【長野県の日本遺産】新たに上田市・千曲市2件が認定!全4件を詳しくご紹介

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2020年6月19日、地域活性化やブランド力アップを目的とした日本遺産が新たに21件追加されました。長野県では新たに2件が認定され、全4件に。

新たに認定されたのは以下の2件。

  • 「月の都千曲―姨捨の棚田がつくる摩訶(まか)不思議な月景色『田毎(たごと)の月』」(千曲市)
  • 「レイラインがつなぐ『太陽と大地の聖地』〜龍と生きるまち信州上田・塩田平」(上田市)

すでに日本遺産に登録されているのは以下の2件。

  • 「木曽路はすべて山の中~山を守り 山に生きる~」(南木曽町,大桑村,上松町,木曽町,木祖村,王滝村,塩尻市 )
  • 星降る中部高地の縄文世界—数千年を遡(さかのぼ)る黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅─」(長野県(茅野市, 富士見町, 原村, 諏訪市, 岡谷市, 下諏訪町, 長和町, 川上村)・山梨県(甲府市, 北杜市, 韮崎市, 南アルプス市, 笛吹市, 甲州市)

そもそも日本遺産とはなんなのか?審査基準は?などを説明しつつ、日本遺産4件をそれぞれご紹介いたします。

そもそも日本遺産とは?

文化庁によると、日本遺産は以下のように説明されています。

「日本遺産(Japan Heritage)」は地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として文化庁が認定するものです。

ストーリーを語る上で欠かせない魅力溢れる有形や無形の様々な文化財群を,地域が主体となって総合的に整備・活用し,国内だけでなく海外へも戦略的に発信していくことにより,地域の活性化を図ることを目的としています。

簡単に要約するとこんな感じ。

  • 誰が:文化庁
  • 目的:海外でも通じる日本ブランドを発信するために
  • 根本的な目的:東京オリンピックの訪日客が日本を周遊し、地域活性化に繋がること
  • どうやって:日本遺産としてブランド化し、地域活性化の支援を行って
  • どこが個性的?:文化財や遺産単体ではなくストーリー(面)による包括的な視点であること

日本遺産に選ばれる基準は?

日本遺産の審査基準は大まかに以下の3つ。

1 ストーリーの内容が,当該地域の際立った歴史的特徴・特色を示すものであるとともに我が国の魅力を十分に伝えるものとなっていること。
2 日本遺産という資源を活かした地域づくりについての将来像(ビジョン)と,実現に向けた具体的な方策が適切に示されていること。
3 ストーリーの国内外への戦略的・効果的な発信など,日本遺産を通じた地域活性化の推進が可能となる体制が整備されていること。

簡単に要約するとこのようになるでしょうか。

  • 日本らしさ・その地域らしさがあるか
  • 日本遺産に認定された後のビジョンが明確か(活かせるか)
  • 効果的な情報発信ができそうか

月の都千曲―姨捨の棚田がつくる摩訶(まか)不思議な月景色『田毎(たごと)の月』

千曲市姨捨駅

今回新たに認定された『月の都千曲』。

その景観価値だけでなく、月見、伝説、文学、伝統行事、浮世絵など日本らしいキーワードから包括的にストーリー付けたことが評価につながったようです。Skima信州でも摩訶不思議な地名「姨捨(おばすて)」の由来農業遺産としての棚田など、さまざまな視点から取り上げてきました。

ストーリーの概要は以下の通りです。

日本人の美意識を表す「月見」。中でも、歴史的に文学や絵画の題材となってきた「姨捨山に照る月」、「田毎の月」は、日本を代表する月見の名所である。姨捨は、地名の響きから、棄老物語を語り伝えてきた。それは、月見にちなむ文芸への遊び心を鼓舞する一方、棚田での耕作や伝統行事を通じて古老の知恵と地域の絆を大切にする教えを育んできた。すべての棚田に映る月影を1枚の浮世絵に表した歌川広重の摩訶不思議な「田毎の月」。そんな「古来の月見」や、「月の都千曲」が奏でる「新しい月見」に出かけよう。

長野県庁より引用

「レイラインがつなぐ『太陽と大地の聖地』〜龍と生きるまち信州上田・塩田平」

上田市の塩田平から別所温泉までのレイラインも認定されました。

レイラインとは古代の遺跡や信仰施設が直線上に置かれていることを意味します(今回のネーミングについて、歴史的根拠や解釈は定義されていないようですが)。別所温泉や塩田平には神社仏閣が多く、生島足島神社、信濃国分寺、安楽寺などがレイラインをつないでいることからストーリー付けられたようです。

