善光寺御開帳「回向柱」が「松代」から寄進される理由とは?

善光寺 回向柱

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2022(令和4)年に、1年延期された七年に一度の「善光寺前立本尊御開帳」が開催されます。絶対秘仏とされている御本尊「一光三尊阿弥陀如来像」と同じ姿をした前立本尊を公開する非常にレアなお祭り。

長野市の善光寺(ぜんこうじ)は、約1,400年の歴史を持つ日本唯一の無宗派のお寺です。昔の女人禁制などの制約があった時代も、善光寺は無宗派、無差別なお寺であり続け「日本人のお仏壇」といわれるほど多くの人に信仰が広がりました。

そんな善光寺の御開帳において重要な役割を果たす「回向柱(えこうばしら)」は、なんと300年も前から「松代から寄進」されていることをご存知でしょうか?

今回はそんな松代と善光寺のご縁、回向柱の寄進方法などをご紹介します!

「善光寺前立本尊御開帳」とは?開催期間など

善光寺

1年延期され2022年に開催される御開帳(ごかいちょう)は、七年に一度、絶対秘仏の御本尊「一光三尊(いっこうさんそん)阿弥陀如来像」と同じ姿をした前立(まえだち)本尊を公開する盛儀です。本堂の正面に立つ回向柱のどこか一面に触れると、前立本尊とつながり功徳があるといわれていて期間中は多くの人が訪れます。

開催期間は2022年(令和4年)4月3日(日)から6月29日(水)

2022年は七年に一度の御開帳!善光寺と門前のまち歩きを楽しもうも合わせてご覧ください。

回向柱(えこうばしら)とは?

長野市善光寺回向柱

回向柱(えこうばしら)とは、善光寺前立本尊御開帳のときに建てられる角塔婆のこと。本堂の正面に立つ回向柱のどこか一面に触れると前立本尊とつながりご利益があるといわれています。

編集長

今回の回向柱にはコロナ対策で「抗菌コーティング」を施すとか!

※善光寺は県独自の感染警戒レベルが「4」や「5」の場合は本堂の参拝者の人数を制限するなどの対策をし、レベル「6」(国の緊急事態宣言)の場合は参拝を中断すると発表をしています。

回向柱とは?

御開帳の時に建てられる角塔婆のこと。触るとご利益があるから、みんなこれを触りにくるよ!

回向柱が「松代から寄進」される理由

回向柱の奉納は、江戸時代から約300年続く習わしです。徳川幕府が松代藩に善光寺本堂再建を命じた縁で、代々旧藩内から寄進しています。

長野市松代城
松代城址

現在では松代地区の住民らが「回向柱寄進建立会」を設置し、その役割を担っています。ちなみに今年の回向柱は須坂市豊丘地区の樹齢約150年の大杉が切り出されました。松代が寄進するものの、松代の木が使われるとは限らないようですね。

回向柱 寄進の流れ

斧入れ式(令和3年9月5日)

回向柱に使う木を切り出すための「斧入れ式」が行われます。今回は須坂市豊丘地区の樹齢約150年の大杉が選ばれ、松代町の住民たちが見守る中、斧が入れられました。

善光寺回向柱寄進前日祭(令和4年3月26日)

善光寺回向柱寄進だけでは松代町でゆっくりお披露目できないことから設けられた前日祭。「回向柱使用木の離材を使った記念木」を松代の地に建立する除幕式を行うそうです。当日は餅つきや特設ステージイベントも開催予定。

善光寺回向柱寄進(令和4年3月27日)

松代町より善光寺に寄進するため、寄進奉納行列が回向柱を曳いて松代を出発!行列は善光寺木遣りや武者行列、お姫様、お殿さま(真田家当主)など。柱を曳く者たちは「善男善女」と呼ばれています。昔は善光寺まで1日がかりでしたが、現在は道中の一部を曳く形に変わっているとのこと。

回向柱建立式(令和4年4月1日)

善光寺に寄進された回向柱が本堂前に建立される回向柱建立式。職人たちが江戸時代の本堂再建にも使われたという古式の工法を用いて人力で立ち上げていきます。回向柱は開眼法要の際に、本堂内の前立本尊と「善の綱」でつながります。

松代と善光寺のご縁「回向柱」まとめ

長野市松代

松代と善光寺の意外なご縁と、回向柱についてご紹介しました。善光寺の御開帳まであと少し!安心安全・無事に開催できると良いですね。

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この記事を書いた人

信州さーもん

スキマな観光ライター。長野県内外、国外を旅します。長野県観光WEBメディア「Skima信州(http://skima-shinshu.com )」代表。道祖神宿場街道滝ダムため池棚田神社仏閣好きな平成生まれの魚。浅い知識を浅いままに増やしています。企画・アイディアを出すのが得意。たぶん。