【ローカル本はいいぞ】今、改めて読みたい長野県関連本まとめ

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こんにちは、Skima信州編集長の信州さーもん(@goshumemo )です。

わたしがこれまで買い集め、読み進めてきた長野県のローカル本をまとめてみようと思います。Twitterで「 #鮭本メモ」のタグを貼りつつ購入した本を紹介してきました。写真にも載りきらないほど、よく集めたと思います。多分今後も増え続けます。

お出かけしづらいご時世なので、この機会に長野県について学ぶ読書の時間を増やしてみるのも良いかもしれません。なるべく通販できるものを選ぶつもりです。(途中で体力が尽きたので今回は8冊ですが、まだまだ紹介したい本はたくさんあるので今後も追記していきます)。

『信州休日の社寺巡り』

長野県関連本

北沢房子さん著『信州休日の社寺巡り』は、単なる社寺紹介本ではありません。著者が取材・インタビューを行っている様子がありありと浮かぶような文章力に引き込まれ、物語としても楽しめる良書。東北信編50社寺と中南信編50社寺の2冊に分かれています。

たとえば青木村の大法寺さんにはこんな一説がありました。

一乗山 大法寺

住職は、とびきりの美人娘をもつ父親の心境である。

「大変ですよ、お守りがね」

あまりの美しさに、だれもが振り返らずにはいられない。

そこで、いつしか「見返りの塔」の名で親しまれるようになった三重塔のお守役だ。

美人娘は、比類のない国民の宝・国宝と認められた、高貴な身の上でもある。

「火の心配とか、ありますからね。『禁煙』と書いておいても、けっこう吸い殻が落ちている」

父は、可愛い娘のために、衣装選びにも気を使う。

「周りにアジサイを植えているんですが、あまりこの辺りの気候に合わないようで・・」

娘は、衣装もちである。春は桜。四月二十日ころに見ごろとなる。五月中旬のツツジに六月のアジサイ、八月から九月にかけてはサルスベリ。それからヒガンバナ、ハギ、ケイトウ、コスモスと秋の花々が続いて、紅葉に雪景色。

「季節では春が一番。新緑のころ、雨が降った後は本当にきれいです」

しっとりとぬれた美しさは、また格別だ。

『信州休日の社寺巡り 東北信編50社寺』より引用

比喩や主観、口語を交えつつ情景が浮かぶような表現、さらに歴史や背景も分かりやすく説明されています。読んだ後にはきっと、休日に社寺巡りをしたくなるはず!まずは読書で「行った気分」を味わってくださいね。

同じく北沢房子さんの『信州魅惑の寺』では、「食」「名水」「体験」「庭」などテーマでくくられた長野県のお寺が紹介されています。精進料理や写経、庭園や四季の花々など、お寺だからこその楽しみ方が知られる一冊。合わせてご覧ください。

ちなみに最近(2020年1月)発売された『諏訪の神さまが気になるの』も北沢房子さん著。諏訪大社や御祭神に関する初歩的な疑問を、古文書で紐解きながら分かりやすく解消しています。信州の神社仏閣が好きな方には外せない方ですね!

『信州 日帰りでゆく 温泉』

長野県内の日帰り温泉をほぼ網羅的に紹介している一冊。2010年に初版が発行されてから、何度も再販され続けています。わたしが購入したのは大学生のとき。以来、行った温泉には丸をつけたり、気になる温泉をチェックしたりと実用的に利用しています。周りの温泉マニアさんたちも須く持っている「定番の一冊」かと。ちなみに著者はブログをされていて、本よりかなり辛口に書かれています。

『鬼無里への誘い -蘇る鬼女紅葉- 』

長野県長野市、旧鬼無里村に伝わる伝説をストーリー調に紐解く『鬼無里への誘い -蘇る鬼女紅葉- 』。「伝説の姫」好きのわたしにはたまらない、「鬼女紅葉伝説」の残る鬼無里の話は、Skima信州でも何度かご紹介しています。

関連記事:鬼女と呼ばれた姫、紅葉の伝説をめぐる鬼無里・戸隠の旅プラン。

関連記事:鬼無里(きなさ)に鬼はいないの?鬼無里の伝説と地名の由来

関連記事:ツーリングやドライブに!鬼無里のおすすめ観光スポットまとめ

紹介しまくりですね。

本書は主人公がプチ反抗期気味の娘や妻を連れて鬼無里の歴史に迫るミステリー調になっています。セリフも多く、父娘のやりとりにもほっこりさせられ、ミステリー小説を読んでいるような気持ちに。著者の宮澤和穂さんは鬼無里小学校の校長先生をしていた経験もあり、鋭い考察や切り口は今まで持っていた鬼無里・紅葉関連本とは一線を画す作品でした。

物語として楽しんでいただいても良いと思います。ただし、読めばきっとあなたも鬼無里や紅葉さんに興味を持つことでしょう!

