こんにちは、温泉マニア大学生の力路郎(@OfAdriatic10)です。
僕は、温泉が注ぎ込まれる注ぎ口(湯口)が大好きです。浴室に入って真っ先に向かってしまうのがここ。湯口は温泉マニアにはたまらない興奮スポットです。
湯口から注ぎ込まれる新鮮な源泉を味わったり、周りに付着した温泉成分の析出物を愛でたり、湯の花をすくってみたり・・・楽しみ方は人それぞれでしょう。何より、湯口付近のお湯は鮮度抜群なのがたまらないです。
動物などさまざまな形のものがあったり、一風変わったおもしろい注ぎ方のものがあったり、見ているだけでも楽しい湯口。今回は、信州各地の温泉にあるおもしろい湯口を、マニアックに鑑賞してみようと思います。
僕が選んだ信州のオススメ温泉はこちら!
動物の湯口(ライオン・カエル・カメ・シカ・ヒツジ)
動物の口からドバドバと注がれるお湯は、見ているだけでなんだか面白いものです。動物の湯口の王道であるライオンをはじめ、カエルやカメなど、趣向を凝らしたさまざまな湯口があります。
鹿教湯温泉「町高梨共同浴場」
鹿教湯温泉の知る人ぞ知るマニアック共同浴場の町高梨共同浴場。ここの湯口は立派なライオンの頭になっています。新鮮なお湯がライオンの口からドバドバ。近づくとほのかに硫黄臭も感じられます。
鹿教湯温泉「町高梨共同浴場」をはじめ、丸子温泉郷の入湯レポはこちら。
下諏訪温泉「共同浴場・新湯」
下諏訪の街中にある小さな共同浴場の新湯。湯口は白い析出物に覆われたライオンです。小ぢんまりとした湯船に注がれる熱湯。一瞬にしてホカホカになるさっぱりとしたお湯です。
新湯をはじめ、下諏訪温泉「共同浴場」の入湯レポはこちら。
野沢温泉「共同浴場・新田の湯」
北信濃の名湯である野沢温泉には、13ヶ所の外湯があります。その一つである新田の湯の湯口は、析出物でびっしりと覆われたライオンです。源泉は非常に高温のため、一旦溜めて冷ましてから投入されています。
※2018年12月、新田の湯は新しく建て替えられたため、現在では見ることができません。
新田の湯をはじめ、野沢温泉「共同浴場」の入湯レポはこちら。
角間温泉「越後屋旅館」
湯田中渋温泉郷の一つである角間温泉。老舗旅館の越後屋旅館は、明治後期に建てられたという重厚な造りの木造三階建て。家族風呂の湯口にはカエルの石像が置かれています。聞こえるのはちょろちょろと静かに注がれるお湯の音だけ。なんとも不思議で神秘的な空間。
長嶺温泉
中野市の田園地帯に佇む長嶺温泉。内湯の湯口の上には、巨大なカエルが堂々と座っています。ドバドバと注がれるお湯はとても新鮮で、すぐに身体が泡まみれになるほど。地元に愛される隠れた極上湯です。
長嶺温泉の入湯レポはこちら。
上山田温泉「亀清旅館」
上山田温泉の人気温泉旅館である亀清旅館。露天風呂の湯口が亀の形をした木彫になっています。かわいらしい亀の口から注がれるお湯は、薄く緑に色付いたまろやかな硫黄泉です。
鹿教湯温泉「ふぢや旅館」
「鹿が教えた湯」という名の通り、鹿にまつわる伝承が残る鹿教湯温泉。老舗湯治宿であるふぢや旅館の混浴内湯には、珍しい鹿の頭の湯口が存在します。口から注がれる無色透明のさっぱりとしたお湯。白いトゲトゲの析出物が付着して、まるで鹿の髭のようになっています。
同じくふぢや旅館の女湯には、おそらくヒツジと思われる湯口もあります。こちらは完全に析出物に覆われてしまっており、ほとんど原形をとどめていません。まるでモコモコしたヒツジの毛のようです。
人像の湯口
