信州の野湯特集|自然と一体化したマニアック極上温泉7選

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こんにちは、温泉マニア大学生の力路郎(@OfAdriatic10)です。

温泉マニアの中にも様々なジャンルがありますね。秘湯マニア、露天風呂マニア、共同浴場マニア、混浴マニア・・・野湯マニア、なんてのもあります。

野湯のゆ)とは?

「湧出した温泉が人の手に触れず垂れ流しになっているもの」

川と一体化した温泉、海辺に湧いている温泉、ほったらかしにされた温泉、火山地帯に流れる温泉など、さまざまです。人の手に触れてないので鮮度は抜群。自然の中にほったらかしにされた温泉に浸かるのは、この上ない贅沢です。

そんな魅力に惹かれて、野湯の世界に引き込まれるマニアの方もちらほら。ここでは、これまでに僕が訪れたことのある、マニアックな長野県の野湯をご紹介します。

僕が選んだ信州のオススメ温泉はこちら!

塩生乙鉱泉

長野市の山間部、小田切地区に湧く鉱泉。湧出地の地名から、塩生乙(しょうぶおつ)鉱泉と呼ばれているそうです。岩肌から湧き出た鉱泉は白濁しており、真っ黒に濁っている時もあります。舐めてみると強烈な硫黄臭。立派な硫黄鉱泉です。

遠くから見るとこんな感じ。道路沿いにあるので周囲からはまる見えです。中にはこのバスタブに浸かっていく人もいるとか、いないとか。目の前には静かに犀川が流れており、ここに露天風呂を作ったらいいのになあ、と思ったりもします。

鉱泉の近くには裾花凝灰岩が。白く美しい凝灰岩に小さな松の木が植わっています。隠れ景勝地ですね。

切明温泉

日本の秘境100選にも選ばれている秋山郷、その最奥に切明温泉はあります。秋山郷の観光スポットは秋山郷で温泉と紅葉を楽しむスキマ旅。をご覧ください!

ここの名物はなんと言っても、川原から湧き出る温泉!信州の野湯と言えばココ!と言う方も多いでしょう。

錆びた吊り橋を渡って川原に下ります。

橋から見た景色。この川は中津川といい、源流は群馬県の野反湖にあります。

駐車場から歩いて5分ほどで川原に下りられます。それほど険しい道ではなかったので安心。透き通る綺麗な水。うれしくなります。しかし、触ってみると…あたたかい!川底からプクプクと高温の温泉が湧き出ています。

こちらは源泉。触るとやけどするレベルなので要注意です。ここのお湯と川の水がうまくブレンドされて、適温の浴槽が出来上がります。

普段はスコップを使って手堀りのMy浴槽を作らなければ入浴できないそう。訪れたとき(6月中旬)は全体が38℃ほどの適温になっており、その必要は無くラッキーでした。

休日でもそれほど人は来ず、一日中大自然の温泉に浸かって寛ぐのも悪くありません。ただし、増水の日などは危険なので入浴は控えましょう。

姫川温泉

小谷村の最北端、新潟県境にひっそりとある姫川温泉。鄙びた温泉街の真ん中に、突如源泉が垂れ流されているスポットが現れます。

岩の上に源泉タンクがあり、そこから岩を伝って流されている模様。湯けむりをもうもうと上げながら、ドバドバと滝のように流れ落ちています。

温度はおそらく50℃未満なので、溜めて冷ませば浸かることもできそうです。ただし、目の前には温泉宿が。なかなか難しそうですが、これが未使用のまま捨てられているのは、実にもったいないと感じるほど。

お湯はほんのりと硫黄臭の香るまろやかなもの。姫川温泉の湯量の豊富さが伺えますね。ぜいたくです。

岩の上の源泉タンクまで行くこともできます。横には温泉薬師堂がありました。歴史のある証拠です。

眺めも最高。湯けむり越しに温泉街を一望できます。タイミングが良ければ遠くに大糸線も。姫川温泉は秘境の隠れた極上湯です。

温湯温泉

長野市若穂地区の温湯(ぬるゆ)集落にある温湯温泉。集落名にもなっていることから、歴史の古い温泉だと推測できます。レンコン畑の中には、市が管理する温泉スタンドがあります。

