冠雪の燕岳登山!北アルプスの女王から望む絶景

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北アルプスの中央に位置する標高2,763mの山、燕岳(つばくろだけ)

山頂周辺に高山植物の女王と言われているコマクサの群生があることから「北アルプスの女王」と呼ばれており、日本二百名山でありながら、長野を代表する山として人気を博しています。今回は山頂に雪も積もり始めた11月の上旬に登った記録になります。雪は少なめでしたが、軽アイゼンなど装備は万全で登りましょう。

人気の山に付き物な駐車場問題。ハイシーズンはお早めに

安曇野市営 第1駐車場

人気の山に必ず付き纏う駐車場問題。それはここ燕岳も例外ではなく、ハイシーズンは前泊する人が絶えず、駐車場に車を止めるのも一苦労です。ハイシーズン中は麓の有明神社より登山口である中房温泉への定期バスも運行されるので、お越しの際はアクセス情報をよく確認するようにしましょう。

燕岳へのアクセスはこちら

▼燕岳にいちばん近い駐車場はこちら

第1駐車場から少し歩き、登山口のある中房温泉に向かいます。登山口には簡単なベンチなどもあるので、最後の確認をしておきましょう。

トイレもしっかり完備。中継地点となる合戦小屋まではトイレがないため注意です。

中房温泉の奥に山頂へ繋がる登山口があります。鹿の被り物をした作業員さんが可愛いさに心も緩みます。この時は誰しも余裕を醸し出してました。その数分後から地獄を見ることも知らずに…。

北アルプス三大急登は伊達じゃない!想像以上にキツい上り坂

燕岳は「北アルプス三大急登」のひとつ(他には烏帽子岳、剱岳があります)に数えられる急登(斜度がキツい上り坂)として有名で、中間にある合戦小屋までの約2時間、地獄のような上り坂が続きます。

体に酸素が巡っていない序盤ではその辛さは顕著であり、すぐに息が上がり、汗をかきます。燕岳初心者の中にはこのあまりの急登に心を折れる人もいるほどで、この急登を利用してトレイルランニングの体力づくりに登る人もチラホラ。それほどまでに辛く、長い登りです。ペース配分と休憩を考えながら登りましょう。

合戦小屋までの休憩ポイントは4箇所。しっかり休憩しましょう

第1ベンチ

山頂までの中継地点である合戦小屋まで急登が続きますが、その道中には4つの休憩ポイントがあります。4箇所にベンチが設定されており、ここを休憩の目安にして徐々に登るのが燕岳の登り方です。

第2ベンチ
富士見ベンチ

この急登、辛いだけではなく、振り返れば絶景が姿を表します。辛いキツいと下を向くばかりではなく、たまには今までの道程を振り返ってはいかがでしょうか。

中間地点の合戦小屋。名物を食べてエネルギー補給だ!

約2時間で中間地点である「合戦小屋」に到着。ここでは長めの小休止を取るのがおすすめです。何より合戦小屋では夏は「スイカ」、秋には「おしるこ」という名物を楽しむことができます。(11月は閉館してました)

合戦小屋夏の名物、スイカ

こんな飛び道具まで用意されてます。映えますね。

燕山荘までもう少し。絶景を楽しみながら山頂へ

合戦小屋を過ぎると頂上までは約1時間半。ここからは上りも緩やかになり(それでも辛い)、木々の隙間から絶景を眺めることができます。やはりアルプスは雪を被ってこそ美しい。最高です。

11月上旬。麓ではまだまだですが、2000mを超えると雪が積もるのが山というもの。合戦小屋を過ぎたあたりから雪が積もってたので、安全を考えチェーンスパイクを装備。転ばぬ先の杖ですね。

山の状況は刻一刻と変わるので、ホームページやSNSで逐一状況を把握しておきましょう。

燕山荘から見える絶景。日本一人気の山小屋で一息

合戦小屋から1時間弱。燕岳山頂近くにある「燕山荘」に到着です。この燕山荘、登山雑誌「山と渓谷」の読者アンケートで『読者1,000人が選ぶ!私の好きな「山」2016』の”泊まってよかった山小屋”1位に選ばれた人気の山小屋。

創設は1921年と歴史があり、山荘内は清潔で、ご飯は美味しく。稜線上にあるためご来光や日の入りまで堪能することができ、一度は泊まってみたい山小屋です。

燕山荘の詳細はこちら

燕山荘の前には有名な山男の像が。この甘いマスクが老若男女にウケているそうで、雪ダルマまでできていました。

燕山荘からは燕岳の山頂が見えます。この角度から見る燕岳は本当に美しく、朝日や夕焼けを見たくなるのも頷けます。花崗岩でできた岩肌と起伏のある山脈が独特な雰囲気を作っています。ずっと見ていたくなる…。

2763mの頂へ。360度の大展望を望む

いよいよ山頂へ。燕山荘の横には荷物置きスペースがあり、必要ない荷物はここに置いておくと身軽に動けます。山頂までは片道20分ほどですので、必要なものだけ持って行きましょう。

山頂までは稜線を歩くので、どこを向いても絶景。八ヶ岳や槍ヶ岳、南アルプス、天気が良ければ富士山まで見ることができ、山頂までの20分まではまさに至福の時間です。

燕岳のイルカ岩

途中に有名な「イルカ岩」に出会えます。これは花崗岩の風化でできた自然なもので、イルカが海から出てきたような姿からイルカ岩と呼ばれています。これが自然にできるとはまさに神秘。

山頂には文字が刻まれた岩があるだけですが、振り向くとこの絶景。燕岳は表銀山ルート(燕岳の中房温泉から槍ヶ岳を目指すコース)の始まりの場所なので、ここから槍ヶ岳を目指す人も多く、奥に見える槍ヶ岳は決して遠い場所ではないように思えます。いつかこの景色を全て踏破したい…!

何度も登りたくなる魅力的な山、燕岳

燕岳は登山口までのアクセスも良く、歩行時間も比較的短いため、アルプス初心者でも登りやすい山とも言えます。しかし、前述したように前半の急登はキツく、滑りやすい場所も多いため、万全の準備と体力が必要です。

筆者も何度も登っている燕岳。何度登っても辛いですが、山頂の眺めは日本一だと感じています。次のシーズンはぜひ登ってみてくださいね!

※この記事内の情報は公開初出時のものとなります。登山道の状況や交通アクセス、駐車場、関連施設などの情報に関しては最新情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

イサヤマ

1991年福岡県生まれ。三つ子の長男。大学在学中にサムライ姿で世界一周、社会人でニュージーランドワーキングホリデーを経験。大阪の広告代理店を退社後、長野県に移住。「地域おこし協力隊」に着任し猟師となる。趣味は登山やキャンプなどアウトドア全般。ブッシュクラフトアドバイザー、象使い免許持ち。