スノーシューで歩く冬の「大笹街道」｜大自然と歴史を感じる街道歩きを体験！

大自然の美しさと歴史の奥深さが同時に感じられる、高原の街道歩きに出かけませんか？

街道といえば、江戸時代に整備された「中山道」や「甲州街道」をはじめとする五街道を思い浮かべる方も多いかもしれません。それらは諸大名たちも通るため、比較的歩きやすいコースが設定されているのです。

しかし今回紹介する「大笹（おおざさ）街道」は、標高1500m超の高原を歩く難易度の高いコースなのです。

北国街道の脇街道（ショートカットコース）として活用されており、江戸と善光寺を最短５日間でつないでいました。商人たちが物資を運んだり庶民たちが善光寺詣や湯治のために通ったりと、交通の要衝として賑わっていたそうです。

現在はいちばん標高の高いエリアに「峰の原高原（須坂市）」や「菅平高原（上田市）」などがあり、四季折々の美しい大自然が見られる観光スポットとなっています。

今回はそんな大自然と歴史深さにあふれた大笹街道の一部をスノーシューで歩いてみたいと思います！

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大笹街道（おおざさかいどう）とは？

大笹街道は、須坂市福島を起点に仁礼、鳥居峠を越えて群馬県へ入る道を指します。この街道は、善光寺と現在の群馬県大笹宿を結んだ、江戸時代主要幹線路であった北国街道の脇街道として、高崎や関東へ出る重要な脇街道でした。

そのため、1650（慶安3）年に幕府により認可され、江戸時代末から明治時代にかけて、江戸や関東の文化や産業を北信濃にもたらす役割を果たしました。

大笹街道は厳しい峠越えの山道であり、特に冬季は雪で交通が困難になることが多かった難所ですが、ショートカットができる、宿場数が少ないので旅の費用を節約できるなどの利点があり、北信濃の荷物を江戸・東京に運ぶために賑わいました。

そんな大笹街道の見どころのひとつに、仁礼宿の外れから峰の原まで約17kmの間には、険しい山道で遭難した旅人や牛馬の供養と、安全を祈る石仏が約60体設置されています。

江戸時代の仁礼宿の様子は、十返舎一九の『続膝栗毛』に描かれています。また須坂市内から関東への販路が拡大したことにより、全国初の製糸結社「東行社」の設立にも影響を与えたとされます。

現在でも須坂市仁礼町から鳥居峠までの一部を歩くことができます。

大笹街道スノーシュー体験スタート！

峰の原高原のペンション「スタートライン」オーナーの古川 茂紀さんにガイドしていただきました。

旅のスタート地点は、サンセットテラスから。スノーシューを装着して、出発！

サンセットテラスは、天気が良いと北アルプスの山々が一望できるビューポイント。長野市街地まで見えることも。ここでまず絶景を楽しんでみてください。

スノーシューは雪の上を歩くことができる装備です。グリーンシーズンは薮で覆われていて歩けない場所も、雪で覆われることで縦横無尽に歩くことができました。

峰の原高原は積雪が多い地域で、この日は前日まで雪が降っていたことと、当日は晴天ということでスノーシュー日和でした！転ぶと埋まってしまうこともありますが、それも楽しい！

スノーシューで街道をたどる

一面の雪景色に感動！誰も歩いていない雪の上を一歩ずつ踏みしめて歩きます。

街道沿いはひらけていて、土手になっているので「ここが道だ！」とわかりやすかったです。昔の人も、こんなかんじで道を探しながら辿っていたのかなと想像しながら歩きました。

大笹街道の土手道の歴史を(雪に埋もれていなければ！)読むことができます。

街道沿いは、雪と青空のコントラストを背景にしたシラカバやミズナラの木々が並び、とても綺麗な景色が続きます。

動物の足跡を発見！どれが何の動物か、わかりますか？また、雪の上を歩くキジにも遭遇。(近づくと逃げていってしまったので、写真を撮り損ねてしまいました！)

冬の森では、動物たちの暮らしを身近に感じることができます。

途中、道路を１つ渡る箇所があるので注意してください。

雪で覆われているので、夏場は水が流れている川も、スノーシューで渡れます！ただし、穴が空いているところもあるので、渡る時にはガイドの指示に従ってください。

さらに進むと、登山道の入り口に。奥には根子岳が見えます。ここから先は冬の間はスキー場ですが、夏の間は放牧地になるエリアです。

雪の中の石仏。街道沿いにはまだまだ石仏がたくさんありますが、今は雪に覆われてしまっています。今日はひとつ見つけられてラッキー！？

帰りは斜面を一気に駆け下りました！スノーシューでなければできないアトラクションです。最初はどきどきしますが、思い切って駆け下りてみると楽しい！転んでも雪がたっぷりあるので大丈夫！

街道整備をして、もっと多くの人に歩いてもらいたい

大笹街道は、その名の通り道沿いに笹が多く自生しています。そのため、街道を維持していくのに笹を刈って定期的に整備が必要です。そして、大笹街道を舞台とした歴史や人の営みをもっとみなさんに知ってもらう機会もつくっていきたいと考えています。

健康・観光・教育等の様々な分野で森林空間を活用した体験サービス等を提供する「森林サービス産業事業」。この取り組みを峰の原高原をフィールドで展開する「Forest field MINENOHARA」のプロジェクトの中で、大笹街道の貴重な観光資源の掘り起こしや仕組みづくりの検討をはじめました。

「歩くこと」「林森を活用・保全すること」「農山村の文化や人々に触れること」「健康促進すること」「自然にふれること」…街道を歩くことによって、さまざまな要素を感じることができます。現在と過去を線でつないで楽しむ”時間的連続性”や空間を移動する過程も楽しむ“空間的連続性”、両方を楽しむことができるのが街道歩きの醍醐味と言えるのではないでしょうか。

ご興味のある方は、これからの取り組みにぜひご参加お待ちしています！

峰の原高原で、冬ならではの街道体験を

今回は2時間ほど、スノーシューで峰の原高原内の大笹街道エリアを歩きました。普段はデスクワークが多く、体力に自信がない私でも気軽に楽しむことができました。

標高が高いので、夏はとても過ごしやすくて気持ちの良い峰の原高原。冬は積雪が多く、気温も北海道並に下がることもあるそうです。

そんな冬だからこそ楽しめるアクティビティに加えて、歴史文化も同時に感じる体験ができました。

また違う季節にも訪れて、四季による自然の変化を見てみたいですね。

大笹街道でこんなスノーシュー体験をしたい！という方は、メールにてペンション スタートラインまでお問い合わせください。

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