新しくて懐かしい「3度目の上田」を楽しむひとり旅プラン

塩野神社|上田市

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歴史も、文化も、グルメも、温泉も、語り尽くせないほど詰まっている宝箱のような場所。

それが上田市です。

人気スポットもたくさんあるが故に、もう「上田観光」は満喫したよという方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は「3度目の上田」をテーマに、1度や2度の上田観光では満喫しつくせない、スキマでディープな上田観光の魅力をご紹介します。

\信州上田観光協会×Skima信州/

塩田平の「前山塩野神社」で上田の歴史深さを感じる

上田市といえば社寺巡りも人気コンテンツのひとつ。中でも「塩田平(しおだだいら)」と呼ばれる地域は古くから仏教文化が浸透し、多くの神社仏閣が点在しています。

2020(令和2)年には、前山塩野神社を含む36の構成文化財が「レイラインがつなぐ「太陽と大地の聖地」~龍と生きるまち 信州上田・塩田平~」として日本遺産の認定を受けました。

そんな歴史的魅力あふれる塩田平エリアの中でも、3度目の上田に“とっておき”として名前が挙がったのが「前山塩野神社」です。

平安期からその名を残す古社であり、1743(寛保3)年建立の拝殿は、珍しい2階建ての「楼門造り」が特徴。杉並木の参道を通り抜けた先にある境内は、厳かでしっとりとした雰囲気に包まれていました。

塩野神社|上田市
塩野神社|上田市

前山塩野神社は「水の神様」として信仰されています。

拝殿の手前には、独鈷山(とっこさん)から湧き出でた塩野川。雨の少なかった塩田平に住む人々にとっては命の水ともいえ、その源となる独鈷山は自然に信仰の対象となりました。

清らかな水の音を聞きながら拝殿や本殿の美しい彫刻や、深い森に包まれた景色を眺めていると、上田という街の奥深さがより一層感じられます。

前山塩野神社

所在地:長野県上田市前山1681
駐車場:あり(中禅寺の駐車場)

伝説の英雄を癒した「霊泉寺温泉」で日帰り入浴

日本でも指折りの温泉大国と呼ばれる長野県において、まさに秘湯と呼ぶにふさわしい「霊泉寺温泉」へとやってきました。

野鳥の鳴き声が響く静かな古い温泉街には、『紅葉狩(もみじがり)』にまつわる伝説が残っています。戸隠山(現在の長野市)で悪さをしていた美しい鬼女・紅葉(もみじ)とこの地域にいた鬼を退治した平維茂(たいらのこれもち)が、戦いの傷を癒した温泉なのだそう。

霊泉寺|上田市
霊泉寺温泉の入り口にある「霊泉寺」

現在営業している宿泊施設は4軒のみで、そのすべてが源泉掛け流し。

霊泉寺温泉|上田市
霊泉寺温泉|上田市

気軽に入れる共同浴場は独特の味があり、シンプルな長方形の内湯。広さもちょうどよく、たまたまご一緒した方とも良い距離感で会話がはずみます。

霊泉寺温泉 共同浴場

所在地:長野県上田市平井2515-2
営業時間:7:00〜21:00
定休日:無休
入浴料:大人200円、小中学生100円

和泉屋旅館|上田市霊泉寺温泉
和泉屋旅館|上田市霊泉寺温泉
和泉屋旅館|上田市霊泉寺温泉

さらに日帰り入浴ができる旅館「和泉屋旅館」にも足を運んでおきましょう。「日本秘湯を守る会」会員の旅館です。2023年4月下旬には本館をリニューアルしました。

その歴史は古く、明治期の文献を見せていただくと、地図にはしっかりと「和泉屋旅館」の文字が残っています。

日帰り入浴は10時から15時まで、入浴料は1,000円です。内湯と外湯があり、じっくりと芯まで温まる優しいお湯。源泉温度は内湯が46度、露天風呂は38.5度と、異なる2種類の源泉を楽しむことができます。

霊泉寺温泉の和泉屋旅館|3度目の上田、どこへいく?