ストーリーの概要は以下の通り。

独鈷山と夫神岳から扇状に開ける地・塩田平は、古来「聖地」として、多くの神社仏閣が建てられている。山のふもとにある信州最古の温泉といわれる別所温泉、「国土・大地」を御神体とする「生島足島神社」、「大日如来・太陽」を安置する「信濃国分寺」は、1本の直線状に配置され、レイラインをつないでいる。夏至と冬至に、鳥居の中を太陽の光が通り抜け、神々しくぬくもりのある輝きを享受できるのだ。先人たちが、この地が特別であると後世に伝えようと遺した様々な仕掛けは、今も、訪れる人びとにパワーをチャージさせる。

長野県庁より引用

木曽路はすべて山の中~山を守り 山に生きる~

長野県内で最初に認定されたストーリー。

「木曽路はすべて山の中である」とは木曽・馬籠宿出身の文豪 島崎藤村著『夜明け前』の有名な冒頭です。木曽路といえば江戸時代の街並みを残す宿場町が目を惹きますが、伝統工芸品である木曽漆器やそれを取り巻く森林資源や社寺建築の技術などもストーリーに含まれています。

今回新たに岐阜県中津川市馬籠宿(旧長野県山口村)の「島崎藤村宅(馬籠宿本陣)跡」など文化財3件を追加指定されました。

戦国時代が終わり新たな町づくりがすすめられると、城郭・社寺建築の木材需要の急増は全国的な森林乱伐をもたらした。森林資源が地域の経済を支えていた木曽谷も江戸時代初期に森林資源の枯渇という危機に陥る。
所管する尾張藩は、禁伐を主体とする森林保護政策に乗り出し、木曽谷の人々は、新たな地場産業にくらしの活路を見出した。そして、江戸時代後期、木曽漆器などの特産品は、折しも街道整備がすすみ増大した御嶽登拝の人々などによって、宿場から木曽路を辿り全国に広められた。江戸時代、全国に木曽の名を高めた木曽檜や木曽馬、木曽漆器など伝統工芸品は、今も木曽谷に息づく木曽の代名詞である。

日本遺産 ポータルサイトより引用

星降る中部高地の縄文世界—数千年を遡(さかのぼ)る黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅─

八ヶ岳天然温泉「尖石の湯」

長野県と山梨県の一体的な日本遺産です。

数万年前からこの地で広く利用された黒曜石。同じ時期の土器やヴィーナス土偶を通して見える縄文人の文化や歴史がストーリーとして評価されています。また「星降る」と表現されているように、八ヶ岳山麓は今でも星空の美しい場所として国内外の観光客から人気を集めています。

日本の真ん中、八ヶ岳を中心とした中部高地には、ほかでは見られない縄文時代の黒曜石鉱山がある。

鉱山の森に足を踏み入れると、そこには縄文人が掘り出したキラキラ耀く黒曜石のカケラが一面に散らばり、星降る里として言い伝えられてきた。日本最古のブランド「黒曜石」は、最高級の矢じりの材料として日本の各地にもたらされた。麓のムラで作られたヒトや森に生きる動物を描いた土器やヴィーナス土偶を見ると、縄文人の高い芸術性に驚かされ、黒曜石や山の幸に恵まれて繁栄した縄文人を身近に感じることができる。

日本遺産ポータルサイトより引用

【長野県の日本遺産】新たに上田市・千曲市2件が認定!全4件を詳しくご紹介

長野県の日本遺産

長野県の日本遺産が新たに2件追加され、日本遺産の認定件数も累計104件となりました。日本遺産の認定が、長野県や日本における観光振興の一助になることを期待しています。

日本遺産によって興味が沸いた方は、ぜひ実際に訪れてみてくださいね。

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この記事を書いた人

信州さーもん

スキマな観光ライター。長野県内外、国外を旅します。長野県観光WEBメディア「Skima信州(http://skima-shinshu.com )」代表。道祖神宿場街道滝ダムため池棚田神社仏閣好きな平成生まれの魚。浅い知識を浅いままに増やしています。企画・アイディアを出すのが得意。たぶん。