2022年1月23日に行われた大相撲初場所にて、御嶽海(出羽海部屋)が自身3度目の優勝を果たしました!さらに日本相撲協会の臨時理事会を経て1月26日には大関昇進が正式決定する見通し(追記:大関昇進決定!)です。
御嶽海は、実は長野県出身!長野県木曽地域の上松町出身ということで地元は大盛り上がりとのニュースが連日流れていますね。
そこで今回は優勝・大関昇進を確実にした御嶽海について、経歴や名前の由来、地元長野県 木曽地域 上松町とのつながりについて解説していきます。
初場所で優勝&大関昇進を各自にした御嶽海の経歴
御嶽海(大道久司 おおみち ひさし)は、出羽海部屋に所属する現在29歳の力士です(誕生日は12月25日とクリスマス生まれ)。
身長180cm、体重169kg、血液型はO型。得意技は突き・押し。尊敬する力士は武双山。好きなテレビ番組がダウンタウンの番組で、好きなマンガはクローズ、好きな食べ物はいちご、好きなアーティストは玉置浩二です。
相撲を始めるきっかけは、上松町立上松小学校1年時に木曽町で開かれた相撲大会で、自分より体の小さな相手に負けたこと。負けず嫌いの魂に火がつき、地元の木曽少年相撲クラブに入り相撲一筋の人生が始まりました。
その実力は小学生時代から圧倒的なものがあり、小学5年時に全日本小学生相撲優勝大会で2位となります。木曽町立福島中学校に進学すると3年で全国大会ベスト8、木曽青峰高在学中には国体少年の部で3位となり、東洋大学法学部企業法学科に進学しました。
東洋大学時代は力強い突き押しを武器に個人タイトル15冠。4年時の11月に学生横綱、12月にアマチュア横綱となり、現行基準で3人目となる幕下10枚目格付出の資格を得ました。
そんな御嶽海ですが、実は当初はプロ入りする意向はありませんでした。アマチュア相撲の強豪・和歌山県庁への就職が内定していましたが「部屋を再興したいので、力を貸して欲しい」と11代出羽海親方(元幕内・小城ノ花)からの説得があり出羽海部屋に入門。2015年3月場所で初土俵を踏みました。
その後は2018年7月場所で初優勝、2019年1月場所で10戦全勝としていた白鵬を破って関脇以下で横綱3人撃破という1984年3月場所の大乃国以来35年ぶりとなる記録を達成。2019年9月場所で2度目の優勝を果たし大関昇進が期待されますが、数年間は思うように力を出せず苦しみ、2022年1月場所でついに3度目の優勝を果たしました。
御嶽海が生まれ育った上松町・木曽地域は相撲がとても盛んな地域
御嶽海が育った上松町がある木曽地域は古くから相撲が盛んな地域です。木曽と相撲のつながりの起源は1880年に大の相撲好きだった明治天皇行幸だったと言われています。
明治天皇行幸の半世紀後、1931年に「明治大帝御駐輦記念奉祝相撲大会」が木曽福島で開催され、これが現在まで続く木曽福島相撲大会につながっています。
1974年には木曽福島少年相撲クラブが、1976年には福島中学校(現・木曽町中学校)に相撲部が創設されました。さらに木曽福島町は1978年長野国体、相撲会場に選ばれます。
これを機に木曽の各地に土俵が作られ、相撲強化を本格化し始めました。現在でも小中学校に土俵があり、学校の授業にも相撲が取り入れられています。
つまり御嶽海の優勝・大関昇進は木曽地域による相撲強化の取組40年の大きな成果!木曽地域で育った人たちはみんな相撲をやったことがあると言っても過言ではなく、住民一丸となって相撲に力を入れてきました。御嶽海の優勝を喜ぶ理由がわかりますね。
ちなみに御嶽海も通った木曽町中学校は相撲の強豪校として知られています。2021年夏の全国中学校相撲選手権大会では団体準優勝を果たしました。
同校の相撲部は、前身の福島中学校時代から全国大会の常連。2000年には全国制覇もしています。御嶽海は2005年から2007年まで在籍し、3年生のときには全国8強に入りました。
御嶽海の名前の由来は故郷 木曽から眺める御嶽山
「御嶽海」という格好いい名前の由来も、長野県にあります。
2015年に出羽海部屋に入門する際、入門当初は本名を四股名とする力士が多い中、既に本名の姓と同じ元幕内・大道が出羽海部屋にはいました。
そこで四股名は地元 木曽から見える御嶽山と出羽海部屋の「海」を合わせた「御嶽海」に決まりました。
入門した2014年と言えば9月に58人が死亡、5人が行方不明となった御嶽山噴火が起きた年です。上松町を含む木曽地域は、降灰による農作物の被害や長引く立ち入り禁止措置により観光客が減少、経済的損失も膨らみ活気が失われつつありました。
御嶽海という名前には「噴火で元気がなくなっている故郷を勇気づけたい」という思いも込められているのです。さらに御嶽海の「海」は部屋からとった名前であると同時に、「長野県には海が無いから、自分が海になる!」という思いも込められていると言われています。
長野県出身は力士が少ないこともさることながら、なぜ御嶽海がこれほど地元から愛され応援されているかが四股名からもわかりますね。
大関昇進を果たせば史上最強と評される長野県出身力士 雷電以来!
御嶽海の優勝・大関昇進の報を受けて注目されているのが「雷電為右衛門(雷電)」です。御嶽海の大関昇進は、長野県出身の力士としては江戸時代の「伝説の力士」雷電為右衛門(現在の東御市出身)以来、なんと227年ぶりの大関なのです!
SNSでは「雷電以来」がトレンド入り。「雷電以来という超ウルトラスーパーパワーワード」「歴史的な時に立ち会えてめちゃくちゃ嬉しい」「さすが大相撲、出てくる数字がひと桁違う」などのコメントが見られました。
ではなぜこれほど雷電は注目を集めるのでしょうか?それは雷電が歴史上最も強い相撲取りだと言われているからです。
雷電は1767年、現在の長野県東御市に生まれました。90年初土俵、95年(寛政7年)に大関昇進。16年間大関の座に君臨し生涯成績は254勝10敗と勝率は9割6分2厘と驚異の数字を残している。身長197センチ、体重169キロと大型力士で、相手がけがをする危険があるため張り手、かんぬき、突っ張りの3つが禁じ手になったと記録されている。
▼雷電像のある道の駅「雷電くるみの里」はこちら
最後に-御嶽海や雷電ゆかりの地を巡ろう!-
今回紹介した御嶽海や雷電ゆかりの地が長野県にはたくさんあります。御嶽海が出身の木曽地域は観光スポットが多く、たくさんの観光客が訪れます。御嶽海が育った上松町にある「寝覚めの床」は多数の奇岩で構成された国の名勝です。
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参考資料
・デイリー, 御嶽海は“長野の誇り” 木曽郡が相撲強化取り組み40年、関係者感無量
・ローリング岩王’s山脈, 御嶽海のしこ名の由来。相撲の盛んな木曽に生まれて
・日本相撲協会, 御嶽海久司
・中日スポーツ, 御嶽海、大関確実で長野出身227年ぶり「雷電以来」がトレンド入り「超ウルトラスーパーパワーワード」