今回は日帰り入浴でお邪魔しましたが、宿泊者のみ入浴可能なタイル張りの家族風呂も気になるところ。大正時代につくられたという色鮮やかな2種類の浴槽は、当時のタイルを活かした状態でリニューアルされたそうです。

今度は泊まりに来ます、と4度目の約束をして帰りました。

霊泉寺温泉 和泉屋旅館

所在地:長野県上田市平井2530
公式HP:https://hitou-izumiya.jp/
駐車場:あり
備考:日帰り入浴は不定休なので念の為事前にお問合せください

一度は食べたい「キミック」のサラダスパゲッティ

3度目の上田ともなると、市内には意外とカフェや喫茶店が多いことに気がつきます。老舗らしいレトロ感や雑然とした雰囲気の喫茶店もあれば、挽きたての珈琲豆の匂いが香るおしゃれなカフェもあり、好みに合わせてさまざま選べるのが魅力。

カフェレストラン「キミック」|上田市真田町
カフェレストラン「キミック」|上田市真田町
カフェレストラン「キミック」|上田市真田町

慌ただしい分刻みの観光スポットめぐりに疲れたら、ゆったりとした時間の中でその土地ならではの空気感や何気ない会話を楽しみたいもの。そんなあなたにおすすめしたいのが、真田エリアにあるレストラン「キミック」。

緑がかった水色の屋根に白色の壁が目印です。上田駅からは車で約20分とアクセスは少し悪いものの、だからこそ感じられる「脱・観光地」の空気が心地よいこと間違いなし。

カフェレストラン「キミック」|上田市真田町
カフェレストラン「キミック」|上田市真田町
カフェレストラン「キミック」|上田市真田町

そんなキミックの名物メニューといえば、とても1人では食べきれないボリュームの「サラダ・フルーツ付きスパゲッティ」。写真は大盛りではありません。サラダとフルーツがまさかスパゲッティと同じお皿に、この量で盛り付けられているのも完全に予想外です。

スパゲッティも種類がいくつか選べますが、わたしのおすすめは明太子かたらこ。お家で作ってもらったような、懐かしさを感じるお味です。

カフェレストラン「キミック」|上田市真田町
店主の君波英治さん(左)と息子の彰吾さん(右)

ちなみに店名である「キミック」の由来は、店主である“君波(きみなみ)”さんの呼び名から来ているそうですよ。ニコニコとあたたかい笑顔でお話をしてくださった君波さん親子に、「また来ます!」と再会を誓いました。

キミック

所在地:長野県上田市真田町本原荒井1137
営業時間:11:00〜15:00
定休日:不定休
駐車場:あり

古くてかわいい♡に出会える裏原エリアの古道具「にろく」

雑貨とパン「HITOMA(ひとま)」)|上田市

上田城下町から徒歩5分ほど。

道をはずれてひとつ裏道を歩くと、とたんに時間の流れがゆったりと感じられます。静かな住宅街の中に、表通りの「原町」の裏通りにあることから、誰が呼び始めたのか「裏原」と呼ばれるエリアがあるのです。昭和期には喫茶店や銭湯、小料理屋やお寿司屋さんなどが軒を連ねました。現在は少しずつ入れ替わりや空き店舗があるものの、古き良き時代の名残を感じさせる、なんとも味のある通り。

古道具「にろく」|上田市

そんな裏原エリアの要衝となっている建物があります。近くの銭湯「竹乃湯」の薪場兼倉庫だった建物をリノベーションした「26bldg(ニィロクビルヂング)」。2017年からリノベーションを開始し、1階には古道具屋、2階にはパン屋とデザイン事務所が入る複合施設です。

古道具「にろく」|上田市
古道具「にろく」|上田市

そんな「26bldg」に2021年10月オープンしたのが古道具「にろく」。店主の林 江美さんがセレクトした古道具を販売するお店です。ディスプレイにもこだわりがあるそうで、まるで宝探しのように、お店の中をグルグルしながら掘り出し物を見つけられました。

古道具「にろく」|上田市
穏やかな笑顔で迎えてくれた店主の江美さん

「古道具というと骨董品というか、少し敷居が高いイメージのある方もいると思うんです。見た目のかわいらしさや、手に取りやすいお値段にこだわっているので、骨董品に詳しくない方でも気軽に立ち寄っていただけると嬉しいです」。

わたしはビタミンイエローがシンプルでかわいいお皿セットや、レトロ柄のコップセットなどを購入しました。旅先での思わぬ一期一会にときめくゆとりが持てるのも、3度目の上田ならでは。

