「長野県のおやき」といってもその作り方や種類はさまざま。今回は長野県のおやきがマルッとわかる記事になっています。
- おやきの由来や発祥は?
- おやきの種類や作り方は?
- おすすめのおやき店は?(厳選してご紹介しています)
「おやき」を知ったのは長野県にきてから。そのおいしさに気づいたのは、1年前に長野市鬼無里のいろは堂でおやきを食べてから。その種類や文化も地域によってさまざまだと知ったのは、西山地域のおやきめぐりをした日です。そんなニワカの私ですが、おやきを食べ比べした様子をレポートしてみました!
おやき好きな人も、おやきって何?って方も「こんな違いがあるんだな〜」と楽しんでいただければと思います。
そもそもおやきとは?由来や発祥をご紹介
そもそもおやきを知らない方もいらっしゃるはず。おやきに詳しい方や、長野県民から聞いたお話をまとめてみました。
おやきとは長野県西山地域発祥の郷土食(諸説あり)
おやきの由来はおそらくそのまま「御焼き」。野菜などを小麦粉をこねた生地で包んだおまんじゅうを指します。その起源は約4,000年前、縄文時代までさかのぼるといわれています。
縄文時代は小麦粉や米粉を潰して平たくしたものを焼くだけでした。時が経って中に野菜を入れるようになり、これが「灰焼きおやき」の原点となりました。
北海道や一部東北地方では「今川焼き」を意味することも
有名な話ですが、北海道などでは「おやき」=「今川焼き」を意味します。
もともと「御焼き」なんて何にでも当てはまりそうな名前なのでそんな偶然もありそう。それとも何かルーツがあるのでしょうか?
栄村にはコシヒカリ粉でつくる郷土食「あんぼ」も
見た目はおやきに似ていますが、栄村にはコシヒカリ粉でつくる郷土食「あんぼ」があります。皮生地によもぎを混ぜる「草あんぼ」なるものも。あんこや野沢菜、切り干し大根やおからなどさまざまな具で楽しめます。
小谷村の「ちゃのこ」はそば粉と馬鈴薯入り
同じくおやきに似た「ちゃのこ」は小谷村の郷土食です。小麦粉に加え、そば粉と馬鈴薯(ばれいしょ)を生地に混ぜ込みもっちりとした感触。片手で食べられて腹持ちが良いのは、厳しい豪雪地帯の小谷村ならでは。季節や家庭によって中身の変わる「おばあちゃんちの味」。
猪乃源のおやき|大町市美麻
大町市美麻に2018年オープンした猪乃源(いのげん)さん。タッカルビやおから、切り干し大根にスイートポテトなど、その日によってさまざまな種類のおやきを販売しています。豚まんのようなフワフワとした皮が特長的。
猪乃源
所在地:大町市美麻16740
営業日:火・木・土
やきもち家の灰焼きおやき|長野市中条
まずはおやきの元祖、灰焼きおやきを食べに長野市中条の「やきもち家」へ。
雪に埋もれた中条の中で、きれいに雪かきされているやきもち家さん。建物は、明治時代初期の民家を再築したもの。
おお、かまくら!近日完成予定とありますが、これ完成していないの?やきもち家の「かまくら体験宿泊プラン」では、このかまくらの中でお餅を焼いて甘酒と一緒にいただけるようです。
中に入ります。玄関の正面に囲炉裏。この囲炉裏がおやき文化を支えたと言っても過言ではありません。
さっそくおやきをいただきます。「灰焼きおやき」は、囲炉裏の灰を使って蒸し焼きにしたおやき。最後に表面を焼いて焦げ目をつけるそうです。特徴は「皮がうすい」「具材がたっぷり」「焼きたては表面がパリパリ」なこと。
種類は野沢菜、切り干し大根、かぼちゃ、あずき、ピリ辛。各190円です。
ついでに(?)ぶっこみをいただきます。味噌汁の中にたくさんの野菜とおうどんをぶっこんだ郷土食。少しほうとうにも似ています。
やきもち家
住所:長野市中条日下野5286
道の駅 味菜(あじさい)|小川村
「おやきの村」として有名な小川村へ。道の駅おがわ 味菜(あじさい)にやってきました。現在は改装されてもう少しきれいになっていますね。
奥でスタッフさんたちが手作りしているおやき。せっかくなので食堂でいただきます。
焼いてから蒸したおやき。常温で置いてあるので、レンジで1分ほどあたためるか、4〜5分ほど焼いてからいただきます。定番は野沢菜、大根、キャベツミックス、なす、あんこ。季節の具として青菜、のびろ(ノビル)、ニラ、いんげん、かぼちゃ、おから、かぶ。各160円。
温めなおしてくださったのでほかほか!灰焼きと違ってふっくらやわらかいのが特徴です。全国発送も承っているそうなので、電話でお問合わせください。道の駅ではお土産も売られています!食堂内にはローカル本も大量に置かれる穴場スポット!テンション上がります。小川村の本を2冊ほど購入。
道の駅おがわ 食事処&おやき 味菜
住所:小川村高府1502-2
電話番号:026-269-3262
信州七二会おやきセンター|長野市七二会
お次は県外のファンも多い長野市七二会(なにあい)のおやきセンター。
地元のお母さんたちが丁寧に包んだ「笹おやき」をいただきます。
笹おやき、1個130円。野沢菜、野菜ミックス、あんこ、かぼちゃ、ナスなど。
朝8時から営業しており、早いと午前中には売り切れてしまうこともあるみたい。
今回はテイクアウトしました。
おやきは朝作ったものを発泡スチロールに入れており、そのまま詰めてもらえます。
おうちに帰って実食!モチっとした皮にたっぷりの具、灰焼きおやきと同じ名前のお料理には見えません。
鬼無里「いろは堂」|長野市鬼無里
お次は長野市旧鬼無里村のいろは堂。長野駅前店もありますが、作っているのは鬼無里なのでこちらで食べた方が断然美味しいです。
その場で食べると1個おまけしていただけます。私はいろは堂さんのおやきを食べて、その美味しさに気づきました。皮はパリッと、中はもっちり。種類も豊富で季節によって旬のお野菜も入ります。大好き!
行くたびに自分へのお土産を大量購入して帰ります。
奥のいろはなさんでもいただけます
いろは堂さんの裏にカフェ&ギャラリー「いろはな」さんがあります。おしゃれな店内でおしゃれなおやきが食べられますよ。詳しくは鬼無里の観光記事にまとめています。
参考記事:ツーリングやドライブに!鬼無里のおすすめ観光スポットまとめ
おしゃれなおやき。ランチにぴったり!そば粉で作ったドーナツも美味です。
【長野県のおやき】本当においしいお店を厳選!まとめ
長野県のおやきめぐりについてご紹介しました。せまい地域の中で様々な種類のおやきに出会えて楽しかったです。おやきは長野県の広域に渡って浸透しているので、また別の地域もご紹介できればと思います。
長野県の食文化について紹介した記事はこちら!