長野県の木曽エリア、王滝村にある自然湖。
富士山に次いで2番目に高い独立峰「御嶽山(おんたけさん)」の麓にある小さな湖は、1984年に起きた地震によってできた自然湖です。夏にはネイチャーカヌーツアー、冬には結氷した湖面でワカサギ釣りが楽しめるアウトドアスポットでもあります。
- 自然湖とは?なぜできたの?
- 自然湖へのアクセス
- 自然湖でできること
- 自然湖のある滝越集落の歴史
などを中心にご紹介します。
木曽エリアの観光スポットはこちらの記事もご参照ください!
自然湖へのアクセスは?長野県王滝村
自然湖は長野県王滝村の中心地からさらに車で30分ほど走った場所にあります。木曽路からの入り口にある「道の駅 木曽福島」からは片道42分ほどかかるので木曽観光のついでと考えている方は注意!
自然湖は地震で生まれた天然湖
自然湖は1984年に起った、王滝村を震源地のとする長野県西部地震によって生まれました。土石流が王滝川になだれ込み、森を沈めて堰き止められた水がたまって天然湖が形成されたのです。かつては渓谷だった場所に深いところで20mほどの水が溜まり、湖には枯れ木が立ち並びます。
自然湖は土砂の流入により年々浅くなり、立木も倒れています。時間をかけて少しずつ元の森に戻ろうとする自然の力を感じられる場所でもありました。
冬の自然湖は静寂に包まれて

自然湖がワカサギ釣りのできるレベルで結氷しているということで、見に行ってきました。積雪量は5cmほどですが、凍えるような寒さ。湖面の標高は900mありますが、ワカサギが釣れるほど結氷するのは3年ぶりだそうです(2021年現在)。

湖面に降り立ってみました。氷の上にはワカサギ釣り用のテントがポツポツと。大丈夫だと分かっていても、湖の上を歩くのはドキドキしました。何人かで乗ると端っこの方が「ギシ・・ギシ・・」と音を立てるので反対側の湖岸まで行く勇気は持てず。凍っていないとたどり着けないので、行けばよかったな。

氷から生えたような枯れ立木の向こうには、トンネルが見えます。かつて王滝森林鉄道が通っていた名残が垣間見えます。大正時代から60年ほど、木曽一円に敷かれていました。

ワカサギ釣りもできる!

自然湖では四季折々の魚釣りが楽しめます。1月後半〜2月後半頃までの厳冬期には氷に穴を掘って氷上でのワカサギ釣りが体験できるそう。また予約制でガイド付きの「氷上さんぽ」も楽しめます。詳しくはこちらをご覧ください!
さらに奥は滝越集落

実は今回の目的地はさらに奥の滝越集落でした。
どこにもつながらない行き止まりの集落。さらに奥には三浦ダムがあり、その下には三浦集落が沈んでいるのだとか。行き道、「三浦大夫の本」と書かれた木の看板を掲げた軽トラックに遭遇し、疑問に思って調べるとこんな文献を見つけました。
滝越集落は相模の国・三浦の領地を与えられ代々三浦(みうら)介(のすけ)と称した。
山岳科学研究会友の会 会報より引用
伊勢新九朗(北条早雲)に攻撃を受け、三浦道(どう)寸(すん)(義(よし)同(あつ))、
荒次郎(義(よし)意(もと))父子は 3 年間もの新井城に籠城し 1516 年に討死したとい
われているが、21 歳の義意の遺体は不明だと伝えられて 450 年続いた三浦一族は滅び
去ったと云う。三浦一族が何故、滝越に生き残っていたのか資料はないが伝承では義
意は「三浦大夫」と呼ばれ、今、三浦の地は三浦ダムに沈んでいる。

滝越集落の方は全戸「三浦」姓を名乗っている、と書いた記事もありましたが詳細は不明です。自然湖奥のトンネルを抜け、湿地を超えた先にひっそりとある滝越。三浦旅館という宿泊施設もあり、キャンプもできるので夏は賑やかなのでしょうか。また季節を変えて訪れたい場所です。

地震で生まれた絶景の自然湖 まとめ

長野県王滝村の奥にできた自然湖と、その先にあるどんつきの集落「滝越」についてご紹介しました。今回は冬に訪れましたが、春〜秋の様子も追記していければと思います。
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