信州には多種多様な温泉がありますよね。泉質の種類も本当にたくさん。さすが温泉大国と呼ばれるだけあります。そこで今回は、温泉の色に注目してみようと思います。
色の付いた温泉とは、すなわち「にごり湯」のことです。にごり湯といえば白や茶色を思い浮かべる方も多いでしょう。色は泉質などの違いによって、本当に様々な種類のものがあります。
信州のにごり湯をいくつか厳選してまとめてみました。
僕が選んだ信州のオススメ温泉13選はこちら!
長野県のにごり湯温泉①「白色」
にごり湯と聞いて、真っ先にイメージするのがこの色でしょう。硫黄成分が多く含まれるお湯は白濁する傾向があります。
白骨温泉「小梨の湯 笹屋」
信州のにごり湯といえば、白骨温泉の名前がまず挙がってくるのでは。真っ白に白濁した湯は硫黄臭が強烈で濃厚です。小梨の湯 笹屋の露天風呂もかなり濃厚な硫黄泉。コテコテの白い析出物が美しいです。
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野沢温泉「共同浴場・真湯」
野沢温泉のお湯はさまざまな色があります。透明なものが多いですが、中には白濁したものや緑のものまで。野沢温泉の外湯のひとつ「真湯」は白濁したお湯。真湯源泉という独自の源泉を使っています。
ここのお湯の特徴は、なんと言っても黒い湯の花です。マニアの間で大人気の外湯だそう。他にも「十王堂の湯」や「松葉の湯」は白濁していることが多いです。
野沢温泉「共同浴場」の入湯レポはこちら。
七味温泉「恵の湯」
高山村の最奥、松川渓谷に湧く七味温泉。秘湯ムードが漂う山奥の温泉です。恵の湯は「渓山亭」の経営する日帰り入浴施設。広い露天風呂が自慢です。ここのお湯は七味温泉ならではの白濁したもの。緑の中で野趣あふれる露天風呂が楽しめます。
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乗鞍高原温泉「山栄荘」
乗鞍岳中腹に湧く源泉を引湯している乗鞍高原温泉。近くの白骨温泉とは泉質が似ており、同じく乳白色のお湯です。そのお湯を内湯と露天風呂でそれぞれ楽しめる温泉宿が山栄荘。白濁した濃厚な硫黄泉を、爽快な空気の中で楽しめます。
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奥蓼科温泉郷「渋御殿湯」
奥蓼科温泉郷のひとつ、渋御殿湯は温泉マニアには有名な存在の温泉です。ここの名物は足下湧出の浴槽。全国でも珍しい、浴槽の底からお湯が湧いてくる温泉です。強烈な硫黄臭を放つ白濁したお湯。天然記念物レベルの貴重な温泉と言えるでしょう。
長野県のにごり湯温泉②「白青色」
全国的にもなかなかレアな色。時間帯などによって変化する場合が多いので要注意です。
上山田温泉「湯の華銭湯 瑞祥 上山田本館」
公衆浴場や旅館によって、さまざまな色に変わる上山田温泉。日帰り入浴施設「湯の華銭湯 瑞祥 上山田本館」の露天風呂は青白く濁っていることが多いです。時間帯によっても湯色が変わるので、青いお湯を見れたらラッキーでしょう。
上山田温泉「瑞祥」のインタビュー記事はこちら。
湯俣温泉「晴嵐荘」
北アルプスの奥地にある歩いてしか行けない秘湯、湯俣温泉。山小屋の晴嵐荘の内湯は青白く濁っています。ブルーのお湯は大変珍しいです。全国にある青く濁る温泉は、硫黄の成分が含まれている場合が多いです。
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長野県のにごり湯温泉③「白緑色」
濃厚な硫黄泉に多い色です。こちらも時間帯などによって白濁に変わったりと、出会える可能性が低いです。
屋敷温泉「秀清館」
秘境秋山郷にある屋敷温泉。秀清館の内湯はきれいなグリーンに色付いています。ここまで鮮やかな色をした温泉も珍しいです。とても神秘的!露天風呂もありますが、そちらは白濁または透明なお湯でした。
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熊の湯温泉「熊の湯ホテル」
志賀高原の大自然に囲まれた高原ホテルの一つである熊の湯ホテル。自家源泉を持つここのホテルのお湯は、鮮やかな翡翠色に見事に輝いています。秘湯の趣があるヒノキ造りの内湯と、四季折々の景色が見られる露天風呂を楽しめます。
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五色温泉「五色の湯旅館」
高山村の松川渓谷沿いに佇む秘湯の一軒宿、五色の湯旅館。名前の通り、5色にお湯の色が変化するそう。天候などによって変わるとか。エメラルドグリーンに染まる内湯。秘湯の風情漂う素晴らしい浴室です。
※2017年に温泉棟は新築されています。
長野県のにごり湯温泉④「薄緑色」
アルカリ性単純硫黄泉に多い色です。全国的には珍しいですが、信州では多く見られる色でもあります。
野沢温泉「共同浴場・滝の湯」
一口に野沢温泉といってもさまざま。共同浴場の「滝の湯」のお湯は薄緑色に染まっています。単純硫黄泉らしい透明感のある緑色。野沢屈指の極上湯を楽しめます。
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新戸倉温泉「戸倉観世温泉」
早朝から大人気の公衆浴場である戸倉観世温泉。美しいエメラルドグリーンの単純硫黄泉で、街中にありながら本格的なお湯を楽しめます。ここに毎日通える地元の人が羨ましい限り。
同じ新戸倉温泉の「戸倉国民温泉」の入湯レポはこちら。
上山田温泉「亀清旅館」
アルカリ性単純硫黄泉の上山田温泉。亀清(かめせい)旅館のお湯は鮮やかなエメラルドグリーンでした。ゴージャスな気分になります。上山田の多くの旅館や公衆浴場が、このような色に色付いています。
上諏訪温泉「大和温泉」
上諏訪温泉の一部の施設では硫黄泉を楽しむことができます。温泉銭湯の大和温泉はそのひとつ。美しいエメラルドグリーンのお湯がステンレス製の湯船に満ちています。
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長野県のにごり湯温泉⑤「茶色」
鉄分を含む塩化物泉によく見られる色です。濃厚なお湯でよく暖まると評判です。
小赤沢温泉「楽養館」
秘境「秋山郷」の玄関口にあたる小赤沢集落の日帰り温泉施設「楽養館」。鉄分を多く含むここのお湯は、空気に触れることにより赤褐色に濁ります。全く透明度の無い濃厚なお湯に驚くこと間違いなし!