『城下町のまちづくり』

松本都市デザイン学習会が発行した『城下町のまちづくり』。

城下町とは?「空間」や「都市計画」「歴史」などさまざまな視点から“城下町”をキーワードに考察します。松本市は国宝・松本城を有する日本でも有数の城下町。これからの都市デザインにおいて、城下町がどのような役割を果たしていくのか。信州大学の教授も多く名を連ねる松本都市デザイン学習会。長野県外の方でも、まちづくりや都市デザイン、城下町などに興味があるならぜひお手にとっていただきたい一冊です。

『あ、火の見櫓! 火の見櫓観察記』

この本を読んでから、火の見櫓を見ると「あ、火の見櫓!」と声に出してしまうようになりました。困っています。著者は朝日村出身の一級建築士・平林勇一さん。火の見櫓の構造や機能、歴史などを説明する第一章から、消えつつある火の見櫓の今後を考察する第五章まで楽しくまとめられています。

「火の見櫓がなぜ美しいのか」について、興味深い一説をご紹介します。

(前略)私は東京スカイツリーより東京タワーの方が美しいと感じています。東京タワーには構造力学上の合理性があります。曲げモーメント図の曲線に類似する構造上に無理のない形でわかりやすいのです。自然が求める形に素直にしたがっていると言い換えることもできます。東京スカイツリーには五重塔の心柱に倣った制振構造が採用されていて、やはり構造的な合理性があるということですが、それが直感的に分からないのです。

脳はわかりやすいものを歓迎し、美しいという内なるメッセージを発します。何だかよく分からないものに対しては警戒心、恐怖心を抱かせ、歓迎のメッセージを発しません。恐怖映画はこのパターンです。東京タワーは構造的に合理的な形をしていた分かりやすいという点で火の見櫓のお手本となるものです。

『あ、火の見櫓!』より引用

「美しさは合理的かつ、シンプルで分かりやすいこと」。本書ではなぜ美しいのかについて、プロポーションの数値化をするなど、さらなる考察をしています。ただめぐるだけではない、建築家である著者の徹底した火の見櫓に対する情熱が伝わってきました。

『満州開拓団の真実 なぜ悲劇が起きてしまったのか』

元毎日新聞記者が取材を元に執筆した『満州開拓団の真実 なぜ悲劇が起きてしまったのか』。満州に渡った約121万人のうち、8万人以上の犠牲者を出した満州開拓。高社郷開拓団500名あまりが自決するなど、長野県から送出された開拓団も多大なる被害と犠牲を被りました。通常は満蒙開拓団と呼ばれますが、長野県では特に被害の多かった満州開拓団に焦点を当てています。データや数字で概要を把握した後、開拓団送出の様子から終戦までの軌跡を細かく追うことができました。

ほかにも満蒙開拓体験者の証言をまとめた冊子も読みましたが、本当に辛いエピソードばかり。長野県や日本でこうした歴史があることを知る良いきっかけになるかと思います。わたしは阿智村の満蒙開拓平和記念館にて購入しました。詳しく紹介されているので、情勢が落ち着いたらぜひ。

『北信濃歴史漫遊事典』

松代藩と善光寺まちを中心に、北信の郷土史を総まくりできる便利な一冊。少ない知識のなかで史跡探訪する際、用語をメモしておいて後から調べると理解が進むので助かっています。著者は現地調査と資料研究を重ねた郷土史研究科の関保夫さん。およそ4000項目がまとめられた渾身の遺構であります。

例えば坂上田村麿の項目では、長野県下の坂上田村麿伝説が一覧でまとめられているなど、欲しい情報が凝縮されています。引用も掲載されていて新たに購入したいメモも増えていくことも!

ローカル本はいいぞ

長野県関連本

お好みの本は見つかりましたか?上の写真を注意深く見たら、もう少し趣味に合った本があるかもしれません。そもそもわたしの持っている本なので、偏りがありますね。

もしよかったら、皆さんのおすすめローカル本も教えてください!この記事も追記予定です。

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この記事を書いた人

信州さーもん

スキマな観光ライター。長野県内外、国外を旅します。長野県観光WEBメディア「Skima信州(http://skima-shinshu.com )」代表。道祖神宿場街道滝ダムため池棚田神社仏閣好きな平成生まれの魚。浅い知識を浅いままに増やしています。企画・アイディアを出すのが得意。たぶん。