古道具「にろく」|上田市
古道具「にろく」|上田市

古道具 にろく

所在地:長野県上田市大手2-2-27 26bldg 1F
営業時間:11:00〜17:00
営業日:水・金・第4日曜日、下一桁に2と6がつく日
駐車場:なし(周辺にコインPあり)

雑貨とパン「HITOMA(ひとま)」)|上田市
雑貨とパン「HITOMA(ひとま)」)|上田市

外階段を上って緑いっぱいの2階へ上がると、デザイン制作会社「水野図案室」があります。さらにその一角にふんわり香ばしい匂いを漂わせているのがベーカリー「HITOMA(ひとま)」。店名通り、水野図案室へつながる通路の一間を間借りしています。

明日の朝ごはんに、小腹が空いたときに、焼きたてのパンがあなたをお待ちしています。

ベーカリー HITOMA

所在地:長野県上田市大手2-2-27 26bldg 2F
営業時間:10:00〜18:00頃
営業日:月・水・金
駐車場:なし(周辺にコインPあり)

また「26bldg」を中心とする裏原エリアで3ヶ月に一度開催される「261(にーろく市)」を目当てにするのもおすすめ。“古いモノと素敵なモノが集まる市場”をコンセプトに、古道具や手作り品、美味しいモノなどが集まります。

最新の情報は公式Instagramをチェックしてみてくださいね。

常連になりたい!上田最古級のスナック「積木」

旅の締めくくりにやってきたのは、上田市最古級の老舗スナック「積木(つみき)」。

旅先でスナックに入るのってなんだか緊張するけれど、3度目ならば勇気を出して潜入してみても良いかもしれません。というのも、上田の市街地には「袋町(ふくろまち)」と呼ばれる昔ながらの歓楽街があって、たくさんのお店が看板を連ねているのです。

上田市のスナック「積木」|3度目の上田、どこへいく?

そんな袋町の夜を楽しみたいのなら、スナック「積木」に寄らない手はありません。観光客でも女性ひとりのお客さまでも大歓迎!と明るく笑って出迎えてくれたのは、40年以上も「積木」で舵を切ってきた和子ママ。上田市内でスーパーを経営していた両親が廃業したことをきっかけに、全盛期の袋町で2年ほど営業していた前オーナーから「積木」を譲り受けたのだそう。

カウンターの真上には瓦屋根とランタンのようなペンダントライト、障子の張られた窓と随所にこだわりを感じる店内。常連さんにも女性が多く、安心して入店できるのも嬉しいところ。

上田市のスナック「積木」|3度目の上田、どこへいく?
上田市のスナック「積木」|3度目の上田、どこへいく?

「お腹空いてるかしら」という問いにうなずいてみると、煮物や漬物、おつまみなどが次から次へと運ばれてきます。「男の人ってポテトサラダ好きよねえ」と和子ママ。メニューはその日によって変わりますが、ポテトサラダは定番なのだそう。

上田市のスナック「積木」|3度目の上田、どこへいく?

「良いお客さまに支えられて、あっという間の40年間だったわ」と、何度も「お客さまのおかげ」を繰り返す和子ママ。この街と生きてきたママがこっそ教えてくれる上田の裏話に耳を傾けます。

スナック 積木

所在地:長野県上田市中央3丁目11-3
営業時間:19:00〜0:00頃
定休日:日曜日、祝日
駐車場:なし

「3度目の上田」まとめ

塩野神社|上田市

3度目の上田におすすめしたい、とっておきのスポットをご紹介しました。帰ってきたような、また帰って来たくなるような、新しくて懐かしい旅になりました。

もう上田は遊び尽くしたよ!というあなたも、「3度目の上田」旅に出てみてはいかがでしょうか?

信州上田観光協会では上田市の知られざるディープなスポットを紹介する「ニュー・ウエダ」企画を実施。公式Instagramでは今回紹介した場所のいくつかも登場しています。こちらもあわせてチェックしてみてくださいね。

▼3度目の上田記事はこちら!

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この記事を書いた人

Skima信州編集部

Skima信州は「信州のスキマを好きで埋める」をキャッチコピーに長野県のニッチな観光スポットや情報をお届けするローカルWEBメディアです。