人間の石像から並々と注がれるお湯。浴室の隅に静かに佇む裸婦の胸像は、独特な異世界のムードを盛り上げてくれます。
角間温泉「越後屋旅館」
角間温泉の越後屋旅館の大浴場には、壺を傾けて持つ裸婦の石像があります。この壺の中からアツアツの源泉が注がれ、イタリア製のタイル張り浴槽にたっぷりと満ちています。“和”と“洋”が融合した明治時代の歴史ある空間。壺には析出物がびっしりとこびり付き、年季の入った風情もたまりません。
瓦の湯口
歴史ある温泉地の老舗旅館。そんなお宿のお風呂には、立派な瓦の湯口がとても似合います。
浅間温泉「坂本の湯旅館」
浅間温泉の坂本の湯旅館は、明治18年創業という歴史ある老舗旅館です。湯口の上にはお宿の名が刻まれた立派な瓦が置かれています。お湯はほのかに硫黄臭のするアルカリ性単純温泉。ぜいたくに源泉掛け流しで楽しめます。
丸太の湯口
大きな丸太の中を伝って注ぎ込まれるお湯。木のぬくもりを感じ取れるステキな造りです。
子安温泉
高山村の子安温泉は泉質自慢の療養泉です。巨大な丸太から大量に注がれるお湯。鉄の香りがする源泉を加温してぜいたくに掛け流し。木のぬくもりも感じられ、心身ともに癒される温泉です。
子安温泉の入湯レポはこちら。
注ぎ方が個性的な湯口
滝のように流れ落ちるお湯。噴水のように勢いよく噴射されるお湯。どうしてそんな変わった注ぎ方になったのか、理由を考えてみると面白かったりします。
小谷温泉「山田旅館」
江戸末期に善光寺の宮大工によって建てられたという山田旅館。ここの内湯は、打たせ湯のようにドバドバと源泉が投入されています。長い年月を経て、湯口には巨大な柱状の析出物まで成長しています。
小谷温泉「山田旅館」の入湯レポはこちら。
姫川温泉「朝日荘」
新潟県糸魚川市との県境にある小谷村の姫川温泉。昭和レトロな温泉宿の朝日荘では、巨岩に囲まれたダイナミックな混浴内湯が楽しめます。岩の上の相当高い位置にパイプがあり、そこから打たせ湯のように源泉を流し入れています。
葛温泉「高瀬館」
大町市の高瀬渓谷近くにある葛温泉の高瀬館。葛温泉といえば、麓の大町温泉郷のお湯もすべて賄っているという、非常に豊富な湯量が魅力です。高瀬館のワイルドな露天風呂では、浴槽縁のあちこちからもったいぶることなくお湯が投入され、中央の岩からは噴水のようにしてお湯が溢れています。
松代温泉「松代温泉公民館」
公民館で温泉に入ることができる松代温泉公民館。湯船は茶色いゴテゴテの析出物に覆われ、もはや原型が分かりません。湯口はお湯の中に沈められ、下からゴボゴボと出てきています。源泉を空気に触れさせないことにより、鮮度を保つ工夫になっているのでしょう。
松代温泉「松代温泉公民館」の入湯レポはこちら。
まとめ
以上、信州各地の温泉にあるさまざまな湯口をマニアックに鑑賞してみました。いかがでしたか。
個性的な湯口は意識して探さないと見つからないですが、マニアにとって見つけたときの感動はひとしおです。湯口も温泉の楽しみの一つでしょう。
皆さんも自分のお気に入りの湯口を探してみては。
こんなマニアックな特集記事もあります!
【連載】教えたいけど知られたくない!信州のスキマ温泉めぐり
長野県の温泉地数は224ヶ所、245ヶ所の北海道に次いで日本第2位!ちなみに温泉利用の公衆浴場数は、654ヶ所と日本一を誇っています。
信州の温泉地といえば野沢温泉や渋温泉、別所温泉や白骨温泉などが有名ですね。
この特集ではスキマメンバーの力路郎さんが、少し変わった温泉地をさまざまな視点からご紹介します。