野湯とはちょっと違いますが、ホースから自由に温泉を出すことが可能です。大きなタンクで温泉を持ち帰る人も多いのだそう。

使われることなく捨てられるお湯。無味無臭で特徴のないお湯ですが、とにかく湯量がすごい。

泉質はアルカリ性単純温泉。泉温はおよそ35℃で、まさにぬる湯なのです。

付近の地表からはお湯がプクプクと自噴していました。これは珍しい!近くには同じ名称の温湯温泉「湯~ぱれあ」がありますが、温泉スタンドのものとは源泉が異なるようです。

半過観音大慈の湯

上田市半過(はんが)地区にある半過観音大慈(いつくしみ)の湯です。坂城町との境界付近の集落のはずれに存在します。崖の下に硫黄臭香る鉱泉が。昔は、ここのホースから流れ出る鉱泉を持ち帰ることが出来ましたが、現在はフェンスで囲われており進入禁止。

この辺りは、坂城町の上平島温泉「びんぐし湯さん館」や上田市の室賀温泉「ささらの湯」など、上質な硫黄泉の宝庫。ここのお湯を使った温泉施設が作られてもおかしくありません。

周辺の景色。岩肌がむき出しになった山々が美しいです。

延徳温泉

信州ではけっこう有名になってしまったバスタブ温泉、延徳温泉です。中野市延徳地区のきのこ工場群の片隅にあります。場所はかなり分かりづらく見つけづらいです。

見てください、この豊富な湯量!配管から源泉がドバドバと滝のように流れ落ち、バスタブからザバザバと惜しみなく捨てられています。あぁ、もったいない!あぁ、浸かりたい!湯温も40℃ほどあり、かなり適温。硫黄臭の香る塩化物泉と感知しました。

周辺の景色。のどかな田園風景の奥に北信五岳がそびえます。この景色を眺めながら浸かるバスタブ温泉は最高に贅沢かも。

湯俣温泉

「歩いてしか行けない秘湯」として知られる湯俣温泉。大町市の高瀬ダムから山道を歩くこと約二時間半で到着します。ここには晴嵐荘という温泉付き山小屋がありますが、川原に湧くスケールの大きな野湯も魅力のひとつです。

断崖絶壁の道なき道も歩きます。登山装備をお忘れなく。それにしても素晴らしい景色です。

天然記念物に指定されている「噴湯丘」。温泉成分が固まってできた大きな析出物です。コンコンとお湯が湧き出る様は、この世とは思えない不思議な光景に見えます。

まさに自然が作り出した芸術作品。

お湯に浸かりたいので、自分だけのMy湯船を製作!噴湯丘から流れ出た高温のお湯が川となって下ります。川底からもプクプクと温泉が湧いており、川の水を上手く取り込めば適温になるはずです。

川底が熱くなったり、急に川の水が大量に入ってきたりと、温度調節は至難の技。それでも、自分だけの湯船に浸かって、北アルプスに沈む夕日を眺めながらの野湯は、この上ない至福の時間でした。

湯俣温泉の詳細レポはこちら!

まとめ

今回は僕が訪れたことのある、長野県内の7つの野湯をご紹介しました。

野湯は自然のもの。

あえて詳しい情報は載せないことにしました。

無料で自由にお湯に触れられる分、人の手によって管理されていない危険な場所もあります。野湯に訪れる際は、十分に注意してお湯を楽しみましょうね!

【連載】教えたいけど知られたくない!信州のスキマ温泉めぐり

長野県の温泉地数は224ヶ所、245ヶ所の北海道に次いで日本第2位!ちなみに温泉利用の公衆浴場数は、654ヶ所と日本一を誇っています。

信州の温泉地といえば野沢温泉や渋温泉、別所温泉や白骨温泉などが有名ですね。

この特集ではスキマメンバーの力路郎さんが、少し変わった温泉地をさまざまな視点からご紹介します。

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この記事を書いた人

力路郎

北信濃出身・大阪在住の大学生です。趣味は温泉めぐり。暇さえあれば全国の極上湯を求めて一人旅しています。現在300湯に入湯。山奥の湯治宿や鄙びた共同浴場に憧れます。