信州生まれの名字を地名からさぐる旅。
第1弾は飯綱町発祥の「芋川(いもがわ)」です。
芋の川とは変わった名字だと思い調べてみましたが、予想以上に面白いお名前であることが分かりました。
芋川というお名前のルーツは?意味は?など、実際に芋川に訪れた上で考察していきます。
飯綱町の「芋川」地区とは?
名字は「いもかわ」と読むこともありますが、地名は「いもがわ」と読みます。
平安時代の荘園「芋川庄(ルビ:いもがわのしょう)」があったことから名付けられました。
一説によると、この地を流れる斑尾川が古くは芋川と呼ばれたことに由来しているとのこと。 飯綱町の芋川地区にある妙福寺付近には、芋川氏館跡があります。
中世の武士「芋川氏」とは?
中世の芋川氏といえば、高梨氏、村上氏、武田氏、上杉氏を渡り歩いた武家。
武田氏滅亡後の戦国時代には、信濃へと侵攻してきた織田信長軍に対抗し、軍を率いて「芋川一揆」を起こした芋川正親(まさちか)の名前が知られています。
正親はその後上杉氏に属して大坂の陣に参戦し、福島県福島市の大森城主に収まったとのこと。
名字としての芋川さんは全国で500人ほど。現在の長野県や新潟県に多く、全体の半数近くを占めています。
いもかわ→いほかわ?意味を考察してみる
ちなみに山形県では、五百川と書いていもかわと読む地名と名字があります。
また福島県郡山市には五百川(ごひゃくかわ)という川もありますが、古くは「ようが」または「よが」とも呼ばれていたようです。「よう」とは「よく」に転じたように、たくさん・長くあることを意味します。五百年や五百歳をいおとせというように、五百は「いほ/いお」と読まれます。
芋川も元々は「いほかわ/いおかわ」であり、芋川に当て字されたのではないかと想像しました。郡山市の「ようが」も「いおがわ」が訛ったものではないかと推測しています。
芋川の集落を縦断するような長い川であったことから名付けられたのではないでしょうか。
芋川は集落を流れる川に由来していた
芋川という地名は、この地を流れる川の名前に由来していることが分かりました。
芋川氏館跡は妙福寺というお寺のあたり、看板は少し分かりづらい民家の横にあります。
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