
白馬といえばスキーシーズンに人が集まるイメージですが、夏の白馬観光もオススメしたいスポットばかり。スキマ信州でも八方アルペンラインや北尾根高原、栂池自然園など夏の白馬を満喫できるスポットをご紹介してきました。ここでひとつ、スキマらしい白馬の観光スポットをみなさんにお届けできればと思っています。
今回ご紹介するのは、白馬村の北端にある落倉高原。地名の「落倉(おちくら)」からして興味をそそられる場所です!
白馬村「落倉高原」とは?
「落倉」というなんとも後ろ向きな地名に惹かれやってきた落倉高原。白馬村の最北端、小谷村の手前にあります。標高850mと高い位置にあるため、1年中涼しく白馬エリアでもとびきりの避暑地です。長野県内の平地と比べても1ヶ月以上季節感がずれているので服装だけご注意ください!
落倉高原の見どころと観光スポット
・落倉自然園のミズバショウとザゼンソウ
・楠川の清流
・風切地蔵
・おかる穴
落倉高原へのアクセスとマップ
最寄駅の白馬大池駅から落倉自然園までは徒歩1時間ほど。小高い丘の上にあります。
落倉高原を南北に貫く千国街道

落倉高原には、南北を貫くように千国街道が走っています。千国街道は塩の道とも呼ばれ、新潟県糸魚川市と長野県松本市を結び、塩や海鮮などを運んだ商人の道です。水害も多く信仰の道でもなかったため、千国街道は全体的に山道が多く感じます。
ところどころに「千国街道」の看板が出ているので旧道を感じながらめぐるのも楽しみ方のひとつ。
落倉自然園はミズバショウとザゼンソウの群生地

はじめにご紹介するのは落倉自然園。白馬村には湿原がたくさんありますが、落倉高原もそのひとつです。ミズバショウの群生地として知られています。長野県内にはミズバショウの群生地がいくつかありますが、車から徒歩3分でこれほどたくさんのミズバショウが見られるスポットは多くないはず。

湿原の中を歩く

駐車スペースから自然園までは徒歩3分ほど。大きな看板と公衆トイレがありました。5月10日頃の写真ですが、まだ桜が咲いているのが分かりますね。ジャケットを羽織ってちょうど良いくらいの気温でしたが、この日西日本では30度の夏日を記録していたようです。

一歩湿原に足を踏み入れると、より涼しく感じます。いたるところに「熊注意」の張り紙。ゆっくり歩いても往復30分ほど。ちょっとした森林浴にもオススメです。

湿原内には大山祇神社が鎮座

自然園の奥には大山祇(オオヤマツミ)神社。山の神様です。横には水神さまの石祠もありました。神社を抜けると車道に出るのでもう一度自然園を通って駐車場に戻ります。
観光客もおらず静かな雰囲気でしたが、咲き誇るミズバショウは圧巻の数。夏でも人の多い白馬に疲れたらぜひ立ち寄っていただきたいスポットです。
風切地蔵

落倉自然園より車で3分ほど、風切地蔵の看板を見つけて立ち寄りました。風害に悩まされていた農民たちが祈りを込めた風切地蔵。この辺りには、鎌を立てて風を断ち切る風習も残っているとのこと。確かに地理的にも小高い丘のようになっており、風の強い地域のようです。

楠川にまつわる民話「おかる穴」

白馬村に伝わる伝説の舞台となった場所が落倉高原にありました。場所はいまいち分かりませんでしたが、おそらく写真右側の影になっている部分がおかる穴と呼ばれる場所です。
おかる穴とは?
むかしむかし、切久保部落におかるという女がおりました。働きもので評判の嫁でしたが、姑との折り合いが悪く、いさかいが絶えませんでした。がまんができなくなったおかるは、氏神様の宝物である七道の面の一つ恐ろしい般若の面をかむって、姑を脅すことを考えつきました。ある夜半、おかるは面をつけて寝ている姑を脅しました。姑はあまりの恐ろしさに気絶してしまいました。おかるは誰にも気づかれないうちに、面を返そうとしましたが、どうしたことか面は顔にくっついたまま、どうしてもはがれません。
こんな顔を人に見られることはできません。おかるは白みかかった夜明けの道をひたすら走り瀬戸の淵にある洞穴に身を隠してしまいました。その後、人々はこの洞穴のことをだれいうとなく「おかる穴」と呼ぶようになりました。
現地看板より引用

調べてみると、子どもが危険な場所に近づかないための民話であるとか、水害が起こるとおかる穴付近で死体が見つかるからだとか、さまざまな説があるようです。こちらも千国街道沿いにあるのでチェックして見てくださいね。
楠川でのんびり川遊び

落倉高原を流れる楠川(くすかわ)は、北アルプスの白馬乗鞍岳を源流とし、白馬栂池自然園を通って落倉高原を流れ姫川に合流します。手前に駐車スペースがあり、下りられそうだったので近付いてみました。ちなみに白馬栂池自然園を訪れた様子も記事になっています。

透明で清らかな楠川ですが、水温は低く流れも速いので十分注意してください。わたしは近くの石に座って水の流れを眺めるくらいに留めておきました。
白馬観光に落倉という選択肢を。

夏の落倉高原を検索してもあまり情報が出てこなかったのでまとめてみました。とにかく涼しくて人もいなくて快適!植物、絶景、民話、川、街道などさまざまな視点で楽しめる落倉高原へぜひお越しください。
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