渋温泉「共同浴場・大湯」
9つの外湯がある渋温泉。その中心にあるのが9番湯「大湯」です。外湯で濃い茶色に濁っているのはここだけで、他は薄茶色、透明、笹濁りなどさまざま。鉄っぽい金気臭はあるものの、塩分はそれほど感じられないお湯です。
同じ渋温泉の「かめや旅館」の入湯レポはこちら。
子安温泉
個性豊かな温泉がそろう高山村。その中でも、唯一茶色く濁るのが子安温泉。大きな湯船が中央にひとつあるのみで、お湯そのものを贅沢に楽しめる施設です。鉄の香りが漂うまろやかなお湯。新鮮さも自慢です。
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松代温泉「松代温泉公民館」
県内屈指の濃厚温泉といわれる長野市の松代温泉。松代温泉公民館は文字通り、地区の公民館を兼ねた珍しい温泉施設です。析出物に覆われて原型が分からなくなった芸術的な湯船に、鉄の香りが強烈な茶色いお湯が満ちています。
松代温泉「松代温泉公民館」の入湯レポはこちら。
白馬塩の道温泉「倉下の湯」
白馬に湧く信州屈指の強食塩泉。倉下の湯の露天風呂で味わえます。茶色く濁ったお湯はとにかくしょっぱい。若干の土類臭も感知できます。信州では、松代温泉と並んで濃い温泉の代表格になると思います。
長野県のにごり湯温泉⑥「薄茶色」
にごり湯ではよく見るタイプの色です。泉質はさまざま。鉄分を含む場合が多いです。
小谷温泉「山田旅館」
雨飾山の登山口にある一軒宿の山田旅館。湯治場の風情を残す秘湯の老舗旅館です。薄茶色に濁った重曹泉が惜しみなく掛け流されています。江戸時代に建てられたという本館の木造建築もお見事です。
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湯原温泉「猫鼻の湯」
小谷村の山峡にひっそりと佇む湯原温泉猫鼻の湯。知る人ぞ知るマニアック温泉です。手作り感満載の簡素なプレハブ小屋に温泉はあります。姫川を望める露天風呂がひとつ。お湯は鉄臭香るほのかに茶色く濁ったもの。あっさりとした湯で長湯にも向いているかもしれません。
北志賀温泉「高社の湯」
多種多様な温泉がある山ノ内町。北志賀高原の高社の湯は隠れた名湯です。北欧風のオシャレな外観からは想像できない、予想外なほど上質なお湯。薄茶色に色付いたお湯が惜しみなく掛け流されています。
長野県のにごり湯温泉⑦「赤色」
全国でもなかなか出会えないレアな色。鉄分の含まれている量が圧倒的に多いお湯だと考えられます。
天狗温泉「浅間山荘」
浅間山中腹にある天狗温泉の浅間山荘は「日本一赤いお湯」として知られています。まるで野菜ジュースのように鮮やかなお湯。鉄分を多量に含む冷鉱泉です。全く透明度のないお湯に驚くこと間違いなし!
長野県のにごり湯温泉⑧「黄色」
いわゆるモール泉はこの色が多いです。信州では貴重な存在。独特の香りもあります。
中条温泉「トマトの国」
栄村の温泉施設、中条温泉トマトの国のお湯は美しい黄色のモール泉。モール泉は信州では大変珍しい泉質です。何とも表現しがたい独特の鉱物臭が香ります。この色のお湯に浸かるだけで、ゴージャスな気分になれます。
温泉は自然の産物
信州の代表的なにごり湯をいくつか紹介しました。さまざまな色に色付いたお湯が信州各地にあります。「色」も温泉の楽しみ方のひとつと言えるでしょう。
しかし、温泉は自然の産物であることを忘れてはなりません。その日のお湯の状態や加水の量、または気候などにも大きく左右されます。例えば、普段は白く濁っているお湯でも、時間が経つにつれて緑色に変化したり、透明になったりする場合も多いです。
いつも決まって同じ色のお湯だとは限らないのでご注意を。
長野県の温泉地数は224ヶ所、245ヶ所の北海道に次いで日本第2位!ちなみに温泉利用の公衆浴場数は、654ヶ所と日本一を誇っています。信州の温泉地といえば野沢温泉や渋温泉、別所温泉や白骨温泉などが有名ですね。
この特集ではスキマメンバーの力路郎さんが、少し変わった温泉地をさまざまな視点からご紹介します。