月遅れのおひなめぐりが開催されている信州須坂、その市街地にある旧小田切(おたぎり)家住宅を見学してきました。
旧小田切家住宅のある須坂宿は、谷街道と大笹街道、山田草津道が交差する町。中でも小田切家は江戸時代から幕末まで、鞠、酒造、油、蚕糸、呉服商を営み、町年寄や須坂藩の御用達を勤めた豪商です。
昭和時代までは人も暮らしており、30年の時を経て公共のスペースとして復活しました。展示物を見学したり、カフェとして珈琲やデザートもいただけます。
3月から4月初旬までは、実際小田切家で使用されていたお雛様も展示されていますよ。この機会にぜひ訪れてみてくださいね。
2018年、長野県宝に指定!旧小田切家住宅へ
旧小田切家住宅は2018年に長野県の県宝に指定されました!明治3年、民衆の怒りが爆発して起こった農民一揆「須坂騒動」の際に焼失。現在の建物は、明治時代に再建されたものです。
須坂市を通るたびに気になっていた場所へようやく行けて嬉しい。元の玄関(中庭)は上写真のようになっていますが、今は別の入り口から入ります。
内観もおしゃれ。入館料(大人300円)を払って中を見学。
展示物のひとつ、飯山仏壇。当時50円で購入したそうですが、現在の価格にして1,000万円ほど。飯山仏壇といえば今でも国指定工芸品に指定されるほど歴史と伝統があります。
畳の室内電話ボックス、客間のすぐ横に設置されています。須坂市内で25番目に導入されたそうです。早いような、遅いような。
逃走用の隠し扉と隠し通路
かつて焼き討ちされた経験から、奥間には隠し扉と隠し通路が存在します。主人のいる部屋はオートロックがかかる仕組みにもなっており、かなり厳重。
中庭へと通じる道になっていました。
月遅れの「信州須坂おひなめぐり」(3/1~4/3)
須坂市内のおひなめぐり参加店でお買い物をして、スタンプを5ヶ所集めると、ハズレなしで須坂の特産品等が当たるそうです。
旧小田切家住宅も参加店、小田切家で実際に飾られていた大正時代の雛人形が展示されていました。
蔵は貸しスペースや展示スペースとして利用されています
とっても広い旧小田切家住宅、土蔵が3つあります。1階、2階とそれぞれ展示スペースになっている土蔵もありました。他の土蔵は会議室やイベントスペースとして借りられるようになっています。リーズナブルに利用できるので、ぜひご活用ください。
2階には、小田切辰之助や明治以降の小田切家に関する資料などが展示されていました。焼き討ち後に小田切家住宅を再建したその人でもあります。
小田切辰之助とは?
須坂の製糸業の発展に大きく貢献した人物です。蚕種の品質向上のために蚕種組合をつくり、明治6年に養蚕蚕種の指導・取締をする長野県の蚕種大総代になっています。明治8年には日本で最初の製糸結社である「東行社」の創立に加わり、明治17年、「俊明社」も新たに創立しています。また銀行の設立や水道の敷設など町の発展にも寄与し、これらの功績が認められて明治24年に緑綬褒章を受章しています。
公式HPより引用
中庭はちょっとした撮影にもオススメ
土蔵のある中庭方面は、こんな感じで雰囲気があります。特にオススメしたいのは、土蔵に続くタイル張りの道。
木張りの屋内とはチグハグに、ターコイズブルーが目を引きます。昭和時代まで実際に住まわれていた生活感と、住人のこだわりを感じました。
+200円でお飲み物と茶菓子も
入場料の300円+200円でお好きなドリンクとお茶菓子をセットにできます。わたしは信級玄米珈琲をチョイスしました。
Wi-Fiの繋がる温かい古民家で珈琲を飲んでいると、1日中いられる・・!という気分に。コワーキングスペースなら通っているかもしれません。
こんな風に、中庭を眺めるお席も。
旧小田切家住宅 まとめ
須坂市街地にありがながら、ゆったりとした時間の流れる旧小田切家。「糸の町」と呼ばれた明治以降の須坂を支えた小田切辰之助の功績や明治〜昭和にかけての暮らしぶりなども感じられます。
近くには「豪商の館 田中本家博物館」もありますが、スキマなスポットとして、旧小田切家住宅もオススメしたい場所です。
旧小田切家住宅
所在地:須坂市須坂423番地1(春木町)
開館時間:[3~12月]9:00~17:00[1~2月]9:30~16:30
休館日:木曜日(祝日の場合は開館)、12/29~1/3
入館料:300円(団体240円)
須坂市といえばもうすぐ桜の季節、須坂市のお花見スポット臥竜公園や「山里の五大桜」をめぐるスキマ旅。なんて記事も書いているので参考にどうぞ!