで大岡地区に着きます。
樋知大神社(ひじりだいじんじゃ)のアクセスと基本情報
ご祭神 | 水波の命(みくもりのみこと)、倉稲魂の命(うがのみたまのみこと) |
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社格など | 旧村社 |
所在地 | 長野市大岡丙5405-2 |
電話番号 | |
駐車場 | あり(道向かいのスペースに停める) |
拝観料 | なし |
公式ページ | なし |
霊峰聖山麓の中腹に鎮座し全山が新世代の火山で山林原野である。 社伝によれば亀山天皇の御代に合祀され往古は高梄の山と称し神社の称号は松代藩の佐久間象山と素緑で聖神社を水別の令により樋を水路、民のくらしを治め司る大神の由で改され峰からは豊富な八峰源水で実に48口の源で水路の流末は思恵によくし実に37ヶ村にも及んでいる。 お種池(田苗池)の清水は常時9℃で叢祠の周りの水を濁すと滋雨が降ることで安曇野筑摩川中平から参拝に雨乞いの神事を行っている。 参道には樹齢350年の杉、樅の木106本が鎮守の森である。
長野県神社庁より
樋知大神社は秘境のパワースポット
「ここはパワースポットだ、と来たみなさん言うんですよ。僕なんかもう見慣れちゃいましたけどね」
「分かります!いや〜なんというか、空気が違う・・すごい。」
私は「パワースポット」という言葉を多用するのが好きではありません。おそらく今まで使ったことなかったのではないかな。それでもここは「秘境のパワースポット」だと感じました。
どう表現して良いのか分からないので行っていただくのが早いのですが、それでは記事の意味がないので写真とともにどうにか魅力をお伝えできればと思います。
涼しい湿気に包まれ、背の高い木々が大きな日陰をつくる参道。周りは溢れるように湧く水たちがいくつも小川をなしています。
この日の気温は33度。猛暑の中、境内だけは少しひやっとするほど体感温度が異なります。
大好きな苔もいたるところに。
社殿の裏に、まるでご神体のように構える古木。
社殿の中は空っぽだったので、もしかしたらこの木は特別なものだったのかもしれません。
お種池ではかつて雨乞いをしていた
ブナ林のくぼみにできた湧き水の池。
お種池は、雨乞いをするために祀られました。昔の人々はこの池を故意に濁して神さまを怒らせ、雨を降らせようとしたのだそうです。
「私が神さまならそもそも池の水を濁らせたくらいじゃ怒らないし、怒ったら雨は意地でも降らせない」
と思ったのはないしょ。
お水はとても澄んでいて、イワナが何匹も泳いでいます。写真の真ん中にいるけど、ちょっと見にくいかな。
温度は常に9度前後。透明すぎて底がそのまま透けているし、周りの草木が反射して池がごちゃごちゃしているように見えます。
「樋知」は「聖」、そして「日知」
どうしても気になるのがその社名の由来。大岡地区の母なる山、聖(ひじり)山に由来しているのはまちがいないでしょう。
「聖」とは「聖者」「神」「天皇」などを表すときにも使われる一方、徳の高い一部の「修験者」や「行者」を表す場合もあります。もともと「ひじり」とは「日知」、すなわち太陽や暦法に通じた人を表す言葉であったと言われています。
当神社の樋知についてですが、「樋」とは「雨樋(あまどい)」などにも当てられるように、水を流すための管や水などを意味します。当時から雨乞いをするなど水に深い関係を持つ樋知大神社をよく表していると思います。
向かいの高峰寺とは真向かいにある
道向かいに聖山 高峰寺の庫裏(?)があります。
これは高峰寺から撮影したもの。直線上に神社とお寺が向かい合う不思議なこの光景は、神仏習合の名残だそう。たいへん山奥にあったため、その後の廃仏毀釈を逃れ昔の姿をとどめているとのこと。
高峰寺。本堂はこの背後にある山のてっぺんにありますが、今回は時間がないので次回におあずけ。
長野の撮影スポットとしてもおすすめ!
後日、学生フォトグラファーのShiokohさんに撮影してもらいました。
今回撮影してもらった写真たち。
カメラマンにもおすすめな長野の秘境、おすすめです!
心のデトックスは秘境の神社でどうぞ
キャッチコピーをつければそのままCMやポスターになりそうな樋知大神社とお種池。「特にこれを売りにしようとは思っていないんです。自慢みたいになっちゃうでしょ」なんて言われたけれど、趣味のサイトなので好きに書かせていただきました。
疲れた時、どこか出かけたい時、ひとりでひまな時、秘境の神社で心のデトックスはいかがでしょうか?
ランチは近くのカフェテラス・モモでどうぞ!